実釣編

足場の悪い堤防でも安全装置をきっちりそろえて釣り場へ。キャストから釣果を伸ばすコツまで新保さんが実釣解説!か

スタイリング・安全装備

万全の安全装備で
ライト&カジュアルに実釣

「アジングの釣り場は足場の良い堤防。手軽に楽しめますね!?」

「でも安全装備は万全にしましょう。」

「ライフジャケットは膨張式でもOKですが、固型式だとポケットにスペアのワームや小物を収納できて便利です。急に降り出す雨に備えてレインウェアも必要。防寒としても役立ちます。シューズはソールが滑りにくく、アッパーは水濡れに強い防水透湿素材のものがおすすめです。キャップや偏光グラスで頭や目を、グローブで手を守ることも忘れずに」

足場の良い安全な漁港や堤防で釣りをするときは、膨張式のライフジャケットでもOKだ。ラフトエアジャケット(膨張式救命具)VF-051K

必要な小物類

ライト、フィッシュグリップは必携

「タックル以外で用意する装備はありますか?」

「アジングはナイトゲームになるので、ヘッドライトなどライト類が必要です。あと釣れるときは連発するので、フィッシュグリップがあると手を汚さず効率良く釣りができます。歯の鋭いフグなど危険な魚を釣り上げたときにも役立ちます。」

「釣れたアジを一時的にストックする水汲みバッカンもあると便利ですね。そのほかにハサミやプライヤーなど、釣りの必需品を用意します」

新保さんのフローティングベストの中身は、ルアー、スペアリーダーのほかにご覧のようなラインナップ。

釣り場ではルールや
マナーも忘れずに!

「漁港や堤防は、漁師さんや港湾関係者の職場でもあります。仕事の邪魔をせず、ルールとマナーを守って釣りを楽しみましょう。ルール違反があると釣り禁止になることがありますからね。また、悪天候時は無理をしないこと。事故を起こさないの釣り人のマナーです」

釣り場でのルール&マナー

立ち入り禁止場所には入らない。 先行者がいたらあいさつをしよう。
釣り禁止場所で釣りをしない。 他の釣り人に接近しすぎない。
ゴミは捨てずに持ち帰る。 悪天候や高波のときは無理をしない。

ロッドの継ぎ方、しまい方

ジョイントは継ぐときも抜くときもブランクスを持つ

「ロッドを継ぐときは、ガイドを上向きにするとバットセクションとティップセクションのガイド位置が合わせやすいです。継ぐときはブランクスを持ち、継ぎ目が滑り込まなくなるまで差し込みます。ガイドを持って継ぐと強い負荷がかかってガイドの曲がりやネジレの原因になります。仕舞うときもブランクスを持ってジョイントを抜きます。継ぐときも仕舞うときも手が濡れていると滑るので、必ず乾いた手で行います」

ドラグの設定

アジの口は弱い。
ドラグは緩めでバラシを軽減

「アジは口が弱くてバレやすいですよね。リールのドラグ設定はどのくらいが良いんですか?」

「スピニングタックルを使うほかの釣りと比べると、かなり緩めです。僕はアワせたときにジーッと出るくらいに調整しています。ドラグを締めすぎるとアワセやファイト中にハリ穴が広がったり、口切れでハリが外れやすくなります。ドラグは緩めのほうが、大きいアジが喰ったときにも安心です。ソアレBBはアジング専用ドラグを採用し、ロッドの張りや釣り人のアワセの強さに応じてよりシビアなドラグ設定ができます」

ポイント選び

夜は常夜灯周り。
ライズも見逃さないこと

「アジングは漁港や堤防のどんなところを狙えば良いんですか?」

「基本は、夜の常夜灯周りです。明かりにプランクトンや小魚が集まり、それを食べにアジが寄ってきます。灯りが届かない暗がりも含めて、常夜灯周りを広く探ります。そのほかに藻の際、岸壁沿い、沈み根など障害物周り、港のスロープ周りなども有望です」

「常夜灯周りの狙い方は?」

「明るい部分と暗い部分の境目を越えた暗がりから足元まで広範囲をサーチし、レンジも表層からボトムまで探ります。水面付近のベイトを捕食してパチャッと波紋を出すライズをしているとこともあるので、見逃さないようにしましょう。ライズがあれば表層付近を中心に探ります」

明 プランクトン 小魚 シーバス エサはいないな!? 暗 アジ(小) アジ(大)

キャストのしかた

最初はフワッと。慣れたら鋭く振り抜く

「軽いジグヘッドリグを上手に投げるコツはありますか?」

「1g台のジグヘッドは軽く、最初は投げづらいと感じるはずです。」

「キャスティングのコツは、タラシは自分の身長の約1/3。リーダーの結び目がトップガイドに入らない程度。ゆったり振りかぶって、軽くフワッと振り抜きます。サオ先にジグヘッドのウェイトをのせて反発力を利用すると効率良く飛ばせます。慣れれば振り幅の狭い鋭いキャストで飛ばせるようになります。投げる前は後方の安全を必ず確認。電線など頭上の障害物にも注意しましょう」

レンジ攻略

カウントダウンで当たりレンジを割り出す

「常夜灯周りは表層からボトムまで探るということですが、どうやって?」

「ジグヘッドリグを沈めるときに数を数えるカウントダウンで、アタリが出るレンジ、要はタナを探ります。アジングは再現性の高い釣りでヒットを連発させるのが魅力の一つ。そのために欠かせないのが、カウントダウンによるレンジの攻略です」

「カウントダウンのやり方は?」

「ジグヘッドリグを投げて着水したら、サオ先を下げて糸フケを巻きとってカーブフォール。あるいは着水後、糸フケを巻き取ったらベールを返して、スプールを指で押さえながら糸フケが出すぎないようにラインを出して沈めます。」

カウントダウン中はラインが風の影響を受けにくくするためにサオ先を水面に近づける。

「肝心なのは、数を数えながら沈めること。カウントダウン中にアタリが出ることも多いし、カウント2ではアタらないけれど、カウント5まで沈めて探ったらアタった。次のキャストでカウント10ではどうかな? という具合に自分の中でレンジを数値化して当たりダナを効率良く割り出せます。ナイトゲームでは表層から探り、底層、中層とカウントダウンで泳層を3分割。アタリが出たらその層をさらに細かく刻んで、当たりレンジを絞り込んでいきます」

ラインを送り出して沈めるときは、糸フケが出すぎないように指をスプールエッジに当てて放出するラインを調整。

①カウント0 アタリなし ②カウント10 アタリなし ③カウント5 アタリ!! コンッパクッ

①着水後、表層付近を探りアタリがなければ、②次のキャストでカウントダウンしてボトムをチェック。
③アタリがなければ中層を探る。

底までカウント10だとしたら中層はカウント5。中層でアタリがあれば、次はカウント3、4、または6、7とレンジを細かく刻んで、より明確なアタリが出るレンジを絞り込む。

ジグヘッドリグの操作法

ただ巻きやシェイク&フォールなど
4つの誘い方をマスター

「ジグヘッドリグの使い方を教えてください」

「活性やベイトによっても誘い方は変わりますが、最初はこの4つをマスターしましょう。ただ巻き中にシェイクを入れたり、アジは落ちるものに反応しやすいのでフォールを交えれば、アクションのバリエーションを広げることができます」

スーッ カーブフォール
「着水後、糸フケを巻きとってラインを張り気味にしてカウントダウン。ジグヘッドリグは斜め下に沈みながら泳ぎます。常夜灯の明暗の境の先に投げてカーブフォールすれば、当たりレンジを探しながら広範囲を探ることができます」
フワ〜ッ ただ巻き
「ジグヘッドリグを狙いたいレンジまで沈めたら、任意のスピードでリールを巻きます。アジが小魚を捕食しているときは、ただ巻きによる横に動きに反応しやすいです。ただ巻き中にサオ先をチョンッと小さく動かしてアクションをつけたり、一瞬巻く手を止めてフォールで喰うきっかけを与えるのも効果的です」
スーッ ストンッ スーッ ストンッ リフト&フォール
「ジグヘッドリグを狙いたい層まで沈めたらサオ先をスーッと上げてリフト。サオ先を戻しながら糸フケを巻いてフォール。フォールで喰うきっかけを与えることができます。潮が流れていれば、フォールで糸フケを巻かずに流し込むこともあります」
チョンッ チョンッ フワッ チョンッ チョンッ フワッ シェイク&フォール
「狙いたいレンジまで沈めたら、サオ先をチョンチョンッと細かく震わせてシェイク。ジグヘッドリグを踊らせて誘い、止めてフォールで喰わせます。喰い渋るアジのリアクションバイトを誘いやすい。逆にライズをしているときは、表層で誘ってフォールで喰うきっかけを与えることができます」

アタリとアワセ
アワセは小さく鋭く!  
空アワセが誘いにもなる

「アジングはどんなアタリが出るんですか?」

「アジは吸い込み系のバイトをします。とくにナイトゲームではコンッや、グンッとアタリがしっかり手元に出るから面白い。」

「ただ、ちょっとした違和感があって、あやしいと思ったらとりあえずアワせましょう。アワセはサオ先をピッと30cm動かすくらい。手首で小さく鋭くアワせます。のらなくても小さな空アワセが誘いになって、喰うきっかけを与えることがあります。大きくアワせるとジグヘッドリグが喰おうとしていたアジから大きく離れたり、ワームがズレてチャンスを逃すこともあります。」

小さいアワセ 待てっ!! ピシッコンッパクッ 大きいアワセ バーン 逃した… コンッパクッ

やりとり~ランディング

ファイト中もランディングも
一定のテンションを保つ

「アジは口が弱いのでハリがポロリと外れることが良くあります。バラさないためには?」

「バラシを防ぐには、ファイト中はラインテンションを抜かないこと。水面でバシャバシャ暴れさせると、テンションが抜けてバレやすくなります。」

「逆に強引に寄せると口切れでバラすことがあります。アジが走ったらリールを巻く手を止めて、ロッドワークやドラグで対応。テンションを一定に保ちます。ランディングも勢いよく抜き上げると、曲がったロッドが戻る反動でラインテンションが抜けて、ポロリと落ちやすい。ランディングも一定のテンションを保って抜き上げます」

色々試して深いバイトを追求!
“アタリを作る”アジングの醍醐味を味わおう!

「アジングはジグヘッドの重さやワームのタイプ、カラーの使い分けに、レンジ攻略、誘い方のバリエーションも多い。奥の深い釣りですね」

「そう。何かをちょっと変えるだけで喰ったり、喰わなかったりします。例えば当たりカラーがわかったら、ジグヘッドのウェイトを変えるとどうなるか? アタリが出る要素が一つでもわかったら、次にもっと良い反応が出る要素を探してアタリを作ります」

「アタリを作る、とは?」

「いろいろ試して、より深いバイトに持ち込む。より明確なアタリを出すように仕向けます。この“アタリを作る”のもアジングの醍醐味で、ハマれば1投1尾も珍しくありません。仲間と釣りをするときは、それぞれが違うことを試し、情報を交換すれば効率良くアタリが作れます。あと、小さいアジに喰わせてかけるほうが難しい。これを追求するのもアジングの楽しさです。釣ったアジはお土産にする必要最小限をキープして、やさしくリリースしてあげましょう」

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