タックルをセッティングするときの注意点
ロッドは継ぐときも抜くときもガイドを持つのはダメ!
ロッドを継ぐときはガイドの位置を合わせて差し込みますが、このときにガイドを持たないこと。歪んだり、曲がる可能性があります。
ブランクスをしっかり握って差し込み、抜くときもブランクスを握ってゆっくり抜きます。
車で釣り場を移動するときは、ガイドにラインを通したまま仕舞います。ロッドベルトとトップカバーでまとめれば、移動中の破損を防ぎ、気になる振動音もありません。
実釣中は継ぎ目が緩んでいると、シャクったりキャストするときにロッドの破損に繋がりやすいので、時々しっかり差し込まれているかを確認しましょう。
ドラグの設定はどのくらい?
春は強め、秋は弱めがおすすめ。緩すぎ、締めすぎはNG!
ドラグの強さは、強めにシャクったときにジッと出るくらいが目安。締めすぎはアワセ切れの原因になるし、逆にズルズルだと初心者の方は、エギの動かし方が覚えにくくなります。
大型が出る秋の後半から春は、ドラグを少し強めにするとアワセがしっかり決まります。逆に小型が多い秋は、ドラグを緩めにしたほうがアワセたときに身切れによるフッキングミスが防げます。
狙うべきスポットと立ち位置
堤防先端や障害物など狙いどころは豊富!横風を受けにくい立ち位置も意識
山口さんが湯川さんのナビゲートで実釣に臨む。釣り場は漁港の堤防だ。
「堤防のどんなところを狙えば良いのですか?」
「潮の流れが当たったり、ヨレたりする堤防の先端や角。堤防の付け根側のシャロー。沈み根や海藻など水中の障害物。堤防の基礎にもアオリイカは付きます。堤防の先に沖堤があれば、その間の水道も有望です」
「狙い所はたくさんありますね!?」
「潮通しが良くて、ベイトが居て、障害物があれば釣れる可能性が高まります。あとは立ち位置にも注意。理想は無風ですが、風が吹いているときは、なるべく背中または正面から風を受ける立ち位置をとりましょう。横風はラインが風の影響を受けやすく、エギの操作がしにくくなります」
キャスティング
必ず投げる前に後方を見て安全を確認。エギの飛行姿勢が安定するようにキャスト!
「タラシはロッドの長さの半分程度。長すぎず、短すぎないほうが投げやすく、飛距離も出ます。人差し指にラインをかけてベールを起こしたら、背後に人が居ないか、障害物がないかを確認。サオを振りかぶったら、前に振り抜いてエギを飛ばします。ボールを遠投するイメージでラインをリリースすると上手く投げることができます。最初はエギの姿勢が安定して飛ぶキャストを心がけ、徐々に早くロッドを降り抜いて飛距離を伸ばしましょう」
着水~着底
着水後、糸フケを巻きとってラインを真っ直ぐにしてから沈める
「エギが着水したら、基本は底まで沈めます。着水後、キャスト中に出た糸フケを素早く巻き取り、ラインを真っ直ぐにします。ラインが風の影響を受けないようにサオ先をできるだけ水面に近づけ、ベールをオープンにして、手で軽くスプールに触れながらラインを出してエギを沈めます。コツはラインを張らず、緩めず、ラインを真っ直ぐにした状態を保つように送り出すラインの量を調整します。ラインの動きが止まり、ラインがフワッとたるんだら着底です」
シャクリ方
エギを跳ね上げるシャクリとワンピッチジャークを覚えよう
跳ね上げるシャクリ
「着底後のシャクリはじめは、糸フケを巻きとってラインを真っ直ぐにしますが、ラインをピンッと張りすぎないように注意。エギをズルッと引いて根がかりの原因になります。ラインを張りすぎない状態で軽くサオ先を上げるようにシャクり、エギを底から離してからパンパンッと強めにシャクってエギを跳ね上げます」
ワンピッチジャーク
「ワンピッチジャークは、切れの良いダートを連続させるときに使います。ひとシャクリでリールをひと巻きしますが、コツは巻きながらシャクるのではなく、シャクリ動作でリールを巻くイメージ。はじめはゆったりとしたピッチで動作を覚え、慣れた徐々に早くします。シャクる数が多いほど移動距離が長くなるので、連続してシャクる数は5回まで。サオを横方向にシャクれば、大きく泳層を変えずに連続ダートが可能です」
フォール
サオ先やラインの張り具合を一定に保ってエギのフォール姿勢を安定
「フォールはイカにエギを抱きつかせるための間で、重要なのはエギの姿勢を安定させること。フォール中にエギがピクッと動くとイカは警戒して喰いません。シャクリ後のフォールは糸フケを巻き取り、サオ先をブレさせないようにしてラインの張り具合を一定に保ちながらフォール。慣れてきたらラインを張らず緩めずでラインを送りながら落とし込み、よりナチュラルなフォールも試しましょう」
アタリの出方とアワセ方
アタリかな?と思ったらしっかりアワせる
「ラインを張りながらフォールしているときはラインがフッと緩んだり、トンッと手元に伝わるアタリが出ます。ラインを緩めているときはラインの動きが止まったり、逆にツンッと入ったり、ラインが横に走ったりします。また、アタリかな?という"違和感”はすべてアワせることも大事。実際にイカが掛かれば、こういうアタリもあるんだ、と覚えられます。アワセ方は糸フケを素早く巻き取り、サオをしっかり立てます。しっかりアワせることで、イカに抱きつかれたエギがズレてカンナをかけることができます」
やりとり~ランディング
慌てずに一定のテンションを保ってイカの引きを楽しもう
「アワせてイカがのれば、立てたサオ先がイカの引きでギューン、ギューンと曲がります。慌てずにテンションを一定に保つようにリールを巻いて寄せてきます。イカが走ったら巻かずに、止まったら巻く。テンションを抜くとカンナが外れます。イカが水面に浮いてきたらイカが疲れてきた証拠。一定のテンションを保ちながら寄せてきて、小型なら抜き上げ。大型はランディングネットやギャフを使います。ネットはイカの胴の先端から入れる。ギャフも胴の先端側に掛けます」
釣果を伸ばすコツ
足元まできっちり探ろう!
浅場で「居付き」と呼ばれる物陰に餌を待ち伏せしているイカを狙うときは、見切りは早く。テンポ良く探って活性の高いイカを拾っていくと釣果が伸びます。
堤防など水深のあるところは、足元まできっちり探ること。堤防際でこれ以上引けないところまできたら、エギが見えるところまでシャクり上げ、止めてイカが付いてくるかを確認。回収していたら獲りこぼしていたイカが追加できます。
キャスティングから
やりとりまでを実釣解説!