関東エリアのカワハギが冬を迎えてようやく安定。12月中旬に鈴木孝が乗り込んだ三浦半島剣崎松輪港・一義丸も、楽しさ&おいしさを待ちかねたファンで満船だ。
船は北風幸人船長が操る第二十二号。同船に積まれた古野電気のプロ用魚探はチャープ式と呼ばれる最新型で、探見丸システムにも対応するスペシャルな親機。識別能力が高いので海底の様子を精緻に表現し、ポイントまでの航行中も「おーっ、これはクリアな画像!」と鈴木も感心しきり。
スタートは、昨日よく釣れた剣崎沖の水深25~35メートル。探見丸には起伏の激しい海底が刻々と映り、ピンポイントを果敢に攻める船長の意気込みが伝わる。
その地形を確認した鈴木はタテの釣りから展開し、早々に20センチ級を確保。ロッドはスナイパー釣法にマッチする、感度ビンビンのステファーノ 攻 H177SPだ。
ところが当日は、すぐにキタマクラやシラコダイなどの小魚が大量に集まってしまい皆さん大苦戦。そこで鈴木は探見丸を真っ赤に染めるエサ取りの魚群を確認しながら、その群れの下側、あるいは上側、ときに反応が途切れた隙間を狙ってカワハギの居場所を探る戦術に出た。
Situation・状況
前日のベストポイントは一転してエサ取りだらけに!?
水温計で分かる暖水と冷水
うれしいことに同船の探見丸システムは、画面上部に「水温」を表示してくれる。例えば左画面は剣崎沖で水温は15.6度、一方の右画面は城ケ島沖で17.2度。その差は1.6度もあり、城ケ島沖は秋のような温かさであることが読み取れる。このように黒潮系の暖水と東京湾からの冷水が交錯するのも、この海域の特徴。ややマニアックだが「どの温度帯で対象魚の喰いがいいのか」を知る、興味深いデータになる。
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▲ スナイパー釣法でアタリに集中する鈴木。自ら監修した硬調&高感度のステファーノ 攻 H177SPが、一番の愛竿だ
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▲ ポイントに近づいたら探見丸で海底地形をチェック。岩礁、藻場、平場なども読み取ることができるので、作戦が立てやすい
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▲ 腹部に厚みのある25センチ級。1月は極上の肝あえが賞味できるだろう
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▲ 一義丸で販売しているアサリエサは粒ぞろい。鈴木も納得の高品質
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▲ ハリは吸わせ7号前後。エサ取りが多いほどハリ先は傷むので、枝バリも積極的に交換!
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▲ ビギナーからベテランまで安心して使用できるステファーノ幹糸仕掛けFB。高比重ビーズ搭載で、フォールで喰わせるテクニックも駆使できる
エサ取りを完全にかわすのは無理としても、これが奏功しポツポツながら堅実に数をのばしている。
船長はその後、キタマクラから逃げるように城ケ島沖の水深40~50メートルへ。厳寒期の主戦場となるポイントの一つだが、どうやらこちらは暖水に覆われているようでカワハギが固まっている気配はなく、すぐに見切りを付けて下浦沖へ大移動となる。
ラスト1時間、ここで当たった。
水深25~30メートルの比較的フラットなエリアで、ビギナー連れを含む全員が本命をゲット。鈴木も探見丸で地形や反応をチェックしながら仕掛けをキャストし、ヨコの釣りで次つぎにカワハギを掛けていく。
結果、鈴木は18枚まで数をのばして単独トップ。探見丸に映るとても精緻で興味深い画像と、その情報を活用した鈴木ならではの戦術は次でお楽しみいただきたい。
Strategy・戦略
地形、反応、エサ取りを確認しタナと釣り方を組み立てる
探見丸に映るカワハギらしき反応
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【画像A】カワハギが連発
剣崎沖で、7~8名が立て続けにカワハギを喰わせた直後の画面。底から2メートルの間を上下に動き回る反応がカワハギだろう。チャープ式の魚探は魚が海底に溶け込むことなく、単体反応や魚群を明瞭に分離して表現する。 -
【画像B】浮いた反応
下浦沖で反応を探している最中の画面。斜面を登っていくと、底から4メートルの間に浮いた反応が散在している。釣り始めるとほぼ全員にアタリが続いたから、カワハギの反応も交じっているのだろう。このとき鈴木はアシストを付けて「高足」スタイルにし、10枚近くを釣り上げた。
キタマクラの反応と回避のヒント
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【画像C】ほとんどキタマクラ
海底付近の真っ赤な反応は、ほとんどキタマクラ。エサをしつこく食べるフグ類は船下にホバリングし続け、延々と魚探の超音波を反射してしまう。そのため、このような横帯反応として表現されるわけだ。 -
【画像D】反応を避けて投入
仕掛けを真っ赤な反応の中に落とせばエサ取りの餌食。そこで探見丸を注視して、群れが途切れたタイミングを計って投入するのもキタマクラなどの回避策になる。さらに鈴木は群れの直上にタナ取りしてアタリを確認。時どき「エサ取りより高い位置にカワハギが浮くケースがある」という。
▲ 「ワッペンが遅れて出てきたから、1月も十分釣れそう」と予想する鈴木
「仕掛けを下ろせばトラギスだらけ、さらに探見丸に映る浮いた単体反応も気になる。そこで高足打法を試してみたら連発しました」
これは画像Bの状況で鈴木がとった戦術で、オモリの上に40センチのアシストを追加して底の小魚を回避しながら、宙のカワハギを攻略。実際、周りの人がトラギスを数尾釣る間に鈴木だけがカワハギを連釣する場面もあった。
一方、画像CとDは厄介なキタマクラの群れだが、
「キタマクラの群れの下、あるいは上にカワハギがいることがある。だから私は真っ赤な中心部を外して、その上下を必ずチェックします。今日は違いましたが、たまに上でガンガン喰ってくる状況があって、当たれば独走パターン。あれは快感ですよ」。地形や反応を確認しつつ独自の対策を講じる鈴木。これもまた、隣人には見えない情報が分かる探見丸の活用術なのだ。
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【撮影協力】三浦半島剣崎松輪港・一義丸 |