11月半ば、松本がキンメ&ムツを求めて乗船したのは仕立専門、三浦半島長井漆山港の昇丸。探見丸CV-FISHへの通信機能を持つプロ用魚群探知機(古野電気)を搭載し、船長が見ているプロ用魚探の画面がほぼそのまま映る特別なシステムだ。
「水深300メートルを超える深海の地形や反応も表示します。謎だらけの深海の様子が手元で見えるんですから、それだけでワクワクしますよ」と松本。
朝イチはまずキンメ狙いとなり、梶ヶ谷英樹船長が狙いを定めた釣り場は航程1時間の沖ノ瀬。ニコニコしながら画面を見つめる松本は、水深380メートルから一気にカケ上がるキンメポイントの地形に釘付けだ。
その斜面を登り切った水深320メートル付近で、仲間5名と第1投。ところが黒潮大蛇行の影響で凄まじい速潮、オモリ300号でも底が取りづらい。
「道糸が460メートル出たあたりでいったん着底したものの、さらにラインが持っていかれます。次は思い切ってオモリ500号で統一しましょう」
速潮は想定済みの松本が使っている愛機は、ニュービーストマスター 9000。PE8号を800メートル巻ける余裕のキャパシティ、そしてよりパワフルになったモーターのおかげでヘビー級のオモリもガンガン巻き上げ、今日のような状況でも不安はゼロだ。
▲ ヘビー級のオモリも余裕で背負える、ディープチェイサー 300-210とニュービーストマスター 9000の最強コンビ
Situation・状況
沖ノ瀬は予想どおりの速潮 オモリ500号でキンメと勝負!
実水深と底ダチの誤差をチェック
探見丸に表示された実水深は320メートル。対して、オモリ300号で底ダチを数回取り直した後のリールのカウンターパネルは461メートル。速潮に押され、141メートルもの糸フケが出っぱなし……。この時点で、次投から500号オモリへの交換を決断!
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▲ 重いオモリで潮悪をねじ伏せて、35センチ前後のキンメを一荷でキャッチ
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▲ キンメの喰いをうながすために、枝スは長めの120センチ、サバエサはスリムにカット
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▲ 仕掛けは胴つき8本バリ。船長の合図で砲丸投げのごとくオモリ500号を放る「気合い!」の松本
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▲ 群れに当たれば4点掛けも。年末年始、潮がおとなしくなれば数ものびるだろう
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▲ 城ケ島沖はムツの好漁場。朝から専門で狙えば釣果は確実!
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使用タックル製品情報
オモリ500号作戦は見事に当たり、朝イチのチャンスタイムを逸することなくほぼ全員がキンメを確保。松本も探見丸を確認しながら投入毎に1~2枚を掛け、6枚を釣り上げた。
後半はムツ場として知られる城ケ島沖へ移動。こちらは潮も緩く、オモリを300号に戻して水深250~350メートルの根周りを流す。探見丸には非常に起伏の激しい荒い岩礁帯が映り、
「根掛かり注意!」と底から少しオモリを切るよう仲間に伝える松本。しかし朝イチがチャンスタイムというのはムツも同じで、日が高くなった今はアタリが遠い。結果、ムツは船中1尾で昼過ぎに沖揚がりとなった。
探見丸に映し出された興味津々の深場画像、そして反応を見ながら松本が駆使していたテクニックを次で解説しよう。
Strategy・戦略
探見丸で地形と反応を確認しタナを読み取って誘う!
キンメ&ベイト反応と攻略術
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【画像A】キンメの反応
沖ノ瀬のキンメポイント。画面中央の宙層、水深310~320メートルに浮いている「黄色交じりの魚群」がキンメダイと思われる。このとき松本は1メートル刻みでギュッ、ギュッと電動でシャクり、底上20メートルまで誘い上げてキンメを喰わせた。 -
【画像B】ベイトの下も狙い目
こちらも沖ノ瀬で、水深256メートルのやや浅いキンメ場。水深230メートルラインの帯状の反応は深海性のイワシ類やカイアシ類などのベイトだろう。それを捕食するキンメがベイトの下まで浮くこともあるので、底から30メートルあたりまで誘い上げてみたい場面だ。
ムツ釣り場の海底地形と反応
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【画像C】起伏の激しい岩礁
城ケ島沖のムツ釣り場。水深1000メートルの深海へ突き出す城ケ島海脚の崖っぷち、水深250~350メートル付近を流した。探見丸で起伏の激しさを確認すれば、根掛かりを避けつつ、こまめにタナを取り直す必要があることが一目瞭然だ。 -
【画像D】斜面に浮いた反応
ムツが釣れた水深320~370メートルに落ち込む斜面。画面右の水深320~330メートルに浮いた魚群反応はムツかもしれない。急斜面ではこのような浮いた反応も多いので、探見丸をチェックしがらタナを調整しヒット率を高める。
▲ ビーストマスター 9000なら、オモリ500号でも電動でシャクリ上げることができる
沖ノ瀬のキンメポイントで、ほかの人が釣れない流しでも1~2枚を掛けていた松本。テクニックを聞くと、
「オモリ500号でもシャクって止めて誘い上げ、反転して段落としでもアピールする。それがキンメを喰わせるコツ。探見丸があれば”誘ってリサーチすべきレンジ„を読み取ることができるので、とても有効ですね」
上に並べた探見丸の画像が、そのレンジを教えてくれるシーン一例だ。
誘い上げは電動リールを活用。置き竿のまま、ギュッギュッと巻き上げレバーを押しては戻して、1メートル刻みでシャクる。
「ニュービーストマスター 9000のパワー&トルクは強力。重いオモリをぶら下げていても確実に仕掛けが動いてアピールします」
探見丸とビーストマスター 9000を駆使して、一歩先ゆく「攻めの深場釣り」を提唱する松本だった。
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【撮影協力】三浦半島長井漆山港・昇丸 |