寒極まるサクラマスジギングで、ずっと温めてきたセミロング EP2

エピソード2 かくして一行は、6面体セミロングに無限の思いを託す
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製品版と初期サンプル。初期も良い動きはしたが、製品版とは面幅や左右比など細かく違う。


・ちゃんとセミロング
・スライドは入った
・使い心地もいい
・デザインもシックスサイドを踏襲した6面体だ
じゃあ何が足りないのか、当時の私にはイマイチ分からなかった。
「まあ一回ゆっくり飯でも食べながら相談しましょう。」
こんな時は飯に限る。朝からあれこれ考え釣りをして、頭に足りなくなった栄養を補給するのだ。
函館はベイエリア、ここは見晴らしがよく、視野を広げるには最適な場所。
いつものハンバーガーを食べ、反省会。
「よく言えば素直、悪く言えばつまらない」
ふむふむ、
「6面体じゃなくても、今日のアクションなら出る」
え?
「シックスサイドのDNAを受け継ぐなら、もっとマニュアルカーみたいにしたい、使っていて、おもしろいジグにしよう」
山本さん、それは…
Fries cold, Thoughts active.


ポテトを食べる私の手はビタ止まっていた。
脳に十分に行き渡った栄養、開けた視野、分かってしまった。
6面体のエッジのR感、
各面の面積、
裏表の重量配分、
重心位置、
明らかに振るべきパラメータが多い、今日のポテトのチーズなんて遥かに凌駕する量だ。
山本さんそれは、ミリ単位の戦いになりますよ
あと数作ってナンボです。
「よし、徹底的にいってみよ」
やっぱり、行くんだなぁ
だからそっちも音をあげるなよ!
函館恵山はサクラマスジギングにおいてはわりと序盤の釣り場。
ここから5月くらいまでは走り続けることがなんとなく分かっていたから、細かい小休止の間にどれだけプロトサンプルを積み上げ、要所要所でテストするかが、製品ゴールにおいては重要だ。
ものづくりにおいては、まずは発散させること。
今回のサンプルを足掛かりにして、一旦数を作る。
その中に「良い」もののパターンを見つける。
そこから一気に収束させる。
可能性だけでいうと無限に発散するのは当然だから、敢えて少し寄り道をして、「この世界線には答えはなかった」、といえるように、簡単にいえば後悔の無いようにする。
何せ相手は6面体、ひとつのバランスが命取りだ。
それでも逆に、全てがうまくいくと、きっと今までにないジグになり得るとも思った。
水を掴むところ、受け流すところ、スライドのきっかけになるところ、無数っちゃ無数だ。
海岸通りを行き交う人々、全てがシックスライドに見えてきた。
浮かんだアイデアを忘れないうちに、家路を急ごう。
山本啓人が音を上げるサンプルを作る、そんなことを思った。