軽さ、感度、ジグの操作性、この3つの要素を高次元で追い求め、素材セレクトからテーパーデザインまですべてにこだわり抜いて創り上げたロッド、それが新しいオシアジガーリミテッドSLJです。見た目で驚くのがその細さ、持って驚くのがその軽さだと思います。自重が軽いというだけでなく、実釣時のあらゆる場面で軽さを感じることができます。すべての動作が軽快でジグを意のままに操ることができます。持った瞬間、振った瞬間に軽さを感じてもらえると思います。感動する軽さ、まさに真の軽さだと思いますよ。本当にジギングロッドか?と思うくらいの細さ、軽さなのに反発力があるし、粘り強いパワーも兼ね備えています。不意の大物がヒットしてもロッド全身で受け止めて、ジワジワと浮かせる底力があります。
反発力の凄さの源は高強度・高弾性を特性とするM40Xという素材によるものが大きいですね。ハリの強さが出すぎているのでは?と思う人がいるかも知れませんが、その点はテーパーデザインでカバーしています。ソフトティップのおかげでしっかりジグを掴んで飛ばす、跳ねさせるといった演出もやりやすい、操作性がかなり上がっているし、乗せやすさも実現しています。感度もとても高いので、海の中の変化も捉えやすいですね。
高強度・高弾性で、細く軽いブランクスを実現できているのはスパイラルXコアのおかげです。浅い水深で軽いジグを使った釣りが前提となるSLJシリーズ。太くて硬い、ゴツいロッドでは、どうしても無機質な金属であるジグに生き物のような動きを与えることは難しくなります。必然的に細さ、軽さといった要素が求められます。でも、細く、軽いロッドはブレたり、ネジレたり、レスポンスが鈍るといった弱点があります。どうしても華奢なロッドになってしまいがちです。でも、リミテッドSLJではシマノ独自の基本構造、スパイラルXコアを採用することで、高いレスポンスと同時に粘り強いパワーを生み出すことに成功。細く、軽いロッドでありながらとてもトルクフルなロッドに仕上がっています。
ジギングロッドには初搭載となるカーボンモノコックグリップにも注目してほしいですね。カーボンで一体成型したリアグリップで無駄なパーツがありません。ロッドの自重を軽く仕上げることはもちろん、何よりも感度の向上に貢献しています。振動伝達能力がとても高いので、海からのさまざまな情報、たとえば潮の抵抗の変化、魚の追尾、バイトといったものをしっかりアングラーの手に伝えてくれます。ジギングは情報戦です。海からのシグナル、魚からのシグナルはとても重要。自分の釣りの次元が一段上がる、そんな思いを抱かせてくれるグリップだと思いますよ。しかもこのグリップは硬質でありながらしっかり曲がってくれます。あたかもワンピースロッドのような、ティップからグリップエンドに至るまで美しい曲がりを実現しています。硬いカーボン素材をしっかり曲がるように作り上げるには、高い成形技術がなければ実現できないそうです。凄いですよね。
ガイドにはXガイド3Dチタントップ(ゴールドI.P.)と3Dチタンを採用しています。第一にとても丈夫なことが嬉しいですね。持ち運ぶときのトラブルが軽減されますからね。ガイドはロッドに取り付けている角度がとても重要な要素。ブランクスに沿って寝ていればガイド絡みなどのトラブルは軽減されますが、フォール中にラインテンションが掛かりやすく、フリーに落としたくてもどうしても不自然になりがちです。立っているとラインとの摩擦は減って自然なフォールアクションを生み出せますが、強風時やジャーク時に糸フケを拾いやすく、トラブルを招きやすいのが短所。Xガイドはまさにいいとこ取り。どちらの長所も活かすような絶妙な角度でセットしてあります。
ラインナップは全部で4アイテム。今回は操作性の高さを重視した結果、すべてがチューブラータイプです。僕流の使い分けをアイテムごとに紹介しましょう。S64-00はシャローエリアで40g程度の軽量ジグを使う釣りに適していると思います。軽快にジグを操作できるロッドなので、イサキ狙いにはとてもおすすめです。80gのジグの使用まで十分に対応します。S62-0はとても感度も高く、さまざまなスタイルでのSLJゲームに幅広く対応してくれる1本です。とりわけバーチカルな釣りにおける操作性に秀でているロッドなので、船を風に立てて流す釣りではとてもおすすめです。ワンピッチの釣りのなかで少しフォールを入れる、といったテクニカルな釣りもストレスなく楽しめます。S610-0はキャスト性能やドテラ流しに優れている一本です。風がない、波がない、潮がないといったタフなコンディション下においてキャストして幅広く探ったり、ナブラに向かってロングキャストしてフィッシュイーターにアプローチ、という状況で使いやすいロッドです。船をドテラで流して釣る場合など、ジグが自分から遠く離れている状況でも、ロッドレングスを活かした操作性の高さを発揮します。フォールも入れやすくなりますよ。
B63-0はシリーズ唯一のベイトモデル。ワンピッチからフォールアクションを多用した釣り方まで、とてもオールマイティに活躍してくれるロッドだと思います。喰い渋った状況などで、底にへばりついていたり、中層に浮いているけれどあまりジグを追いかけてくれない魚を誘うため、フォールアクションを織り交ぜた演出を繰り出すにも、とても使いやすいロッドだと思います。