鱗海(りんかい)

鱗海 in 広島湾【曲げて獲るチヌフカセロッドのスタンダード】

鱗海調子とは、シマノのチヌフカセ竿に共通する、美しい曲線を描く胴調子のこと。チヌをフカセ釣りで仕留めるために導き出した伝統の専用調子であり、頭を左右に振ってハリを外そうとする動きに対して、しなやかに曲がり込んでじわりと間合いを詰めることができる。鱗海シリーズはいずれも美しい曲線美を目指しており、シリーズのスタンダードクラスであるこの鱗海も妥協はない。スパイラルX採用で、たとえネジレが加わるようなファイトで竿が曲がり込んでも、じわじわと復元しチヌを浮かせることができる。

握りやすく、操作しやすいリールシート、パームフィットシートCI4＋を採用。プレートタイプのシートとは異なり精度の高いスクリューロックタイプであるため、セットしたリールのガタつきがなく、動作の起点となる手に合わせた形状でフィット感はすこぶる高い。フカセ釣りの要であるラインコントロール、そして大きくロッドを曲げるやり取りで大きな役割を果たす。

軽量で糸ガラミを軽減するシマノオリジナルXガイドを採用、穂先周りにはXガイド3D-CI4+（遊動）を配置した。ラインメンディングなどの操作性や小さなアタリに対してのレスポンスも良い。

穂先はしなやかで高強度のタフテックαを採用。特に穂先でアタリを取る場合の繊細な喰わせ性能と、高い強度で破損防止を両立させている。

曲がるブランクスに数多くの小さなガイドが設けられたフカセ竿は、ラインのさばきやすさが釣りの快適さと精度に大きく関わってくる。この鱗海にも、もちろんガイド合わせラインとハイパーノンコンタクトIIを採用。ガイド合わせラインはガイド合わせを簡単にし、#4に施されたハイパーノンコンタクトⅡは糸のベタつきを防ぎ、雨天時などの悪条件下でも快適なメンディングを可能にする。

同じフカセ釣りを想定した竿であっても、一般的に磯竿と呼ばれるものとチヌ竿には調子に大きな違いがある。磯竿はおもにグレをターゲットに想定したものであり、根に突っ込まれないようロッドパワーで素早く魚を浮かせることに大きな役割がある。目的に応じて先調子から胴調子まで存在するが、クイックな操作性が求められるのが共通点だ。一方のチヌ竿（鱗海シリーズ）はほぼチヌだけを想定した調子であり、根に突っ込むというより頭を振ってハリを外そうとするチヌのファイトスタイルに対応している。クイックな操作性よりもバレを防ぐ追従性に重きが置かれ、じわりじわりと大型を寄せる能力が高い。チヌのフカセ釣りにはさまざまなスタイルがあるが、ネリエを多用し、遠投するスタイルの釣りによりマッチする。

何度も実釣で使ってロッドを曲げているんですけど、やっぱり曲がりが美しいですよね。やり取りでロッドの曲がりが楽しめるのはチヌ釣りならではですが、曲がることでチヌを怒らせないから、引きをしっかり感じながら大物が獲れる。怒らせてしまうとチヌは障害物の間を縫って泳ぐし、魚が大きいと重量もあるので、走らせてしまうと獲れる確率が下がってしまうんですよ。しっかりロッドを曲げてゆっくり時間をかければ0号で不意の大物でも余裕を持って獲れます。あと穂先にタフテックαを使用しているので非常にしなやかなんです。仕掛け絡みのトラブルも軽減しますし、小さなアタリに追従してくれるので喰い込みも良いですね。

鱗海の曲がりを横から見ると、綺麗に弧を描いてどこにも負担が掛かっていない。だからショックが吸収されて細いハリスも使えますし、障害物にラインが当たったときも切れにくい。そんなメリットがあるので、スタンダードモデルですけど高級機種に引けをとらない非常にいいロッドに仕上がっています。大きく曲がることによってチヌ独特のゴンゴンと頭を振る引きを吸収してくれますし、ゆっくりやり取りすれば魚もゆっくり上がってくる。硬いロッドだと反発で魚は逃げようとするのですが、この鱗海はスーッと上がってくる。トーナメントでも間違いなく使えるほどの仕上がりになっていますね。

今回の鱗海にはパームフィットシートCI4+が搭載されているんですけど、本当にその形状が手になじむんですよね。私は結構手が小さいんですけど、ロッドを握り込んでもすごくフィットするので、キャストしたりチヌとやり取りしたりするときにロッドがほぼブレないですね。すごく安定してロッドを操作することができるようになっています。あと「500」（5m）もラインナップにあるのですが、その長さもいいですよね。短い分軽いですし操作性も良くて、かなり使いやすかったです。あと、やっぱりロッドを曲げて獲るっていうのはとても楽しいですよね、それがチヌ釣りの魅力でもありますし、鱗海の魅力でもあると思います。