鱗海リミテッドは鱗海スペシャルの黒鯛本調子を継承して、さらに磨きをかけた竿です。私が実釣で感じた大きな進化は掛けた魚をコントロールする性能です。例えば鱗海スペシャルは#3までしっかりと魚を乗せてからコントロールする竿です。しかし鱗海リミテッドは#2の真ん中あたりに負荷が来た時点で魚をいなすことが可能です。体勢が悪い。足場が悪い。仕掛けの角度が悪い。このような悪条件化でも魚に先手を取られることなく、素早く、そして上手くあしらうことができるのは鱗海リミテッドならではの性能です。高性能カーボンにスパイラルXコア、Xガイド、パラボラチューンR+を融合させたコアブランクス設計にすることで全体の強度が向上し、体幹の強さを感じさせてくれる竿に仕上がっています。だから現在の鱗海シリーズから買い替えられる場合、ワンランク下の号数をお選びいただく方がしっくりくるかもしれませんね。従来の鱗海シリーズに比べ、ブランクスが凄く細くなりました。車で言うところの前面投影面積が少なくなるので、あらゆる動作においてモーメントが抑えられ、腕への負担が軽減されます。風切りや波切りの抵抗も少なく、遠投時も思ったポイントへの投入がやりやすくなりました。鱗海リミテッドはガイドの数が14個と多点ガイド仕様=トータルガイドシステムです。ガイドが増えると当然ライン抵抗が増し、キャストの飛距離は落ちるはずです。しかしブランクス性能がより引き出されることによってこのデメリットは解消されています。
さらに糸絡みのトラブルも軽減されました。糸絡みは撒き餌を打つ時など穂先からの集中が途切れたときに起こりがち。ガイド間隔が詰まったことで、穂先のたわみが少なくなりほぼトラブルレスです。トータルガイドシステムと緻密なバランスを追求したパラボラチューンR+、そして最新技術を融合させたコアブランクスによって本当にワンピースロッドのように、節を感じさせない綺麗な曲がりを楽しませてくれます。ファイティングサポートグリップは片手でやり取りをする際、黒鯛の引きをバットで受け止めている時とても安定感がありますね。きっちり腕を固定できるので魚の動きも把握しやすい。細くて、軽くて、強い。そしてピカイチの美しい曲がり。黒鯛をたくさん掛けて、どんどん釣り上げてほしいですね。鱗海リミテッドはきっと期待に応えてくれると思います。