鱗海(りんかい) マスターチューン

磯、河口、テトラ帯、防波堤、渚等、黒鯛フカセにおける様々なシチュエーションに適切なタックルバランスを提案できる細かな号数設計。00-530から12-530まで8つのアイテムで多様な状況下を適切にカバー。ご自身のフィールドや釣法に適した理想の1本をお選びいただけます。

マスターチューンシリーズの特徴である号数ごとの個性は、大きく分けると3つに分類されます。低号数(00〜0)はネリエなど軟らかく、投げにくい餌を投げられるように、また、徹底的なしなやかさ・喰わせ性能を追求し、柔軟セッティングに上げました。基本となる硬さである04～06号はラインメンディング時の操作性と喰わせ性能の両立を目指したバーサタイルセッティング。高号数(08〜12)は正確な操作と速さを求められるトーナメントや藻場、深場、急流等でも黒鯛を寄せる・浮かせるパワーを重視した設計。障害物とのハリスの接触を防ぐための硬調セッティングを施しています。

現代の黒鯛フカセはウキを沈めて、穂先でアタリを捕らえる沈めサグリ釣りを行うことが多いため、＃1穂先部は白塗り仕様穂先で、目感度を向上させました。Xシート：パームフィットシートCI４＋Ⅱのリールシートは段差レスリールシートによって長時間握っていても疲れにくい仕様に。バットエンド部にはエラストマーグリップを採用。黒鯛フカセの一般的なファイトスタイルである片腕ファイトの際に腕に密着するため、ロッドのブレ抑制やグリップエンドがスリップすることを防止することが可能です。

2018年に登場し、多くのチヌフカセファンの支持を得た、『鱗海マスターチューン』がフルモデルチェンジ！　「まさにシマノスタンダードのチヌフカセロッドだね！」とシマノ磯アドバイザーの大知昭さん。ここでは徹底解説＆実釣インプレッションをお届けします。

号数ごとに個性を持たせた鱗海マスターチューン。わかりやすく言うと0、00号は黒鯛本調子の鱗海スペシャル。04、06、08号は競技志向の鱗海アートレーター。1、1.2号は大物や深場対応の極翔硬調黒鯛。ざっくりそんなイメージを持ちました。とは言っても例えば1、1.2号は極翔硬調黒鯛よりも粘りを持たせて、小さなアタリも弾きにくくするなど、それぞれ新しいチューニングがなされています。

私の好きなのはやっぱり00、0号なので、この号数中心に語ってみたいと思います。まずリールをセットしたときのバランスがとてもいいですね。そしてブランクスがスパイラルXコアになったことでブレに強くて、風があっても安心感がある。操作性の良い仕上げになっています。また穂先はタフテック∞でXガイドですから、軽くてしなやかなので喰い込みがいい。キャスト時は胴に乗るから柔らかいネリエサも取れにくく、遠投がしやすくなっています。今後、ネリエサの重要度がさらに増していくと予想されるので、ネリエサでの遠投性はとても大切な要素です。また大物が来てもノされにくい。胴に粘りがあるから魚の大きさや引きの強さに応じて曲がってくれる。竿の角度だけ保持していれば糸を出すことなく安心して取り込めますね。

鱗海マスターチューンは全体を通して仕上がりが良く、何本か揃えたくなります。実際何本かあれば国内の黒鯛フィールドのほとんどをカバーできます。ベテランも納得いただける性能ですが、特にビギナーから中級へステップアップされる方がこの竿を手にすれば、釣りが変わりますよ。ぜひ手にとって、お確かめください。

鱗海マスターチューンは号数ごとに調子や味付けが異なる設定ですが、全てのモデルで鱗海らしさがしっかり表現されています。0などの低号数では曲げることの楽しさ。中号数だと操作性や取り込みの速さ。1号以上だと大物への対応力と、号数にとって一番良い部分が表に出ているなと感じました。

最終テストで使ったのはオールマイティな0.4〜0.8号。その時に感じたのは例えば0.4号と0.6号では従来の号数なりの変化以上にバットパワーに差を持たせてあるなど、細かく刻んだ号数設定でありながら2つの号数間には個性の違いが盛り込まれている。このような特性が鱗海マスターチューンならではの魅力だと思います。この辺りの号数は総じて鱗海スペシャルよりも#2、#3が柔らかくてバットが硬くて張りがある印象です。喰い込みも良く、操作性も高いので、普段の釣りから競技会まで1本で賄えるような性能があります。どなたにでもお勧めできる黒鯛竿に仕上がっていますね。

黒鯛フカセらしく思いっきり曲げて楽しむなら00号〜0号、操作性に優れ汎用性があり、競技会への適正も高い0.4号〜0.8号、根の荒いフィールドで使うなら1号。大型に絞るなら1.2号と言ったところが各モデルの使い分けの基準になるでしょうか。いずれもハイエンドモデルに迫るようなスペックを備えています。それでいてお求めやすいのも魅力です。きっと長く使っていただけると思います。