アルシエラ落し込みには4つのアイテムがあるんだけど、自分の中では、良く曲がる64M230が特に好きなんですよ。なぜかというと、ドラグを締めたいし、糸を出したくないから。落し込みはサビキ仕掛けを使うので大型魚を狙うにしてはハリが小さく仕掛けも華奢だし、魚礁や沈船、岩礁地帯なんかに突っ走られて根ズレしやすい。軟らかい竿にドラグを締めると、糸が出ないので魚の位置が変わらず根ズレしづらいし、竿が曲がってくれるから仕掛けが切れたり、口切れなんかもしにくいので結果として大物が獲りやすいんですよ。ドラグ設定は自分の手でラインを強く引っ張れば出るけど、魚が引いても出ないくらいには締めてますね。(※高橋さんの参考値:ドラグ力設定9.5kg)
穂先はチェルマーレ落し込みから受け継いだ高感度タイプです。この穂先の性能を活かすためには仕掛けのフォールが大事ですね。仕掛けの降下スピードとスプールの回転が合っていないと穂先がバタバタするじゃないですか。そうなるとベイトが掛かったのも分かりにくいし、せっかく掛けたベイトが外れやすい。だから穂先を少し下げて、サミングで降下スピードにスプールの回転を合わせてバタバタしないようにする。穂先を暴れさせることなくフォールさせればベイトが付いたのもよく分かるし、速やかに海底まで送り届けてデカい魚が喰うのを待てますからね。高感度穂先のメリットがより活きてくると思います。
竿の特徴でいえば、今回はギンバルを使わずにリアグリップをEVAにして、かなり軽くなった。1日竿を持って釣るから軽いに越したことはないし、EVAグリップを脇に挟んで両手で竿を構えることで操作性が良く、フォール中の仕掛けも安定するし、ベイトの付きも分かりやすい。ベイトが付いたのが分かればそのまま落としていってデカい魚が喰いつくのを待って、喰ったらアワセを入れて巻きに入るといった一連の動作が手持ちだと特にやりやすいよね。デカい魚が喰ってきた場合、一気に竿先が下がっちゃってしばらくその体勢を維持しなきゃならないけど、ちょっと引きが緩んだ瞬間に竿尻をお腹に持っていく。これもね、軟らかくて曲がる竿だと体勢を立て直しやすいんですよ。
獲物がデカくなると竿の曲がりの頂点がどんどん手前に寄ってきて、グリップのチョイ上にくるんだけど、タフバットフェルールが入っていると強度が上がっているから安心感が違う。置き竿でも、魚が掛かるとグリップの方へ曲がって追従してくれるので、ハリのスッポ抜けとかハリス切れなんかもしにくいよね。
竿っていうのは人それぞれの体格や体力、使う仕掛けや釣り方、好みに合わせて選んでもらえればいいんだけど、今まで使ったことのない調子を試してみるのもおすすめです。バラしが減ったり、これまで獲れなかった大きな魚が獲れたりすることがありますからね。