柔らかめの竿に強いリールを合わせる。これが私の落し込み釣りにおける基本的なスタイルです。対してビーストマスター落し込みはハイパワーXフルソリッドによる、とても強靭な竿に仕上がっています。では私の釣りと合わないのかと言うとそうではありません。この竿ならではの使いどころがあります。それはモンスターサイズがバンバン掛かってきて、多くの釣り人が仕掛けをぶった切られている。そんな情報が入ってくるような状況こそがビーストマスター落し込みの得意とするところ。落し込みサビキは22号以上ハリスの太仕掛け。イワシの掛かり方に少々目を瞑っても、みすみす切られるのはもう沢山!そんな強い思いで挑みます。
大物対応には御法度気味ではあるけれど、強いビーストマスター落し込みに加え、さらにリールのドラグも締める。22号以上の仕掛けとは言え小鉤に短ハリスという現実は変えようがありません。根に突進するデカいヒラマサを止めるパワーとバラシを防ぐ粘りも備えてはいますが、不用意に竿を煽れば口が切れたりしてバラシにつながります。本命が掛かれば、竿の角度を変えることなくきっちり堪え抜く。このようなスタイルで大物とガチンコの勝負をするのにはもってこいの竿なのです。
落し込み釣りは上で掛けたイワシをそのまま底まで落として大きな魚を喰いつかせるという、とても理にかなった面と、イワシを釣る小さな鉤で大型魚も相手にするという不合理な面が表裏一体を成す矛盾の釣りです。ここに落し込み釣り独特のゲーム性や、奥の深さがありますが、百戦錬磨の域に到達することは並大抵ではありません。大物キャッチの確率を上げるためには釣り人それぞれ工夫の積み重ねが必要となります。道具選びもその一つであり、いつ訪れるかわからない絶好の潮に備えて、ハイパワーXフルソリッドの強靭なビーストマスター落し込みを携えておくのも大物への一手だと思います。