魚が軽く感じられる新感覚 楽々とあしらい入れ掛かる
「操作性=掛けやすさ」と「タメ性能(取り込みやすさ)」この相反する要素が絶妙なバランスで同居するリミテッドプロトラスティー。緻密なオトリ管理を実現する超先調子ながら、野鮎が掛かれば独特のタメ性能を発揮し、セーフティに入れ掛かりの好循環をロングキープする唯一無二のアクションが2022年さらなる進化をとげた。
モデル誕生からチューニングを手掛ける小沢聡が、その新たな使用感を語る。「今作をまず手にした際に感じるのは歴代モデルに比べると胴が強いことでしょう。全体的に剛性がアップしたというか、野鮎を掛けたあとの魚を持ち上げるパワーが向上しています。
シマノ鮎ロッドの基準となるバーサトルなどと比較すれば前回のモデルまでは掛かった時に竿を起こしにくかったり、やや抜きにくい角度があるケースもありましたが今作はスムースに竿が立つ。魚に引っ張られても持っていかれるような不安感がありません。で、何と言うか...魚が軽く感じられる......昔、剛が四冠獲得した時に使っていたグリップが黄色い時代のスペシャル競FWもそんな感じの竿でしたが、なぜか魚が軽くなる感覚がある不思議な竿。釣り頃サイズの20㎝級を楽々と引き抜き、誰もが余裕ある釣りを楽しめます」
十数年間ここ一番の勝負ロッドとしてトラスティーを愛用する小沢にとって、実のところ今回のモデルチェンジに際し、大きく変更する点が見当たらないほど前作は高い完成度を誇っていたという。ところが、実際にテストを重ねるにつれ、さらに先調子化された新設計により操作性が高まり、タメやすく引き抜き性能もアップしたことを実感。
そして「穂先をエキサイトトップIIで感度アップしたことも見逃せない部分」と語る。現代の鮎ロッドにおいて高感度は必須要素。シマノオリジナル・超高弾性ソリッドをチューブラートップ先端に封入することで生み出されるハイレベルな感度は、超先調子で繊細オトリ管理を追求するトラスティーと好相性。より鮮明な水中察知能力を引き出している。
小沢聡における究極の数釣り竿スレ鮎に効く新トラスティーの威力
90は万能的に扱えるスタンダードモデル。歴代トラスティーが磨き上げた長所、そして今回新たに身にまとった威力を随所で発揮する。そして85はトラスティーファンならずとも注目すべき新世代のニューカマー。
「最初にも言いましたが今回の90は胴のタメ性能が上がり、ブレずに魚を軽くあしらえ、操作性も感度もアップしています。で、今回お待たせいたしました!というのが85です(笑)。釣り場で出会うトラスティーファンから『ぜひ85をラインナップに!』と声をかけていただくことが多く、今回待望の新登場です。90でもブレのないシャープな胴と繊細な穂先の組み合わせが85になったことで、その威力がさらに倍増した感覚。個人的には天井糸の先が指先になってオトリをつまんで操作するような感じを覚えることも。90にはない新たな使用感です」
――このロッドが最もマッチする場所、そして使い方とは?
「自分にとって鮎を掛けるために何が必要か......という課題にとことん向き合い、その理想を形にした竿がトラスティー。個人的には究極の数釣りロッドといえます。しなやかな穂先が生み出すオトリの動きがスレ鮎に効く。常時人の多い長良川や関東の人気河川、昨今では釣れるとなればSNSの影響であっという間にスレてしまう地方の川などでも能力を発揮。とにかく魚さえいれば繊細な穂先が生み出すナチュラルなオトリの動きで掛けにいける。ブレない胴とこの竿だけに備わる穂先の威力で、さらなる入れ掛かりを楽しんでいただきたいです」