軽量パワーロッドという、独自の世界を切り開くリミテッドプロFWジェントルパワー。
「急瀬クラスを誰にでも扱いやすく」をコンセプトに、軽さと操作性を極めた21年モデルは、鮎竿におけるファーストクラス。
その快適さを一度味わったら、もう元には戻れない。
急瀬クラスを感じさせない軽さ・感度・操作性
リミテッドプロFWジェントルパワーは、ライトスペシャルの対極を行く竿である。ライトスペシャルはシリーズ中、最も柔らかいH2.0。対するジェントルパワーは、最も硬いH2.9である。しかし、目指す先はいずれも同じ。同クラスで最も軽くて疲れない、扱いやすい竿である。その意味でジェントルパワーは、まさに急瀬クラスとは思えない「快適性」を実現した一本になっている。
「竿を寝かせても持ち重りを感じない。H2.9のパワーをH2.75の感覚で使えるのは素晴らしい」
さまざまな河川で開発テストを繰り返してきた小倉吉弘は、新しいジェントルパワーの素性の良さをこのように評する。
「前作と比べて感度がさらに上がっとる。そして、大物を相手にしたときのブレも少ない」
これは新採用のエキサイトトップⅡと、スパイラルXコアの効果が大きいだろう。ジェントルパワーは瀬でも力を発揮するが、立て竿の釣りにも非常に適しており、その軽さと硬さ、そして感度の良さを利用して、パワーロッドとは思えない繊細なオトリコントロールを可能にしている。
「サイズ的には22㎝以上がターゲットやけど、16〜17㎝の鮎を釣りづらいわけでもない。逆にそのクラス相手なら最速で抜ける。自分としては小さいのがメインならライトスペシャル、22㎝から上が相手ならジェントルパワーで、真ん中はいらんという感じ(笑)。それくらい汎用性の高い、オールラウンドに使える竿やね。大鮎に特化した竿やないけど、揖保川では尺を抜いとるし、28〜29㎝はかなり釣ってきとるから、パワーに関しては間違いない」
球磨川や九頭竜川などの激流の大鮎狙いはトリプルフォースの出番だが、そういった例外的な釣りを除けば、シーズン後半のほとんどのシチュエーションはジェントルパワーでカバーできるだろう。
余裕の力が安心感をもたらす大人のためのパワーロッド
「上品に大鮎を攻める、大人の釣りができるのが、ジェントルパワーのいいところやな。パワーはあるから荒瀬でも使えないことはないけど、そういう川でデカい鮎をバンバン引き抜くような竿ではないな。瀬の中でも楽しみながら、きつい瀬でも一歩下がって取り込めるような、余裕を持った釣りができる竿に仕上っとる」
小倉がこう語るように、ジェントルパワーは余裕の力が安心感をもたらしてくれる、大人のためのパワーロッドだ。流れの芯へと突っ込んでいくための竿ではないが、力に余裕があるから、不意に尺クラスが掛かっても、瀬落ちでガツンと良型がきても、慌てることなく対応できる。軽さとパワーが体力をカバーし、良型、そして大鮎釣りの醍醐味を、誰にでも味わわせてくれる竿なのである。
「基本的にはノーマル仕掛けが向いとるけど、オモリも背バリもこなせる。水量の多いところ、押しの強いところは難しいけど、とにかく軽いから疲れにくくて、集中力を一日保つことができる」
スパイラルXコア、エキサイトトップⅡを搭載し、基本構造をさらに鍛えた新しいジェントルパワー。この竿には、ほかの竿では体験できない、独自の魅力が詰まっている。