ビーストマスター2000EJがモデルチェンジ、ビーストマスター2000として生まれ変わりました。これまでは3つのスタイルを選ぶことができましたが、さらに新しいモードがひとつ追加され、4つのスタイルを選択できるようになりました。電動リーリングジャーク、マニュアルジャークモード、オートジャークモードといったこれまでの3つに新たに追加されたのはアドバンスモード。このモードを選択することで、これまでできなかったジャークの強さを、L、M、Hの3段階で選択できるようになり、これまで以上に多彩なジギングを楽しめるようになりましたね。
ジャークの強さを選択する目安としては、潮の流れが速いときにはLを選択、逆に潮の流れが遅く、ジグの波動を出しにくいときはHを選択し、強めの動きが出るように意識しています。ジグの形状によってジャークの強さを選択することも大切です。基本的には細長くスリムな形状のジグにはH、扁平なジグにはLが使いやすいと思います。ジグの形状に関わらず、Hを選ぶことで強い波動を生み、激しい動きをジグに与えることもできます。Lを選べば弱い波動、優しい動きを与えることができます。もちろん以上のすべてに関して、Mを選択することでLとHの中間の効果が期待できます。手元に伝わる感覚を大事にして、状況に応じたモードを選択することで、手巻きジギングでやっていたテクニカルな部分の演出が可能になったのがアドバンスモードと言えるでしょう。
各モードの使い分けの例として、たとえば電動リーリングジャークは広範囲をスピーディに探っていきたい、というときに有効だと思います。僕の場合はポイントについて最初にこのモードを選択し、だいたいどのレンジでアタってくるかを見つけていくことが多いですね。すべてのモードで基準となるヒットスピードを把握するのに一番適していると思います。スピードが23なのか、25なのか、それとも20なのかといったことですね。広い範囲を探るのに一番分かりやすいし、疲れにくいですからね。ドテラ流しのブリジギングやパヤオ周りのキハダ、トンジギなどで、まず状況を探るためにはとても適していると思います。これでヒットすればこのまま続けてもいいのですが、アタるけれど掛からない、掛かり切らなかったな、ということが多いときはマニュアルモードを選択します。こちらから喰わせの間を作ってあげるという感じです。ヒラマサやカンパチ狙いなど、ジグをキビキビ動かして一瞬の喰わせの間を作ってあげると効果的なターゲットにはとくに効きます。だいたいヒットパターンが分かってきたというときにオートジャークモードを選択、再現性の高い釣りを展開するのもおすすめです。ポイントやターゲット、船の流し方などによっても変わってきますが、自分のなかで基準を作り、釣りのパターンを組み立てていく意識でモードを使い分けていくといいと思います。モードを選択することでヒットパターンを絞り込んでいくイメージです。海の中にちょっとした変化があって、あれ、アタらなくなったな、と思ったちょっとスピードを上げたり、下げてあげたりするだけで、またアタったりする。自分の中のアクションパターンの引き出しが増えていく感じです。
アドバンスモードは最後の最後で、ジグのワンアクションに対して意図的な変化を与えるために使うことが多いですね。ハンドルを優しく巻くのか、鋭く、強く巻くのかの感覚に近く、アドバンスモードはこの違いを演出できるのです。ジグの波動の変化や横へ飛ばす動きをコントロールできるから凄いですよね。優しく巻くことでヌルっと、柔らかく動かすことも可能です。この動きが効くってときも実際にありますからね。ジグを跳ねさせたり、跳ねさせなかったりというコントロールも可能です。どんな釣りでもこの強弱の使い分けは効果的ですが、とくにヒラマサ狙いのジギングのようにジグをスライドさせる幅を調節することが重要な釣りに役立ちますし、細かいレンジを攻め分ける根魚狙いにも威力を発揮すると思います。
各EJモードにもう一つ新機能があります。それはワンピッチ距離表示です。この機能はワンジャークで巻き上げた距離を表示します。1回のジャークでどれだけジグが動いたかを把握できます。目安として、この情報が得られることは便利だと思いますよ。
ビーストマスター2000には探見丸スクリーンも搭載されました。リールの液晶画面で探見丸の画面を見ることができるのです。液晶もカラーになったので非常に見やすい。いつでも手元で探見丸の画像を見ることができ、水深、海底の形状、魚群や魚の大きさといったことが確認、把握できます。液晶画面には瞬時に映像が表示されます。探見丸の画面を見ながら釣りをすることで直感的に攻めることができると思います。探るのが難しい中層の攻略もレンジを絞って効率的に攻めることができます。非常に大きな武器になると思いますよ。
レベルワインドガイド径のサイズも大きくなりました。これによりリーダーとメインラインの結節部分がスムーズに通るようになりました。リーダーは130lb(目安)まで対応しています。これまで以上にノット部分がスムーズに出て引っかからないので、かなりストレスがなくなりますよ。エサ釣りではジギング以上にいろいろな仕掛けの形状があると思うので、さまざまなシーンでプラスになると思いますね。
電動ジギングに対応するための必須条件、パワーと耐久性は前モデル譲り。ギガマックスモーターと強化ギアシステムが搭載されています。ギガマックスモーターはパワーだけでなく、半永久的に回転するというブラシレスモーターを採用しているので耐久性の向上にも大きく貢献しています。電動ジギングではときに400、500gといったヘビージグを一日中、100m、200mといった距離を上げ下ろしをしなければいけません。それだけモーターとギアに負担が掛かるのですが、この作業を可能にしているのがギガマックスモーターと強化ギアシステムです。この2つが揃っているおかげで、ビーストマスター2000で快適な電動ジギングを楽しむことができるのです。