ゼロピット DVC TYPE-D XL

同じ浮力0で比較すると、通常のZERO-PIT DVC TYPE-Dが15.8g。XLは25.3gと自重は10g近くのプラスとなる。もちろん重くなっただけではなく、体積が増すことでアンカー効果を最大限まで高めることができたといえるだろう。中途半端なサイズアップでは得られなかった悪条件を克服する性能は、TYPE-Dシリーズのトレードマークともいえる形状との相乗効果でもあり、爆風や強烈な二枚潮といった状況でも釣りを成立させてくれる決定打となる。

状況に応じて素早くウキを交換、潮の状況に応じて対応できるZERO-PITを搭載。キーパイプとウキ本体を分離して、本体スリットからラインを抜くことで、ラインを切らず簡単にウキ本体だけを交換することができる。キーパイプは統一されているので、シリーズのどのウキでもセットできる。

上級者やトーナメンターの必須スキルといえるウキの浮力調整において、板オモリを貼ることなく、シリンダーを回すことで素早く楽な微調整を可能にしたDVC（ダイビングコントロール）。DVCを調整することで、仕掛けのなじみ加減の繊細なコントロールが可能になり、例えばフィールド当日の塩分濃度や潮の状態を踏まえて浮力をアジャストできる。

ウキ下部のフラット設計で入り込みの潮でも引かれすぎずない。道糸を張るとスタビライザーヘッドがウキの浮き上がりを軽減しホバリング、緩めるとゆっくり沈下という動きが可能になり、ウキ下に適度な張りが作れ、しっかりとアタリを出す。

採用したカラーは蛍光オレンジと蛍光イエロー。アングラーの見え方に合わせてセレクトできる実績の2色。ともにマットクリア塗装を採用しているため、渡礁直後の朝日または地磯のプライムタイムである夕日の強い逆光時などでも視認性をフォローしてくれる。

全遊動の釣りは仕掛けを張ることができないと成立しませんが、通常のTYPE-Dでは張れない条件ってあるじゃないですか。そんなどうにもならないときでも、XLは自重があるので張っても狙いのポイントからずれないんですよ。踏ん張ってくれる。条件が悪いときほど使えるウキです。

爆風などもそうですが、潮が全然なくて仕掛けを張るとウキがずれてしまうようなとき。逆にサラシが強いときもそうですが、釣りをしていて仕掛けを操作しにくいときこそ出番ですね。もちろん遠投の釣りが中心になります。潮の中の釣りですね。手前を釣るならTYPE-Bの出番です。悪条件ということは釣りが成立していないから、当然魚が釣れにくい。でもXLを使うと普通なら釣れない魚が釣れるんですよ。爆発的な釣果を出すことができる。釣れている魚が明らかに違うんですよね。普通の仕掛けでは弾かれて釣れない、そんな魚が釣れます。正直このウキを出してしまったのはヤバいと思ってるくらい。（大型ウキを使っていた）私にしか釣れなかった魚が釣れてしまうので……なのでウソだと思って一度使っていただきたいですね（笑）。あと全遊動で使っていただくのがいいです。これだけ重いとウキ止めがあるとサシエを放される可能性があります。離島でも使えるほど完全に振り切ったスペックですからね。

自重が30gでないことには理由があって、ここまでいくと普段使いのウキとしては重すぎて使いにくいことがあるんです。回収時の抵抗が大きすぎたり、キャスト時に重すぎたり。手返しが悪くなる。テストではいろいろな重さを作って最終的に落ち着いたのが26g近い重量なんですよ。30gだとちょっとやりすぎ。そのあたりのバランスを考えた重さなんですね。