まずTYPE-BのMと比較して、Lは自重と体積が大きく異なりますよね。Mは0で11.9g、Lは0で16.8gなんですよ。Mは感度優先で潮に乗せない根際の釣りを想定しています。そしてウキに出にくいアタリを表現しやすい。それに対してLは自重があるので飛距離が出ますし、体積もあるので潮をつかみやすい。Mは15m前後までが射程圏内ですが、Lはそれより遠くで、ある程度潮に乗せて釣りができます。もちろんウキ止めを結んだ半遊動仕掛けで威力を発揮するウキです。
形状もこだわっていて、TYPE-BのLはMをただ拡大しているわけではないんです。若干Mよりも膨らみを滑らかにしています。これは遠投して回収するときの抵抗を少なくするためです。もうひとつ、ウキの最大径の部分をMよりもちょっと上げています。そうすることで潮乗りがよくなって、沖で仕掛けをなじませたときにウキが“潮を噛む”感じがよくなりましたね。本当に少しの差なのですが……。要は感度もほしいのですが、潮乗り性能も欲しかったんです。
たとえばTYPE-BのMで15m以上を釣っていて、仕掛けのなじみが悪いと感じたとします。つまり風でラインが取られてしまうようなときなどはLに交換します。比較的スリムな形状なのである程度は潮に乗りますが、TYPE-Dほどかといえばそうではない。しかし逆に感度は良いですね。つまりちゃんとウキでアタリが取れる。また15m以内の距離でも風やサラシがひどいときはMよりもLに替えたほうがいいですね。
またTYPE-BのLはある程度は潮に乗るのでラインを張ってアタリが取りやすい。狙う距離が遠くなる分ウキが見えなくなることも多くなりますし、特に逆光や朝夕はウキが全然見えなくてラインでアタリを取らざるを得ないこともあります。これがTYPE-Dで半遊動だと潮には乗りますが、ウキの抵抗で魚がサシエを放してしまうことがある。そんなときにTYPE-BのLを使うと効果的ですね。
あと潮があまり流れていなくて強風のときなら、TYPE-BのLで3Bなど重い半遊動にすることもあります。潮がしっかり流れていれば重い半遊動でもTYPE-Dという選択になりますが、要は潮にどれだけ乗せたいか、感度をどれだけ重視するかで変わってきます。つまりTYPE-BのMとTYPE-Dの間の空白地帯を埋める存在がTYPE-BのLというわけです。