底生魚のアマダイやオニカサゴは魚探に映らない。だから探見丸の出番もない……。そう考えるのは早合点であり、非常にもったいない。
「探見丸に映る海底の様子を観察すると、底生魚が固まっていそうな場所がある程度分かります。今回は相模湾のアマダイで試してみましょう」
▲ 探見丸のボトムラインに目を配りながら、アマダイのベストポイントを探っていく。時どき出現する魚群反応は、ほぼエサ取りだ
10月下旬、そう語る松田竜也が乗船したのは小田原早川港・坂口丸のアマダイ乗合。当船が攻める小田原沖のポイントは地形が複雑で、探見丸が大いに活躍するという。
久保田幸司船長が流し始めた釣り場は航程5分の港前。水深50~80メートルの急な斜面に根と砂地が混在し、所どころにアマダイの溜まり場がある。
全長2メートル2本バリの片テンビン仕掛けを投入した松田は、オモリを底から1メートル切ってアタリを待つ。
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▲ ロッドはエキサイトゲーム CI4+のタイプ73M。カーボンソリッドの細身・軽量・強靭なブランクスは、手持ちで誘い続けるアマダイ釣りにも最適だ
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▲ タッチドライブの巻き上げはもちろん、クラッチのオン&オフも片手で操作できるフォースマスター 600DH。底ダチの取り直しも機敏に行える
Strategy・戦略
ボトムラインの微かな変化と尾引きの長さを注視せよ!
最も心がけているのは積極的なタナの取り直し。これはタナぼけ防止と誘いを兼ねていて、すぐさま30センチ級のアマダイを釣り上げてみせた。
「アマダイは平坦な場所でも釣れますが、探見丸でボトムラインを見ていると、わずかに落ち込む場所があったりします。根が途切れて砂地に変わったピンポイントかもしれず、そうであればアマダイが潜んでいる確率も高いと感じますね」
松田のアドバイスを耳にしてふと頭に浮かんだのは、ウェブで公開されている水中動画。その一部に、岩礁際の砂泥地に掘った巣穴を出入りするアマダイが撮影されている。
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▲【画像A】海底の落ち込み際
微かな落ち込みに見えるが、スケールにあてると実際の落差は2メートル以上ありそうだ。こんなところに砂泥が堆積していれば、アマダイが潜んでいる可能性が高まる。 -
▲【画像B】尾引きの変化
尾引きの幅が徐々に短くなっていく画像。これは硬い底質が軟らかな底質に変わっていく状況を示し「アマダイが好む砂泥地へ差しかってきた」と推測することができる。
探見丸の画像Aはまさにそんなイメージの場所だったようで、ひときわ集中する松田にいい引きがきて35センチのアマダイが浮上した。
「それからもう一つ覚えておくといいのが、探見丸のボトムラインの下側に映る〝尾引き〟の幅。底質判断に役立ちます」と松田は言う。
硬い地盤では反射が強くなって尾引きは長くなり、逆に軟らかな地盤は反射が弱く、尾引きは短い。巣穴を掘る習性があるアマダイは軟らかい砂地や泥地を好むとされているから、尾引きが短い底質に切り替わったらチャンス到来だ(画像B)。
探見丸を見ながら松田は順調にアマダイをキャッチし、ソコイトヨリ、ホウボウ、オニカサゴも交えて秋の海を満喫。
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▲ こまめに手返ししながら快調にアマダイを追加。お昼には10尾を数えた
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▲ オモリ60号の片テンビン仕掛け。ビーズ類も一切付けないシンプルな仕様
▲ 松田が大好きなオニカサゴもキャッチ
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▲ 今シーズンも魚影抜群のアマダイ。週末は2隻出しの人気ぶりだ
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▲ 女性釣り師が手にした51.5センチ。このサイズが顔を出せばアマダイ釣りの盛期突入!
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▲ ソコイトヨリ、ホウボウ、キダイなど多彩な顔ぶれもアマダイ釣りの魅力
そして最後に、船長は瀬ノ海へ移動して40センチオーバーの大型狙いに的を絞る。水深は105メートルと深いものの、そろそろこの付近で良型が飛び出す時期らしい。
その読みはズバリ的中。今シーズン最大となる51.5センチの特大サイズを女性が釣り上げ、47センチ、45センチの大型アマダイが船内で連発して沖揚がりの時刻を迎えた。
松田は大型こそアタらなかったけれど、探見丸を活用しながら船中2番手、13尾のアマダイを確保。足取りも軽く、満足そうに下船した。
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