第38話
コマセ釣りのマダイ攻略ABC

シマノのモバイル魚群探知器「探見丸」を
使いこなして、沖釣りをもっと楽しく!
それが「もっと!探見丸」のコンセプト。
今回は保存版のスペシャル企画、マダイのコマセ釣りで
探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを使いこなす基礎事項を、
シマノフィールドテスター松本圭一に学ぶ!

※探見丸は親機が搭載された船でご使用ください。親機がない船では使用できません。
※Tankenmaru SMARTは、Wi-fi対応のNEWアンテナを搭載した遊漁船のみでご使用になれます。
また、タブレット型の端末には対応していません。

※ACCU-FISH™(アキュフィッシュ)機能は対応の親機が設置された船と、
Tankenmaru CV-FlSHまたはTankenmaru SMARTの組み合わせでご使用になれます。
サイズの値は目安であり、正確な魚の大きさを表示しているものではありません。

 松本が大好きな釣り物の一つがコマセマダイ。本連載で各地の釣り場を紹介してきたが「どこへ行っても、探見丸があれば安心して釣りに臨めます」と言う。そこで今回は探見丸の画像を見ながら、マダイを攻略するキーポイントをまとめてみよう。


Situation・状況
探見丸でマダイの着き場を確認し 船長と呼吸を合わせて釣っていく

釣り場の把握

地形&水深の変化を把握してベストポイントを先読み

  • ❶潮回り中
    ポイントの潮上へ移動中。根際の砂地、水深42メートル付近に単体魚らしき好反応が確認でき、ACCU-FISH®機能で魚体長45センチの魚も交じっていることが分かる。

  • ❷釣りスタート
    水深44メートル強から❶のポイントへ向けて流し込み開始。指示ダナは上から26。通過した反応は水深36~40メートルに確認でき、その上辺に付けエサを落とすイメージだ。

  • ❸ベストポイント突入
    水深42メートル台の好ポイントに突入し、63センチの魚も出現。このように勝負所が水深42メートル付近であることを❶の時点で先読みしておけば、誘いも先手を打てる。

 まずは上段の3つの画像。船がポイントの潮上へ向かい、マダイがいる場所へ流し込む様子を追いかけている。ここで大切なのは移動中に海底地形、水深の変化、魚の着き場を把握しておくこと。


「それらを頭に入れておけば、ベストポイントにさしかかる手前でエサを付け替え、コマセを詰め直すといった先手が打てるんです」と松本。


 とくに同じラインを何度も流し直してマダイを攻めるケースでは、とても有効な戦術だ。


タイドグラフの活用

  • 干満差で潮の動きが大きく変わる海峡や内湾では、探見丸に標準装備のタイドグラフでマダイの「時合」を読む楽しみがある。喰いが立つ潮と時間の関係を「海域ごとに分析」すれば自分だけのデータも蓄積できる。

ビシダナの確認

  • 宙層の横帯はビシ、V字の帯はタナ下からコマセを降ってタナに合わせたところ。指示ダナは42メートルなのだがそれより下方の人がおり、船長に注意された。こうしてビシダナの位置を確認できるのも長所。

 状況にもよるが、探見丸はタナ取りしたビシカゴ(コマセカゴ)の軌跡も映し出す。タナが的確に取れているかどうかをチェックでき、ハリス全長が10メートルであればビシの軌跡の10メートル下に付けエサがあるとイメージできる。


「タナ取りは的確でマダイの反応も出ているのに、エサが取られないときがあります。そんなときは底潮に押されて付けエサが吹き上がっている可能性があるので、ハリスにガン玉(下の仕掛け図参照)を打って垂直に立て様子を見ます」


 そうアドバイスする松本は、探見丸のタイドグラフ表示機能も活用。時合になりやすい潮の変わり目や、速潮に見舞われる時間帯を推測しながら対策を考え、集中力をキープしている。


  • ▲ 地形、反応、タナ。探見丸の情報を頼りにマダイにアプローチする

  • ▲ 松本の愛機は、小型で軽量、それでいてパワー&ドラグ性能にすぐれるフォースマスター600

▲ コマセマダイ専用ロッドに求められるしなやかさと強靭さを兼備する、海攻マダイリミテッド



Strategy・戦略
マダイの反応に合わせてタナと誘いを考えていく

マダイが浮上してくるチャンスタイムと対策

  • ▲ タナは水深16~18メートルで、ビシが横帯として映っている。船長は水深26メートルの反応に照準を合わせているようだ。しかし水深20メートルまで浮く反応もあり、上から10メートルのタナで一発勝負もいい。

  • ▲ タナは上から46メートル、横帯がビシ。マダイ反応は水深56~60メートルにあり、活発にエサを食べている様子が分かる。こんなとき松本は仕掛けをゆっくり上下して誘い、その様がビシの軌跡として現れている。

  • ▲ 浮き上がる反応は、誘いが有効な場面だ。ゆっくりと竿を上下させて付けエサをアピールしてみよう

反応に合わせて戦略を練る

 探見丸から得られる一番の情報は、反応で分かるマダイの遊泳層だ。


「あくまで基本ですが、宙層に浮いてくる反応は喰い気満まん、逆に底から離れなければ活性が低いと考えていいでしょう。それが画面を通して分かるのは大きなアドバンテージです」


 上に並べた画像はその2つのパターンをピックアップしたもので、松本は、どんどん浮き上がる活性が高い反応が出現するとその上辺まで積極的に探る。過去、指示ダナより4~5メートルも高いタナでマダイを喰わせたこともあるそうだ。


低活性でマダイが底から離れないときの対策

  • ▲ 水深58メートル付近の横帯はビシ。底スレスレに反応はあるもののまったく浮かず、マダイに喰い気がない。だが、ちょっとした潮の変化で突如大ダイが喰うこともあるから、粘り強い手返しでその瞬間に備えたい。

  • ▲ 水深52メートルが指示ダナで横帯がビシ。底近くの反応は少し浮いて、再び海底に沈んでいる。活性は低いもののヒットする可能性がある。ジワジワと竿先を下げてエサバリを落とし込み、喰いをうながしてみよう。

  • そーっと竿先を下げて付けエサを落とし込み、その状態で10~15秒待ってみる

  • ▲ 常に付けエサの位置をイメージしながら釣っていく

  • ▲ 探見丸があれば反応に合わせた攻略術を駆使して、マダイと勝負できる!

「タナを下げるのはタブーですが、上げるのは自由。試す価値はあります」

 一方、底に沈んだままの反応に対しては、粘り強く手返し。音もなく静かに落とし込む誘いも織り交ぜながら、マダイにアプローチする。

「アタリがあってもなくても探見丸はマダイの存在を伝え続ける。だから丹念に作戦を練る。そのプロセスこそが楽しいんでしょうね」

 笑顔で松本は締めくくった。