▲ サバが多い日は魚群反応が途切れたところで投入。そんな場面でも探見丸は活躍する
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▲ 急斜面の海底に合わせ、探見丸で地形を確認しながらこまめに底ダチを取り直していく
水深200メートルを超える深い海の反応を探見丸CV-FISHに映し出す特別な釣り船がある。数は少ないが、探見丸への通信機能を有するプロ用魚群探知機(古野電気製)の搭載船だ。
最大のメリットは船長が見ている高出力で鮮明な魚探画面が、ほぼそのまま探見丸に映し出されること。深場の海底地形や反応を自分の目で確認したいイカ釣りファンや深場根魚フリークにとって、これはたまらない。
2月中旬、釣果が上昇してきた洲ノ崎沖のヤリイカを釣るべく松田竜也が乗船したのは、内房勝山港の利八丸。上記のシステムが利用できる希少な釣り船の一つである。松田は、
「洲ノ崎沖のイカ釣り場は比較的深く、崖のような斜面も流すので探見丸が使える船はありがたい」と話す。
Situation・状況
起伏の激しい深場ポイントを鮮明に映し出す特別な探見丸
▲ 洲ノ崎沖にヤリイカ船が集結。強い北風にもまれたが、イカの乗りは上々だった
当日攻めたポイントの画像例
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魚探に見る急斜面
水深90メートルから220メートルへと落ち込む壮絶な崖。当日はその落ち込み付近にヤリイカが溜まっていた。宙層に浮いた反応は小魚などのベイトと思われる。このように探見丸で地形の変化をチェックすると精神的なテンションも向上する。
▲ ウネリをかわしながら直結仕掛けをさばく。チャンスタイムは3~6点掛けもあり、トップ40杯を数える好日となった
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▲ リールは巻き上げスピードとパワーを兼備するビーストマスター 3000XS。ウネリをかわすため、ロッドのイカセブンはやや長めの165を選択した
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▲ 直結仕掛けのプラヅノは、昨シーズンから人気が高まっているツレヅレ針
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速度6で巻き上げ、イカを乗せる。モードは「速度一定」にしノンストップで上昇させるのがコツ
▲ ズンと重みが伝わったら、竿を立てながら徐々に巻き上げスピードをアップさせる
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巻き上げはバラシを防ぐ「楽釣モード」に切り替え、速度14で回収
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使用タックル製品情報
洲ノ崎沖のヤリイカ釣り場は水深100~200メートル台まで変動し、海底地形も複雑だ。そこで探見丸CV-FISHを活用すれば、画面を見ながら登り下りに合わせて仕掛けを的確に操作できるし、斜面に浮いたベイトやイカっぽい反応があればその付近のタナを探ることも可能になる。またサバ避けにも有効で、画面を見ながらサバ反応が途切れたところで投入すれば仕掛け着底率がアップする。
シケ気味の海況下、利八丸の舟宝康弘船長は洲ノ崎沖の水深150~220メートルを攻めていく。
二枚潮のせいで道糸が水深+50メートルほど余分に出てしまうものの、松田は探見丸で実水深との誤差を確認して底ダチを取り直し、糸を立てながらヤリイカのアタリをとらえていった。
タックルは微かなアタリもキャッチするイカセブン 165とビーストマスター 3000XS、仕掛けは11センチのツレヅレ針を10本結んだ直結仕掛け。
底から5~10メートルの間を速度6前後のデッドスローで巻き上げる操作を繰り返して、松田は着実にヤリイカの数をのばしていく。
その間探見丸に映し出された急斜面の海底地形、そしてヤリイカやスルメイカとおぼしき興味深い画像は次でお楽しみいただきたい。
Strategy・戦略
その反応はイカかベイトか?空白部もチェックポイント
ヤリイカが活発に乗ってきた反応
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【画像A】落ち込み際の淡い反応
ヤリイカがコンスタントに乗ってきた崖の落ち込み際。浮いた反応が出ているもののヤリイカが乗ってきたのは下側のツノが中心だったから、底スレスレの淡い点々がヤリイカか?反応が出なくてもこうした場所は好ポイントなので、集中力アップ! -
【画像B】底から立ち上がる反応
当日一番の「入れ乗り」反応。黄色い反応が底から20メートル立ち上がっている。ヤリイカの大群の中心、あるいはヤリイカに取り囲まれて立ち上がるベイト反応だろう。そのまま数分流しても釣れ続いたから、空白部にも相当量のヤリイカがいたはずだ。
スルメイカも交じってきた反応
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【画像C】宙層に浮いた反応
水深100から200メートルに落ち込んだ海底に、黄色い反応が底上30メートルまで細切れに立ち上がっている。ここでは上ヅノにスルメイカ、下ヅノにヤリイカが乗った。宙層反応の周りはスルメイカがいると推定され、スルメが釣りたければこの付近まで探ってみるといいだろう。 -
【画像D】ベイト反応の空白部
中層と下層に分かれた横帯の反応は何かしらのベイトだろう。その間の空白部にベイトを追い回すスルメイカがいることがある。反応は映ってないがこんな空白部は攻める価値がある。
▲ 今や貴重なスルメイカを数杯交え、松田は30杯近くを釣り上げた
イカ類の体は液体の密度に近く、超音波の反射も弱いことから魚探に映りにくい。しかし水色の粒子っぽくポツポツと映ったり、群れが密集していれば黄色っぽい塊が映ると言う船長も多く、とても興味深い。
紹介した画像はヤリイカやスルメイカがよく乗った直後の魚探反応。イカなのかベイトなのかは断言できないものの、こうした反応がチャンスタイムであることは間違いないだろう。
利八丸の舟宝船長によれば、
「スルメイカなどはベイト反応のそばの空白部で乗ることもあります。ベイトを追い回しているけど反応としては映ってない……そんなふうに想像してます」とのこと。画像Dがその例で帯状に連なる上下のベイト反応の間(空白部)も狙い目になるわけだ。
予測は外れることもあるけれど、探見丸があればイカが乗りそうな反応やタナを考察でき、楽しさ倍増である。
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【撮影協力】内房勝山港・利八丸 |