第25話
三浦半島剣崎沖のマルイカ攻略
~ACCU-FISH®の意外な能力~

シマノのモバイル魚群探知器「探見丸」を
使いこなして、沖釣りをもっと楽しく!
それが「もっと!探見丸」のコンセプト。
今回は三浦半島で順調に釣れ続くマルイカを
シマノインストラクター・鈴木孝が探見丸CV-FlSHを駆使して攻略する。

※探見丸は親機が搭載された船でご使用ください。親機がない船では使用できません。
※Tankenmaru SMARTは、Wi-fi対応のNEWアンテナを搭載した遊漁船のみでご使用になれます。
また、タブレット型の端末には対応していません。

※ACCU-FISH™(アキュフィッシュ)機能は対応の親機が設置された船と、
Tankenmaru CV-FlSHまたはTankenmaru SMARTの組み合わせでご使用になれます。
サイズの値は目安であり、正確な魚の大きさを表示しているものではありません。

▲ 取材日は雨天だったが、防水対応の探見丸CV-FISHなら安心して使用できる


▲ 鈴木の愛竿はゼロテン対応モデルのバイオインパクト マルイカ 82 SS165。リールはマイクロモジュールギア搭載のベイゲーム 150DH

 3月下旬、カワハギと並んでマルイカ釣りも大好きな鈴木孝が乗船したのは三浦半島剣崎間口港の喜平治丸。マルイカ釣りを普及させたパイオニアの1軒であり、今回は父直伝の操船技術を持つ鈴木麻毅生船長が舵を取った。乗り込んだ3号船は探見丸システムにフル対応、探見丸CV-FISH、探見丸スマート、ACCU-FISH®機能まですべて使用可能だ。

 当日流したポイントは剣崎沖の水深70~90メートル。浅場で釣れる夏に比べるとまだまだ深いけれど、的確に反応へ当てていく船長のおかげでポツポツながらも胴長15~20センチのマルイカが乗り始めた。

 鈴木の釣り方はゼロテン釣法。バイオインパクト マルイカ 82 SS165にベイゲーム 150DHをセットした愛用タックルを駆使して、タタキ、止め、そしてアタリを察知したら即アワせで乗せていく。巻き落としもかなり頻繁に行う攻撃的なスタイルだ。

 仕掛けも少しユニークで、アシスト(捨て糸部)を2メートルと長めに取ったスッテ6本の直結仕掛けで、底から少し浮いたヤル気のあるマルイカを狙い撃つ。

▲ ケイムラとピンクを主体に、中央付近に黄色いスッテを1本

 比較的よく乗るスッテは右から4番目の黄色系。ツノ間は1.2メートルだから、底から5~6メートル付近に食欲旺盛なマルイカがいるらしい。

 ところがマルイカは着実に乗ってくるのに、魚探にそれらしき反応はほぼ映らない。やはりイカ類は映りにくく、ましてや水深50メートルを超える深場では厳しいようだ。そこで鈴木と一緒に探見丸CV-FISHをあれこれ調整してみたところ、一つの興味深い現象につきあたった。

Situation・状況
乗ってくるけど魚探反応なし…そこでACCU-FISH®をオン!?

▲ 探見丸に反応が出たチャンスタイムは「できるかぎり投入回数を増やして数をのばす」と鈴木


  • ▲ こんなふうに竿とリールをホールドし、オモリを着底させたままタタキを入れて静止する

  • ▲ 竿先にアタリが出たら、すかさずシャープに合わせて乗せる

  • ▲ 底から5~6メートルに位置するスッテ(黄色系)によく乗った

▲ 剣崎灯台の沖に張り出す松輪瀬の落ち込み、水深70~90メートル付近がマルイカのポイント


ACCU-FISH®機能の設定方法

  • 1

    ▲ 設定でACCU-FISH®を開きONにする。今回は感度を「強」に調整してみた

  • 2

    ▲ フィッシュマークは画面背景の映像も視認できるよう「輪郭マーク」を選択

  • 3

    ▲ セット完了。画面切替ボタンを押して、元の画面に戻る

  • 4

    ▲ フィッシュマークと魚体長が出現。イカ釣りでは通常使わないモードだが、ぜひ試してみよう!


 ダメもとで魚体長が分かるACCU-FISH®機能をオンにしてみると、何も映っていなかった海底付近にフィッシュマークと数値(10数センチ)が表示されたのである。もしやと思い、マルイカの反応を映し出している操舵室のプロ用魚探と比較すると、タナの位置はほぼ同じだった。

 鈴木と顔を見合わせて「これは使えるかも」と驚いた興味深い画像は、次でお楽しみいただきたい。

Strategy・戦略
10センチ台の魚体長が表示されたら周りにマルイカがわんさかいる!?

反応がない場所でACCU-FISH®をオン

  • 【画像A】通常の画面
    通常画面に反応はほぼ現れていない。それでもマルイカはポツポツと乗ってきたので「やはりイカ類は魚探に映りにくいのか……」とあきらめかけた場面。

  • 【画像B】ACCU-FISH®の画面
    ところがACCU-FISH®機能をオンにすると、底上2メートル付近と底上6メートル付近に体長14~15センチを示すフィッシュマークが出現。加えてこのマークが出た近辺は空白部でもポツポツとマルイカが乗ってきた。いつも必ず映るとはかぎらないものの、マルイカの存在、そしてタナの核心部(上か下か)を知る目安になりそうだ。

淡い反応が出た場所でACCU-FISH®をオン

  • 【画像C】通常の画面
    当日最高の入れ乗りタイムに現れた反応。底上6メートル付近に出ている淡い反応がマルイカで、かなり大きな群れと推定される(水深20~40メートルの浅場で釣れる夏は、こんな反応をとらえやすくなる)。

  • 【画像D】ACCU-FISH®の画像
    試しにACCU-FISH®を入れると、わんさか反応が出た! 10センチ台の表示に交じって40~50センチの表示も出ているが、これはおそらくイカを追うマダイなどのハモノだろう。事実この群れは逃げ足が早く1流し1投の勝負となった。

▲ 直結仕掛けでダブルも。時合は潮の変わり目にきた


「なるほど、たしかにACCU-FISH®の表示は船の魚探(業務用の魚探)と同じタナに映ってます。おそらくマルイカでしょうね」

 船長も目を丸くしたその映像を、上に紹介した。体長を表示するACCU-FISH®は2周波(50と200キロヘルツ)の反射レベルを演算処理して映し出す特殊な仕組み。そのおかげで通常の画面では映らないマルイカをとらえ、表示する……のかもしれない。

 数値にして10~18センチ程度のACCU-FISH®表示がマルイカっぽく、その表示が現れた近辺でよく乗った。群れが濃密な箇所で反応をとらえていると推定され、その周りの空白部にも無数のマルイカがいたようだ。

「10センチ台の表示が出現したらチャンス。ここで手返しを早めて投入を繰り返せば、数ものびますね」

 そう言いながら軽快にマルイカを乗せる鈴木。結果は47杯で竿頭だった。


次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!

次はマダイ!

【撮影協力】三浦半島剣崎間口港・喜平治丸
TEL:046-886-1110
(3号船は、探見丸CV-FlSH、探見丸SMART、ACCU-FISH®に全対応)