▲ 薄暮に浮かぶ富士山を目前に望む、素晴らしいロケーション。これも沼津の大きな魅力
12月中旬、冬の夜タチウオが最盛期を迎えた駿河湾の沼津へ走る。当地はテンビン仕掛けのエサ釣り、ジギング、ライトタチウオテンヤなど多様なスタイルで遊べるタチウオ釣りの楽園だ。
「沼津の夜タチは初体験」という松本は、スタンダードなテンビン仕掛けで勝負。夜間宙層へ浮いてくるタチウオとの攻防、そして探見丸に映る画像が楽しみで仕方がない。
船宿は探見丸CV-FlSH、探見丸スマート、ACCU-FISH®機能までフル対応する沼津内港の秀丸。やさしい人柄で人気を集める小池秀幸船長に迎えられ、16時30分に港を離れる。
釣り場は港西方に続く千本浜沖。夕暮れ時は水深100メートル付近からリサーチし、徐々に浅場へ移動するタチウオに合わせて最終的には水深60~70メートル付近にアンカーを打って釣る。
探見丸を注視していると、底近くに横帯状の反応が出始めた。その正体を船長に聞くと、
「タチウオじゃなく、深海性の小魚やエビ類などのベイト反応。そして実は、その周りにタチウオがいる可能性が高いんです」と言う。立ち泳ぎスタイルでエサを待ち受けるタチウオは、出力の強いプロ専用魚探でもうっすらとしか反応が出ないらしく、
「ベイト周りの空白部、それも上方の10~20メートル圏内を誘い上げるとヒットしやすい」と教えてくれた。
Situation・状況
魚探に映る反応はベイトのみ タチウオの群れはどこにいる?
ACCU-FISH®機能はオフにしよう
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タチウオ釣りでは「魚体長を表示するACCU-FISH®機能は切ったほうがいい」と小池船長。上下に動かし続ける仕掛け(オモリやメタルジグ)の反応を拾ってしまい、2枚の画像のように数字とマークで埋めつくされてしまうからだ。画像は同じ位置でACCU-FISH®機能を切った状態で、魚と誤認した仕掛けの軌跡が映し出されている。なるほど、たしかにこのほうが釣りやすい。
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1メートルオーバーの大型も。釣期終盤の1~2月はこのサイズが中心になる
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オモリ60~80号のテンビン仕掛けに、サンマの切り身をていねいにエサ付け
▲ 船長のアドバイスどおり、ベイト反応の上方を探るとアタリが頻発した
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❶少しずつ誘い上げながらエサを追わせ、アタリがきた位置で竿先をフワフワと揺すってタチウオの喰いをうながしてやる。
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❷引き込みや喰い上げを察知したら、フォースマスター600の新機能「タッチドライブ」のボタンをギュッと押し込み最速巻き上げ!
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❸パワフルなモーターのおかげで「巻き合わせ」が決まる。そのまま巻き上げればスピーディーに手返しでき、釣果もアップする。
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使用タックル製品情報
当夜も70から上、55から上という具合にベイト反応の上方を探る指示が出て、船長の言葉を裏付けるように魚探反応の空白部でタチウオが連発。
「うーん興味深くておもしろい、勉強になるね」と松本も感心しきりだ。
タチウオが船に着いた後半は海面下30~40メートルまで群れが浮き、まさに入れ喰い。松本は新型フォースマスター600のタッチドライブ機能を駆使して、電動巻き合わせをビシバシと決める。
納竿は22時過ぎ。松本は指幅5本近い良型を交えて50本、大満足で帰港となった。船長直伝の「ベイト反応と空白部」の攻め方は、次でお楽しみいただきたい。
Strategy・戦略
狙い目はベイト上方の空白部 エサを追わせてアタリを出す
見えないタチウオは底付近のベイトの周りにいる
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【画像A】ベイト反応の一例
夕暮れ時、深場から探索し始めたときの画像。船長によれば上の反応は小エビなどのプランクトン、下の反応はハダカイワシなどの群れ。タチウオは映っていないが「時間的にまだ底近くにいるはず。おそらく下のハダカイワシの周りにいます」とのことだった。 -
【画像B】ベイト上方の空白部を狙う
底に映っているのはベイト反応。タチウオは確認できないが、ベイト上面の「水深70メートルから誘い上げて」との指示に従うと水深50~60メートルあたりで喰った。ベイト上方の空白部にエサを持っていき、追わせて喰わせる手法だろう。
タチウオが連発している時間帯の参考画像
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【画像C】掛かったタチウオの軌跡
指示ダナはベイトの上面、水深60メートルから上。そこから誘い上げて水深40~50メートル付近でアタリが連発した。画面内の右にある「斜めに上昇する真っ赤な反応」は、ハリ掛かりしたタチウオが暴れながら巻き上がる軌跡であろう。 -
【画像D】タナが絞られたときの画像
釣りの終盤、水深30~40メートル付近に喰いダナが絞り込まれたときの画像。タナに仕掛けが集中する様子がよく分かり、タチウオが釣れる核心部が把握できる。ベイト反応は消えているが、タチウオが船に着いた状態となり、アタリは途切れなかった。
▲ 喰いダナをつかんだ松本は、指幅3.5~5本のタチウオを50本釣り上げた
「ルアー青物に例えればベイトの中心部を攻めるより、少し離れた所を攻めるとヒットしやすいでしょう? 群れからはぐれた捕まえやすいエサとして認識するようですが、夜タチウオも似たイメージで狙います。探見丸を見ながらタナを探るときはベイト反応の上面で仕掛けを止めて、上側の空白部を誘い上げるとアタリが出やすくなると思いますよ」と小池船長。
釣り人心理としてはベイト反応の下面から誘い上げたくなるが、やはりアタリが遠くなるうえ、道糸のマーカーがタチウオの標的になって高切れを招くのでやめたほうがいいそうだ。
あくまでもベイトの上面から探り、付近にいる見えないタチウオを上へと誘い出して釣る。ここがコツらしい。
なお、1月中旬以降はドラゴン級狙いの終盤戦。新たに始まる夜ヤリ&マルイカと交互に出船するケースも増えるので、事前確認のうえご釣行を。
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【撮影協力】駿河湾沼津内港・秀丸 |