8月に入ると浅場で産卵を終えたカワハギが少しずつ口を使い始める。また、大型のカワハギが浅場に居残り、30センチを超す尺ハギに高確率で出あえる絶好のチャンスだ。
気になる大型カワハギの様子を探るべく、鈴木孝が探見丸を携えて乗り込んだのは三浦半島久比里の巳之助丸。締め切りの関係でちょっと早めの7月中旬に取材を敢行したが、
「前半は久里浜~鴨居沖の根周り、水深8~15メートルほどを狙ってみましょう。ポツポツ程度ですが型のいいカワハギが上がってますから」と臼井浩喜船長から希望の一言。後半は竹岡沖の平場で数狙いに転じるとのことだから、大型狙いなら前半が勝負というわけだ。
鈴木が選んだ竿はステファーノCI4+M180で、尺ハギの強い引きをかわすやや軟らかな番手。ハリは吸わせ7号を基準に、大型が連発する場面がきたら頑強な吸わせ力7号に交換する。
久里浜沖からスタートし、鴨居沖の水深8~12メートル付近へ移動したところで強い引き込み。単発ながら、鈴木を含む数名が25~27センチ級をキャッチして尺ハギへの夢が膨らむ。
しかし次第にアタリは遠くなり、大型狙いは断念。その後は竹岡沖の水深15メートル付近で20センチ級のカワハギ釣りを楽しみ、鈴木は18~25センチを20枚釣り上げて納竿した。
▲ 岩礁帯であっても、やや平らな海底であれば積極的にキャストして「カワハギの着き場」を探る
Situation・状況
産卵明けのカワハギたちはしばらく縄張りを離れない
▲ 25センチの雌。すぐ近くに「もっと大きな雄のカワハギがいるかもしれない」と気合を入れる鈴木
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タイドグラフで時合を読む
▲ 潮の動きが激しい東京湾口部のカワハギ釣りは、潮の変わり目に喰いが立つことも多い。探見丸のタイドグラフで干潮・満潮を把握し、その前後の時合を逃さないようにしたい。
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超浅場のカワハギらしき反応
▲ 底近くを泳ぐカワハギは魚探に映りにくいが、水深10メートルを切る超浅場なら反応をとらえることもある。この画像では、海底から少し浮いた黄色い単体反応がカワハギかもしれない。
▲ 良型が顔を見せ始めたところで、頑強で伸されにくい「吸わせ力」にハリを交換
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▲ 巳之助丸のアサリエサは粒のサイズ、締め具合とも抜群
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▲ 集寄としての効果も望めるドロップシンカー投げ棚を使用
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▲ ロッドはステファーノCI4+M180、リールはステファーノSS100HG。
不思議だったのは、どの釣り場もアタリが出るのは限られたエリアで、そこを過ぎると釣れなくなること。鈴木はこの現象を次のように推察する。
「カワハギは5~7月の産卵期を迎えると、根周りの浅い砂地に雄が縄張りを作り、たくさんの雌を呼び寄せて産卵活動を行います。その期間はもちろん、産卵明けの8~9月中旬あたりまでカワハギはそのテリトリーから離れず、付近にあるエサや、そこへ流れてきたエサを食べて体力を回復するようです。途中でアタリが消えてしまう理由も、その範囲から外れたエサを深追いしないせいでしょう。つまり、ピンポイントでいかに喰わせるかが勝負ですから、探見丸を上手に活用してチャンスをつかみたいですね」
探見丸CV-FISHの画面を見つめながら、大型カワハギの着き場になりそうな海底地形をアドバイスする鈴木。興味深いその戦略は次をご覧いただきたい。
Strategy・戦略
根に囲まれた四畳半の砂地は大型カワハギが潜む一等地
探見丸でとらえた「四畳半」のイメージ
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画像は鴨居沖のポイントで見つけた「四畳半」らしき場所。両サイドに高さ3メートルの岩礁があり、その間にフラットな砂れきが横たわっている。こうしたポイントは大型カワハギの縄張りになっている可能性が高いから、山ダテなどで位置を把握し、しつこく攻めてみたい。
▲ 船が流れて「四畳半」から遠ざかっても、鈴木はそこへキャストして徹底的に攻める。大型狙いに的を絞るなら、ある程度の根掛かりを覚悟して挑み続ける気構えも必要だ
険しい岩礁周りは探見丸を頼りに海底をトレース
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大型のカワハギは、画像のような起伏の激しい岩礁帯の中でエサをついばんでいることもある。その鼻先へ仕掛けを持っていくには、根掛かりに気をつけながら海底をトレースしていく方法が最良だ。探見丸を頼りにアップダウンを予測しながら、仕掛けを的確に移動させていこう。
▲ 探見丸で海底の起伏をチェックしながら慎重かつ大胆に仕掛けを根歩きさせて、喰わせる。根掛かりが多発するようなら、アシストラインを付け足して対処しよう
「探見丸に映る海底地形に目を凝らしていると、岩礁帯の隙間に小さな砂地が現れることがあります。そこを私は”四畳半„と呼んでいて、エサが豊富で、産卵場としても一等地と考えています。大きなカワハギが潜む確率も高いので集中的に攻めたいですね」
鈴木が言う四畳半とは、上画像のようなイメージ。フラットで根掛かりも少ないので、ゼロテンションをベースに、タルマセもミックスして大型カワハギを喰わせるそうだ。
また、この時期は根に付着するエサをついばむことも多いので、岩礁の起伏をトレースするように仕掛けを操作しアタリを出していく。探見丸を見ていると岩礁の傾斜が先読みできるから、根掛かりをかわしながら攻めの釣りも可能だ。大型カワハギに一歩近づくツールとして、探見丸は心強い味方になってくれるのである。
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【撮影協力】三浦半島久比里・巳之助丸 |