バス釣り用語のひとつに「サーチベイト」という言葉があります。
SEARCH(=探索)するためのルアーといった意味合いがあり、バスの反応の仕方など、さまざまな情報を把握するために使うアイテムのことです。
サーチベイトには、広い範囲を効率的に探れるルアーが適しています。スイミングワームなどが使用されることもありますが、主役となるのはリトリーブスピードの速い「ハードベイト」。クランクベイトに代表される、マキモノ系の出番が多くなります。
一般的には「朝イチはハードベイトで広くざっくり探って、徐々にスローな釣りに変更していく」のがセオリーとされますが、この考え方は、ボート釣りにおいても正解なのでしょうか?
FOOTCON BASS the Steps アドバイザーの伊藤巧さんに聞いてみると…。
「そんなことはありません。通い慣れたフィールドで、あらかじめ状況がわかっているなら、朝からゆっくり釣っていっても構わないと思います」とのこと。
たとえば冬。水温が低く、バスの活性が低いときはスピーディな展開が効きづらいので、最初からバスの溜まっているディープでダウンショットを投げる、といった第一歩も有効になるそうです。
「ただし、基本的には『毎日のように状況は変わっている』というのが僕の考え方です。同じように見えても、昨日と今日は絶対に違う。だからこそ、朝イチはスピードを落とさずに回っていくことが多いですね。スピーディに釣ることの最大のメリットは、シチュエーションの違うエリアを短時間でチェック&比較できることにあるんです」(伊藤)
スピーディに探れるハードベイトを使って、バイトの有無はもちろん、水の色や流れの強弱、小魚などの生き物がどういう場所に多いのか、といった情報を把握することで、その日のバスが好みそうなシチュエーションを判断していくわけです。
次の記事では、ひとつの具体例として、取材で訪れた秋の小河川において、伊藤さんが朝の時間帯に、ハードベイトをどのように使用したのかをご紹介します。