コルトスナイパー SS ロング

Vol.20 Impression × コルトスナイパーSS ロング　―新保明弘が沼津サーフで新製品ロッドの“インプレッション”について語る【弓角】【コルトスナイパー】

【25AW新製品 ショアジギング】コルトスナイパーSS ロング / 新保明弘【シマノオンラインフィッシングショー】

「コルトスナイパーSS ロング」は、ロングリーダーの仕掛けが扱いやすく、ロングロッドでありながら軽快な使い心地を目指したロッド。マイクロベイト対策として全国的に流行中の弓角系ルアーや、北海道のアキアジ釣りでは定番のウキルアーなど、仕掛けが長くなりがちな釣りを快適に楽しめる。また防波堤では、ロングビルミノーで足元まで丁寧に誘って喰わせるメソッドが今まで以上に行いやすくなります。このように、ロングロッドならではの繊細な狙い方で攻略の幅が広げられる。

設計の特徴としては、継目を並継設計にすることで、バット部分の径を太く高強度に仕上げている。これによりパワーロスが抑制され、快適な遠投と強力なフッキングをサポート。またティップ部分の密に配置されたガイドセッティングの恩恵でキャスト時はトラブルレス。安定した遠投が繰り返せる、長く扱いづらい仕掛けでもストレスを感じさせない快適な釣行を目指した。

弓角系ルアーを使ったショアジギングに

マイクロベイトを模した弓角系ルアーは、小型で軽量なため遠投するには専用の飛ばしウキが必要となる。こうして仕掛けを組むとどうしても仕掛けが全体的に長くなってしまいがち。さらにロッドの全長が短いとリーダーの長さにも制約される。例えば70㎝から1.5mにリーダーを変えれば反応する状況にも対応できない。こうなると自ずとロッドには長さが求められ、仕掛けの扱いやすさがこの釣りの快適さを大きく左右する。このロッドは、その全長を活かしてたとえロングリーダーであっても、垂らしを長く取った遠投がやりやすい設計。さらに先端部分のガイドを密に配置することで糸絡みが抑制され、トラブルを起こしにくい設計を追求した。

北海道のアキアジ釣りに

北海道のアキアジ釣りでは、定番とも言えるウキルアーを用いた釣り方にもこのロッドは高次元で対応するために徹底的なテストを繰り返した。ウキルアーにおいてロッドに求められる要素は継続キャストを実現するロッド自重の軽量化とウキルアーの遠投およびロングリーダーをキャスト可能なロングレングス。加えてアキアジの硬い顎を貫くためのハードなバットが要求される。コルトスナイパーSSロングではアキアジに対して数々のロッドを比較・検証し、それらの要素を達成するために軽量化が難しい並継設計に挑戦。スパイラルXを用いたブランクスデザインによってロングロッドでも疲れない、アキアジの硬い顎を貫くハードバットの搭載を可能に。遠投した先でもアキアジの硬い顎にしっかりとフックを貫通させるフッキングをサポートする。

ロングビルミノーで足元の青物を攻略する

防波堤のシーンでは、ロングビルミノーで足元まで丁寧にアプローチして喰わせるというメソッドがこれまで以上に行いやすくなる。防波堤の足元はターゲットがエサを追い込みやすく、バイトチャンスになりやすいポイント。しかし足場の高い所ではその貴重なチャンスを活かせないシーンも多かった。そこでこのロッドとロングビルミノーを組み合わせることで、バイトの確率を高められる。さらに足元に障害物があってやり取りしづらいシチュエーションでも、それらを躱しながらアングラーが有利にファイトを展開できる。

ロングロッドは波が高い状況でも利点がある。そのひとつが操作性の高さ。特にサーフの足元付近では打ち寄せる波にラインが取られがちだが、長さを活かして竿先で簡単に躱せる。またサーフでは、時として釣り座に選んだポイントの後方が、波や風の浸食によって急勾配な丘のようになっているシチュエーションに遭遇することもある。このような状況で垂らしを長く取って遠投するためには、振りかぶった時にルアーが後方の丘に接触しないよう構えを高くして投げる動作が必要。そんな時でも、ロングロッドは高さが稼ぎやすいので、垂らしを長く取ったキャストがやりやすい。アングラーにとって不利になりがちなシチュエーションでも、ロッドの長さが対処を可能にしてくれる。

パワーを生み出すためのこだわり設計

ロングロッドで並継設計を採用。これによりバット部分を太く設計することが可能となり、強度を高めて遠投やフッキングを快適に行うためのパワーを持たせられる。ロングロッドでは軽量設計がしやすい逆並継設計が一般的であるが、デメリットとしてフッキングやファイト時のパワーロスが起こりやすい。並継設計は自重が重くなりやすいが、シマノ独自の「スパイラルX」のテクノロジーの恩恵で、軽さと強さの両立の実現を追及した。これにより青物やアキアジといったフッキング時にフックが貫通しにくい硬い顎を持った魚であってもロングロッドでありながらしっかりとしたフッキング・ファイト性能を確保した。

長さからくる扱いづらさを解消するために

このロッドのブランクスには、シマノ独自のテクノロジーである「スパイラルX」を搭載。曲がった時に生じるネジレやつぶれが抑制され、ブランクス本来の性能を発揮する。ロングロッドはその長さから自重が重くなりがちだが、このテクノロジーは軽量化にも貢献。長いロッドでありながらシャキッとした軽快な使用感が特徴で、長時間の釣りでも疲労を軽減し集中力の持続をサポートする。

ロングロッドの継の緩み確認はアングラーにとって非常に煩わしい作業である。特にロングロッドは全長が長いため負荷も大きく、継部でのトラブルは破損や実釣トラブルに直結する。そのため、継部にシマノ独自のテクノロジーである「スクリューロックジョイント」を採用。ブランクス同士の継目をねじるようにしてつなぎ合わせることで、継目に生じるガタツキや使用中に生じるズレが軽減され、不意な破損や継目の固着を防ぐ。固着もしにくいため釣行後もスムーズにロッドの収納が可能である。

ガイド配置を最適化することで、トラブルレス性能を向上。ティップ部分はガイドを密に配置することで糸絡みが抑制され、キャスト時にティップ部でラインが絡まることを防ぎ、トラブルレス性能を高めている。さらにバットガイドから2個目までのガイドはナイロンラインなど太さのあるラインの使用を考慮して大口径のダブルフットガイドを採用。特にロングロッドは竿先に手を届かせづらいため、高いトラブルレス性能の恩恵は大きい。ウェーディングシーンでは陸に上がってトラブルを解消しなければならない、といった手間を防ぐことにもつながる。