オシアジガー リミテッドを持って最初に感じたことは、とても軽いということ。高反発な素材を使っていて凄く高感度、フルソリッドモデルと錯覚するくらいの細身に作られています。一般的にロッドはパワーを上げると硬くなってしまいます。でも今回のオシアジガー リミテッドは軟らかいのに反発力があり、強い。そして感度も凄い。ティップからバットエンドまでブランクスが途切れることのないワンピース設計で、グリップの中のブランクスの曲がりまで配慮しています。ジグの重みをロッド全体で受け止めてロッド全体で返すイメージで、より少ない力でより高効率にジグを操ることができます。スローからミドルスピードのジャークはもちろん、これまでのスロー系ジギングロッドが苦手だった速いジャークも可能になっています。あと、二枚潮やドテラ流しなど、引き抵抗が重いときでもしっかりロッドが戻ってくれるので、すごく頼りになります。
ブランクスにはスパイラルXコア、ハイパワーXが搭載されています。細身のロッドはネジれやすい、ブレやすいという短所がありますが、それを感じさせず、しかも高出力を発揮。本来は相反する要素なのですが、スパイラルXコア、ハイパワーXを搭載することで実現できたブランクスだと思います。超細身で超高出力、こんなロッドは今までになかったと思いますよ。
超感度にはブランクスだけでなくカーボンシェルグリップの採用も大きく貢献していると思います。カーボンシェルグリップは中身が中空になっているのが特長。海からの情報を振動としてとらえ、その振動をグリップが増幅するような感覚で、手元を通してアングラーに伝えてくれる構造です。魚の寄り、潮のヨレ、ときにはジグにフックが当たる振動まで分かる超高感度です。今までのオシアジガーシリーズにも、グリップがカーボン製のものはありました。でも、今回のカーボンシェルグリップは、体に触れる部分がすべてカーボン製。卓越した高いカーボン成型技術がなければできないグリップだと思います。
採用されているXガイドの3Dチタントップと3Dチタンは、3Dテクノロジーで成形した一体構造。シマノの冷間鍛造技術の高さを感じてもらえると思います。形状や角度が絶妙で、実際に使ってみるとラインが絡むようなトラブルが凄く少ない、ノットの抜けも良い。ガイドフットはとても短く、固定する部分も少ないので、ロッドの曲がりを妨げにくい。凄く綺麗に曲がって、綺麗に復元する。今回のロッドを作り上げるためにはどうしても必要なガイドだと思います。シマノのスロー系ジギングロッドの最高峰として死角はありません。
2022年、これまでのラインナップにさらなる大物や深場に対応するパワーモデルが2アイテム追加されました。B62-5、B62-6です。ともに、ジャーク後の戻りが速いロッドなので、全体的なピッチのスピードを上げていくことができます。この点だけでも、いままでのスロー系ジギング用ロッドとは一線を画していますよね。レングスとテーパーの設計を追い込んだことで、高反発のブランクスでも楽にジャークできます。身体への負担が少なく、思いどおりにジグをコントロールできる。いい仕事をしてくれるロッドだと思います。ワンピッチからスローまで、もちろんコンビネーションも含めて、あらゆるジャークパターンを高次元でこなすことができます。採用されているカーボンシェルグリップは軽いし、感度もすこぶるいい。グリップ前後もしなってくれてナチュラル。いい感じですよ。キハダなどのジギングから、中深海のアラ狙い、タラ狙いなどをより高次元で楽しめます。150m、200mくらいまでのミドルレンジのカンパチまで対応できるし、300m以深のキンメダイ狙いにも活用できますね。