率直に思ったのは、テーパー角が小さくて緩やかに先端に向かっていく、これまでにないローテーパーブランクスでよく曲がります。ただ、曲がるので弱いかといえば、スパイラルXコアが後ろのバット部分で控えていますので、52cmまではテストで難なく獲れました。ターゲットとしては30~40cmメインなんですが、それより大きなサイズでも柔よく剛を制すというか、柔軟ゆえの強さで問題ないですね。
私的には前作と調子は全く違うと感じています。ローテーパーだから胴調子かといえば、それもちょっと違うんですよね。ラインを通して曲げてみると確かに軟らかい印象を受けますが、ロッドを操作する際には胴調子という感覚はなく、必要な操作は問題なく行えます。
最近はやり取りに対しての感覚が変わってきて、すぐにラインを出してしまう方もいます。ロッドは曲がり切るとネジレ始めるんですが、その一歩も二歩も手前でラインを出される方が多いです。ラインはそこまで弱くないし、魚には「しんどい思い」をさせないと(笑)。このロッドにはスパイラルXコアという強力な武器が搭載されていますから、ぜひその効果を感じていただき、しっかりとロッドを曲げていただきたいですね。
あと穂先もこれまでとは違います。いちばん感じたのは、いかなるシーンであっても使える調子であること。クセの強い穂先は「おもしろそうだな」とは感じても実際に使うときに悩むこともあります。その対応幅が今回の穂先は2本とも広いですよね。
流れが速い、または20m以上あるような深場だと潮の“圧”が大きくなってきます。軟らかすぎるとアタリを取る以前に曲がりすぎることがあるんですけど、そういうときに重宝するのがF-1ですね。それ以外でもカキのような重いエサを使うときや、関東の釣り場のように外洋に面してうねりや風波、船舶の往来による波があるところでも活躍します。オールラウンド性でいえばF-1でしょうね。
F-2は宙切りであったり、ラインを緩める釣りのときに穂先が柔軟に対応してくれるので、腕の揺れや波の影響をカバーしてくれます。使い分けはあくまで好みの話なので厳密に分かれるわけではありませんが、多くの方の好みがどちらかの穂先に当てはまると思います。
ロッド全体の調子としては攻めていますが、穂先はオールラウンド性が高い。ビギナーから中級者まで、大きな味方になってくれるロッドだと思います。軟らかく感じるかもしれませんが、あなどってはいけないポテンシャルを秘めていますよ。