大阪湾のタチウオ釣りの場合、道糸がPE2号で統一されている船が多いのですが、フォースマスター300はコンパクトなボディにPE2号が150m巻けるので、水深45〜46mから深いところで90mを狙う神戸沖などでは最適な1台ですね。
タチウオは1日を通してヒットパターンがころころ変わるじゃないですか。ときにはバイブレーション釣法のように、ずっと揺すっていたり、いろいろな誘い方をするんですけど、竿を持って操作するので、リールは軽いほうがいい。ボディが小さくて握りやすいのもいいですね。フォールスピードも手巻きリールのように軽くなったと感じますし、巻き上げスピードも速くて手返しもいい。基本的に電動で使いますが、手巻きで使っても巻き上げがすごく軽くて操作性がいいですね。
タチウオ釣りではタッチドライブスピードロックの中間速をちょっと遅めの15ぐらいにセットして使いますが、魚を掛けたらスピードロック全開で巻き上げて一気に魚との距離を詰め、魚が強く引けばボタンを放すと15のスピードに戻る。取り込みも早いし、身切れなどのバラシを抑えられてすごく効率が良いんですよ。電動リールで狙いのスピードにピタッと合わせるのって、なかなか難しいんですけど、タッチドライブスピードロックはボタンをポンと押すだけで一発で合う。電動リールが初めての方でもすごく扱いやすいと思います。また、タッチドライブのボタンに厚みが出て押しやすくなり、巻き取りスピードも指の加減で調整しやすくなっています。
フォースマスター300のもうひとつの特徴は、探見丸スクリーンを搭載していることですね。探見丸の子機を買うとなると、それこそリールが1台買えるくらいですが、それがリールに付いています。
手元の画面が見やすいだけでなく、状況に合わせて釣り方を変えるきっかけをつかみやすくなる。たとえば、タチウオの喰いが渋くて船長が「流し替えます」ってなったとします。喰いが渋いのでテンヤの誘いもゆっくり丁寧に釣っていたとして、流し替えた先でも探見丸スクリーンがなければ釣り方は変わらないと思うんですよ。ところが探見丸スクリーンに、タチウオの群れが映ったら、早い展開の誘いも通用するんじゃないかって、それが試せるんですよ。これはすごく大きなことですよね。
あとは水深や地形の変化が一目瞭然なので、鯛サビキのように磯のトップに付く魚を狙うのにもめちゃくちゃ良いと思います。この釣りでは、船長がまず岩場を当てにいって、魚の反応があることを確かめてから、もう一回上りなおして磯のてっぺんに向かって船を流していく。その軌跡が探見丸スクリーンに映るので、最初からてっぺんに照準を合わせられる。それが分からないと手前の深いところから探っているうちに根掛かりでチャンスを逃したりもするんですね。
探見丸って、持っていないとそわそわするスマートフォンと一緒で、なくてはならないアイテムなんです。それがリールにあるかないかで便利さは大違いですよ。