ラウドジャーク120Sは僕にとっては信頼して投げ続けることができるルアー、相棒のようなルアーです。現在の形になるまでに多くの時間テストを繰り返しているので、とても思い入れのあるルアーです。ボディ内に11個の移動するウェイトボールが入っているのが最大の特徴です。サワラキャスティングでは、大型やブリがヒットすることを考慮すると強度が必要です。そのためにラウドジャーク120S では120mmサイズであっても貫通ワイヤーと太軸の4番フックを採用していますが、反面、軽快で良いアクションを出すことが難しくなります。強度を保ちながらも、良いアクションを出すという矛盾を解決したのが11個の移動式のウェイトボール、というわけです。
動きを出すための11個のウェイトボールは、副産物としてジャラジャラと大きな音を出します。実際、かなりうるさいです。最初はその音がマイナス要素にならないかな、と思ったりもしましたが、テストを長期間繰り返した結果から言えばそんなことは全然ありません。嫌われることはほとんど無いと言えます。やはりベイトが何百匹といたり、波や風があることが多かったりする海の釣りでは、動きと音でルアーを目立たせるという考え方はとても重要になります。
キャスト時にはウェイトボールがすべてリアに集まります。リップが短く、回りにくいこともあって飛行姿勢が安定し、18gというウェイトの割には飛距離も十分です。
サワラキャスティングでの基本的な使い方としては、まず着水後、ハンドルを2~3回転させてウェイトボールを馴染ませます。それから、あまり力まずにワンピッチワンジャークで動かしていきます。ジャーク後に一瞬だけラインを緩めるのがコツです。そうすることでルアーの軌道が変わります。しっかり見せて喰わせる間を作る、というイメージです。ただ、あまり弛ませるとラインブレイクされやすいので注意してください。ワンピッチワンジャークで魚を寄せてから急に高速巻きをしたり、ピタッと止めてあげるとドーンッとヒットしたりすることが多いので試してもらいたいですね。11個のウェイトボールのレスポンスがとてもいいので、アングラー側の動かしたいタイミングにタイムラグなく反応してくれますよ。
ジャーキングはサワラを誘い出す釣り方です。ジャークしたときにブリッと動き、ビリビリとした波動で魚を寄せる動きが重要です。どんなルアーでも釣れるときはありますが、動きのいいルアーでしか釣れないときもあります。そんな厳しいときにこそ威力を発揮してくれるのがラウドジャーク120Sだと思います。
ジャークベイトという同じカテゴリーに分けられるMDザンバーノSWとの使い分けですが、基本的にパイロットルアー的に使うのはラウドジャーク120S。つまり朝一番から投げ続けるのはラウドジャーク120Sです。MDザンバーノSWは少しサワラのレンジが深いときや、船が流れるスピードが速くて抵抗感が生まれにくいときなどに、水噛みの良さを活かして使うことが多くなると思います。
カラー展開は10色と豊富ですが、個人的に面白いと思っているのはSTチャートリップサービス。ボディはクリアにしたいけど、アングラーには目立つ配色というリクエストに応えてもらったカラーです。リップの表はチャートですけど、実は裏はシルバー。若干のフラッシング効果も期待できます。加えてアピール力に優れた僕のリクエストカラー、エッジパールゴールドもぜひ使ってほしいですね。