アマダイ、レンコダイ、アオナ(アオハタ)、タカバ(マハタ)、イトヨリなど多魚種をターゲットとし、根強い人気を誇る“タイ五目”。案内している船宿もとても多く、年間通して手堅い釣果が期待できる釣りの一つだ。7月上旬、福岡県宗像 神湊港からシマノフィールドテスター 庄山英伸さんと乗船、梅雨シーズン真っ只中の玄界灘でゲーム性にこだわった釣りを展開した。
福岡宗像 神湊港から出船
午前5時30分に神湊港から出船し、約30分で水深58m前後のポイントに到着。波風強いタフコンディションの海況の中、船長がゆっくり操船しながら魚の反応を探し、ピンポイントで船をつける。
仕掛け投入のブザーが鳴ると、航行中から入念に仕掛けの準備をしていた庄山さんは、それの合図と同時にエビを付けた胴突き仕掛けを投入。また、仕掛けには中オモリを装着しているが、聞くと「これにより底で仕掛けを安定して這わせることができるので、オマツリ防止にもなるんですよ」という。
今回の庄山さんのタックルだが、竿は先調子の「ライトゲームCI4+ TYPE82 MH190 RIGHT」、リールは「フォースマスター600DH」を使用する。
仕掛けはフリーで一気に落とすのではなく、魚に違和感を与えないためにソフトタッチするイメージで底に置き、着底したら電動リールをデッドスロー(スピード=1〜2)で巻き上げる。これが誘い上げというもので、目安として底から2mくらいまでがよいとのこと。すると、1投目から早くも小刻みなアタリがでた。“アタリがでた”と判断できるのは、繊細かつ高感度な竿先を備えたライトゲームCI4+だからこそ。目感度で第三者にまでそれを伝えてしまう。ここで確実にフッキングを1、2回入れる庄山さんだが、まだ取り込むための巻き上げには入らない。「1尾目のアタリをとらえて竿に乗せました。2尾目も乗せてみましょう。2尾を確実に掛け、竿に乗せていくところにゲーム性があるんです」という。次も絶妙のタイミングでアワセが決まり、「フォースマスター600DH」に搭載されているタッチドライブを、左手の親指で易しくコントロールしスムーズに巻き上げる。左手のみの軽快な操作で海面を割ったのは良型レンコダイ。
ライトゲームCI4+ &
フォースマスター600DHで
誘い上げ“掛けて乗せる”
釣法を展開
ここでエサについて聞いてみると「エビの尻尾は必ず切ることが重要です。そのままハリを刺すと、海中でエビが回転するので魚がまったく喰いません。どの魚に対してもそうです。もちろん釣果にも差が出ますよ」という。さらに面白いものを見せてくれた。魚の喰いはとても活発で2連、3連、4連と中大型レンコダイを掛け続けているのだが、デッドスローでの誘い上げを止めた途端、魚は1尾も喰ってこなくなった。仕掛けを上げるとエビも取られておらず、喰いついた痕跡すらない。再び仕掛けを落として誘い上げを開始すると、これまで通り喰いだした。これだけで庄山さんの釣法が正解だと分かる。
中大型レンコ主体に
ハイペースで数伸ばす
開始から約3時間、スタンディングで釣り続け、レンコダイは早々と50尾を超え、すでにクーラーは満タンで足元の流水イケスも一杯。釣ったら丁寧にシメながらも手返しは早く、1尾のアタリに対して“掛けて乗せる”釣りを展開した結果が短時間で出た。
ここで、「この竿とリールを使ってちょっと釣ってみてください」と、記者に竿を渡す庄山さん。これまで見てきた庄山さんの一連の動作を試すと、1投目が着底してすぐにアタリがでて、反射的にアワセを入れて竿に乗った。驚いたのが、ライトゲームCI4+ TYPE82 MH190 RIGHTの竿先から、手元どころか左腕全体にまでレンコダイ1尾(手の平級)のアタリが伝わってきた。水深58mからの魚信だが、まるでもっと浅場でアタってきたように錯覚するほど。フォースマスター600DHの操作も左手親指で軽く押してスピードをコントロールするだけ。ビギナーでも扱いやすい仕様になっている。
当日は、船を小まめに移動させ魚の群れの上につける船長の思惑と操船技術、庄山さんの繊細なテクニックが合致したことが好釣果に結び付いた。
この夏から、ゲーム性を取り入れたタイ五目で、これまでとはひと味違った釣り方で1尾1尾の価値を上げて楽しんでみてはいかがだろうか。