2018.4.2

低水温期の人気ターゲット・カレイを釣りたい! [ 日置 淳 ]

Vol.3 カレイ釣り・一連の手順

潮回りと時合について

潮の変わり目はチャンス

どんなに釣況がよいときでも、カレイが一日中釣れ続けるのは稀です。シロギスや真鯛も潮によって喰いが変わりますが、カレイはより潮に敏感な魚で、時合もハッキリしているように思います。
私の経験では、満潮を挟んだ上げ8分から下げにかけてなど、潮位が高い時間帯にアタリが集中します。場所によっては干潮から上げに入ったときにパタパタッと喰ってくることもあります。

潮の動き始めや止まりかけといった潮の変わり目は、潮回りに関係なくカレイが口を使うチャンスタイムなので、釣行前には必ずタイドグラフで潮位を確認したいものです。

干満差が小さい日本海では、比較的時合が長く続く傾向がありますが、潮位差が小さいなかでもわずかに潮が動いただけでも、カレイの活性が上がることがあります。

満潮からの下げっぱな、干潮からの上げっぱなといった潮の変わり目は好時合。集中して竿を出すようにしましょう。

朝夕のマヅメ時は集中して竿を出す

潮の変わり目と並ぶ好時合は、朝夕のマヅメ時です。薄暮の時間帯はカレイの活性が上がりやすいようで、これに満潮が重なれば申し分ありません。このような好条件下では、マヅメ前後の2~3時間だけに絞って竿を出すこともあります。

常夜灯が海面を照らすような場所では、夜になってから時合が来ることもあります。暗くなってから満潮を迎えるような日は、日没後も粘ってみるのもよいでしょう。

今回の撮影は早朝にスタートしましたが、あえて前日に釣り場へ入って、夜の満潮前後を狙ってみました。常夜灯の周りを攻めたこともあってか、上げいっぱいから潮が下げ始めた途端にアタリが連発し、3尾のカレイを仕留めることができました。

朝夕のマヅメ時も潮回りに関係なくカレイが口を使う時間帯。これに満潮が重なれば言うことはありません。

具体的な攻め方

竿は2~4本の置き竿が基本

カレイ釣りはポイントで仕掛けを止め、置き竿で狙うのが基本です。私の場合、平均して2~4本の竿を出します。まずは4本の竿で、いくつかのポイントに仕掛けを投げ分けるか、異なるエサをつけるかして、ポイントや当たりエサをサーチします。ポイントを探るためには竿数が多いほど有利に思えますが、あまり多くても管理が行き届きません。

アタリが多いときは竿数を2本まで減らし、手返しの早さを優先します。カレイの活性が高いときは、エサをつけて投入するまでの間に、もう1本の竿にアタリがくるようなこともあり、かなり忙しい釣りになります。

万全を期すという意味ではタックルを多く準備するのに越したことはありませんが、あまり欲張りすぎると釣りが粗くなってしまうので注意しましょう。

カレイ釣りは2~4本のタックルで置き竿にして狙うのが一般的。アタリが多いときは竿数を減らして手返しを早めましょう。

アタリの出方は様々

カレイのアタリは、大きく穂先を揺らすものからフッと糸フケを出すだけのものなど様々です。カレイは真鯛のようにエサを喰って走ったり、シロギスのように泳ぎながらエサを喰う魚ではないので、総じてアタリは小さめです。エサを喰ったあと、泳ぎ始めてからようやく穂先にアタリが出るため、じっくりと喰い込ませることを意識しましょう。遅合わせのためか、2本バリの両方を咥えていることが多いのもカレイ釣りの特徴です。

エサを口にしたカレイがアタリを出すためには、重いオモリを引きずらなければならないので、穂先に出るアタリが重々しいほど、またフワッと弛む糸フケが大きいほど、良型である可能性が高まります。エサを咥えた前アタリから喰い込ませていき、本アタリを待つときのドキドキがカレイ釣りの醍醐味ともいえるでしょう。
真鯛釣りではリールのドラグを緩めてアタリを待ちますが、カレイ釣りではドラグを締め込んで、穂先をガツンと揺らすアタリを楽しむのもよいでしょう。

竿先に出るカレイのアタリは様々。微妙なアタリをキャッチしてじっくり喰い込ませます。

状況による上手な立ち回り方

距離を攻め分けるか横を探るか

仕掛けの投入点は海底の地形、すなわちポイントの状況によって変え、効率よくカレイを喰わせるよう心掛けています。たとえばカケアガリが幾重にもなっていて、狙い所がたくさんある場所では、仕掛けを遠近に投げ分けて最もアタリが多いポイントを探します。この場合は仕掛けを大きく動かしても次のカケアガリに止められるので、比較的大きな誘いを多用します。

逆にカケアガリが少ないときは一定の距離で扇状に仕掛けを投入し、横方向へ広く探るようにします。
カケアガリが狭い場所では大きな誘いは控えるようにし、エサがポイントから外れないことを第一に考えます。狭いポイントに仕掛けを集めるときは、仕掛けごとにエサの種類を変えるなどすると、その日の当たりエサが早く見つかるはずです。

潮が速いときは、流された仕掛けが止まった場所がポイントです。このような場所では仕掛けの感覚を可能な限り開けるなどして、オマツリを防ぐようにしましょう。あまりにもオマツリが多いときは、竿数を減らすのもよい方法です。

距離を攻め分けるか横を広く探るかは海底の地形によって判断します。効率よくポイントと当たりエサをサーチしましょう。

打ち返しはカレイの活性とエサ取り次第

カレイの活性が高いときをはじめ、潮の上げ止まりや下げっぱななど、カレイの活性が高まるであろうと予測した時間帯は、仕掛けの打ち返しや誘いの頻度を上げ、より強くエサの存在をアピールするようにしています。
エサ取りが多いときは、打ち返しのサイクルを早めてエサの状態をこまめにチェックするようにしましょう。極端にエサ取りが多いときは、忙しくて座る間もないほどです。
逆にエサ取りが少ないときは打ち返しの回数を抑え、時合と思われる時間帯には細かく誘いを入れるとよいでしょう。フワリと舞うエサはカレイの目に入りやすいためか、誘いを入れた直後にアタリが出ることも少なくありません。

カレイの活性が高いときやエサ取りが多いときは、こまめに仕掛けを打ち返してエサの有無をチェックします。

釣れないときの一工夫

カレイの活性が低いときは匂いの強いエサ

カレイが喰わない理由は、エサ取りが多すぎたり、カレイの活性が低いなど多々あります。エサ取りが少なく、カレイが喰い渋っている場合は、本虫など匂いの強いエサをメインに使うと効果があります。

エサ取りが多いときは、カレイにもそこそこの活性を見込めます。そもそも、カレイは潮や時間帯によって活性が高まる魚で、一日中釣れ続く魚ではありません。エサ取りが多くてもいずれ時合が来ると信じ、潮位などに応じて攻めにメリハリを付けつつも、根気よく仕掛けを打ち返すようにしましょう。

カレイ釣りの定番エサである本虫(=イワイソメ/左)とアオイソメ(右)。カレイの活性が低いときは、匂いの強い本虫が有効です。

ポイントを広く探れるときは積極的に誘う

匂いの強いエサで食性に訴えても効果がない場合は、誘いによって視覚でアピールするとよいでしょう。
ポイントが広く、ある程度探れる場所では積極的にエサを動かし、カレイにエサを見つけてもらう機会をできるだけ多く作ることを心掛けましょう。

エサをローテーションして効果がないときは、こまめに誘いを入れてカレイにエサを見せます。
誘いを入れた直後にアタリがあることも少なくありません。