2018.3.5
全国各地に棲息するカレイ。ターゲットとなるカレイは何種もいますし、釣り場の環境も場所によって様々なので、エサも地方によっていろんなものが使われています。なかには流通が限られたものがあり、一般に入手しづらいものもあります。
本州でマコガレイ、イシガレイを狙う場合、エサは本虫(イワイソメ)とアオイソメが定番といえるでしょう。流通が安定しており、価格も手頃。私もこの2つは必ず用意しています。本虫はカレイ狙いにおいて万能のエサであり、マコガレイやイシガレイ以外にも有効です。本虫の武器は「匂い」です。ハリ付けした本虫からしみ出る体液には、遠くからでもカレイを寄せる匂いがあるようです。
これに対し、アオイソメは動きでカレイにアピールするエサです。海釣りで使う虫エサとしては最もポピュラーなアオイソメですが、カレイ狙いにおいてもその実力は遺憾なく発揮されます。本虫の匂いにつられて寄ってきたカレイが、アオイソメのクネクネした動きに刺激され、思わず喰いついてしまうのでしょう。
これ以外にエサ屋さんにあれば買っていくものはコガネムシです。赤味を帯びた体色がよいのか理由は定かでありませんが、私がよく釣行する大阪湾や淡路島、徳島あたりではかなりの実績があります。以前に釣行した仙台では「イシガレイの大型を狙うならコガネムシだよ」とエサ屋さんに勧められたこともあるので、地域によっては特効的なエサとして認知されているようです。本虫やアオイソメでアタリがないときに、目先を変える意味でも重宝します。
このほかでは、チヌ釣りではおなじみのボケもよく使います。2〜3cmの小型を4〜5匹ほど数珠掛けにしたもので、47〜48cmの良型を釣り上げたことがあります。地域によっては貝類もよく使われています。私自身も北海道ではホタテ貝のヒモをエサにして数釣りを楽しみました。
本虫は適当な長さに切り、アオイソメは切らずに房掛けにするのが基本です。こうすることで本虫の体液から発する匂いと、アオイソメの動きを活かすことができるのです。一般的な2本バリ仕掛けの場合は、本虫とアオイソメをそれぞれのハリに付け、カレイの反応を見てエサをローテーションしていきます。
それぞれのハリに本虫とアオイソメを単体で付けるほかに、ミックス掛けにする方法もあります。
これは短く切った本虫をチモト付近までこき上げ、その下にアオイソメを房掛けにする装餌法で、本虫の匂いとアオイソメの動きを同時に得られます。段差仕掛けの場合は上下のハリに本虫とアオイソメを振り分けますが、ミックス掛けよりもエサを大きく見せられるというメリットがあります。コガネムシは5cmほどの長さに切ってハリ付けします。
ハリスまでこき上げてハリ先を出し、まっすぐにするのがコツです。
カレイは平べったい図体からは想像できないほど移動の早い魚で、タイミングを外すとアタリすらないということもあります。その一方で、群れが入っていればシロギスほど喰いにムラはなく、直近の情報がかなりのレベルで信用できるターゲットでもあります。
私は自分の実績や周りの釣果など過去のデータから傾向を読み取って、それを元に釣行場所を絞り込みます。釣れ始めが早い地域があれば、比較的遅くまで釣れ続ける場所もあります。何月のこの潮回りならここ、といった目安がありますので、これである程度釣り場を絞り込み、あとは直近の情報を収集したうえで、最も可能性が高い場所へ行くようにしています。カレイ釣りを始めたばかりで情報源が少ない方は、エサ屋さんのサイトや新聞などで、どこが釣れているかを調べるとよいでしょう。
釣行前の情報収集は、可能な限り綿密に行うようにしましょう。特に晩秋〜初冬の乗っ込みシーズンは、それまで荒喰いしていたのにもかかわらず、産卵に入った途端にバタッと喰わなくなることがあるので注意が必要です。
場所が決まれば、あとは当日の天気です。カレイの釣期は季節風が吹き荒れる季節と重なるので、できるだけ風の影響が少ない場所を選びましょう。
朝夕のマヅメ時は、潮回りに関係なく喰う時間帯です。
それまでアタリがなくても、薄暗くなってからバタバタ喰うことがあるので、この時間帯はぜひともプランに組み入れたいところです。あとは干満が入れ替わる潮の変わり目もチャンスです。場所によっては干底の時間帯にアタリが集中するので、潮時は必ずチェックするようにしましょう。
逆に潮に何の変化もない時間帯は望み薄。時合をある程度読めるようになってきたら、タイドグラフを見たうえで期待を持てない時間帯は休んで体力を温存し、ここぞという時間帯に集中して竿を出すとよいでしょう。
釣り場に入ったら、海をよく観察することから始めます。流れがぶつかる潮目やヨレ、反転流などはエサが溜まりやすい好ポイント。まずはこのような潮に変化のある場所を見つけることです。
潮以外にも、目で見て得られる情報はたくさんあります、例えば漁港周りなら、航路筋にはカケアガリがあると推測できます。定置網があるならば、その周辺は何らかの理由で魚が寄りやすい場所であることがわかります。
潮や地形の変化をある程度サーチできたら、実際に仕掛けを投入して海底の地形を調べます。カケアガリがあれば、そこは最も有望なカレイポイントです。シモリ(沈み根)の際が好ポイントになることもあります。
海底の起伏を調べる際は、底質の違いについても意識しましょう。マコガレイはオモリを引くと柔らかく感じる砂泥地を好みます。イシガレイはどちらかというと砂利底でよく喰ってきます。
砂地や砂礫底、砂利底の境目といった底質の変化も見逃せないポイントです。このような場所は潮通しがよく、カレイ以外にシロギスもよく釣れるポイントです。
vol.3に続く