▲ 平日なれど大盛況の剣崎松輪港
20~40キロのキハダで盛り上がる相模湾。コマセ釣りもエビングも、これから10月にかけてがクライマックスだ。
8月下旬、意気揚々と松本が乗船したのは三浦半島剣崎松輪港・一義丸の第二十二号船。北風幸人船長いわく、
「最近、古野電気の最新プロ用魚探に付け替えて、探見丸システムも利用可能にしました。私が見ているメイン魚探と同じ画像が発信されるので、繊細な画像をぜひ楽しんでほしいです。探見丸CV-FISH、探見丸SMARTとも全対応ですよ!」とのこと。
親機となる同船のプロ用魚探は、最先端のチャープ式振動子を搭載したもので、非常に識別能力が高い。たとえば従来器機が一かたまりで映し出していた魚群を、ときとして1尾ずつ分離し表示する性能を誇る。
精緻な画像が無線通信でそのまま釣り人の探見丸に映り、場合によっては「今船下を10本のキハダが通過した」なんてことも分かってしまうのだ。
その映像に目を丸くしながら、この日のキハダクルーズは続いた。
▲ キハダを確実に取るために開発されたBANDITキハダ。松本は190をコマセ釣り用に、170は電動エビング用に使用。170は「手持ちでアタリ即アワせ」のコマセ釣り派にもマッチする
▲ コマセ釣りはパワー&耐久性を向上させたNEWビーストマスター 6000、電動エビングはビーストマスター 3000XSで勝負!
松本はバンディットキハダ 190と170に、NEWビーストマスター 6000と3000XSを各々セット。前者はオーソドックスなコマセ釣り用、ショートレングスかつ軽量で誘いやすい後者は電動エビング用である。
当日一番の船団が形成されたのは、茅ケ崎沖4番パヤオの2キロ圏内。
船下に魚群がバッチリ入る様子もここで探見丸に映った……のだが、エサ釣りもエビングもキハダはスルー。加えてお昼までに松本を含む数名にキハダらしきアタリは数回あったものの、アワせが決まらず瞬殺のハリス切れやオマツリでおじゃん。
そして沖揚がりまで40分、最後の勝負だ。城ケ島沖に移動した船長は、ソナーにウヨウヨ映っているキハダの群れを懸命に追いかける。
Situation・状況
鮮明な魚探反応に燃えるも瞬殺とバラシに苦戦
最新親機からの探見丸受信画面
▲ 水深34~36メートルの赤い横帯はコマセカゴ。周囲にコマセが拡散し、その下方にキハダの赤い単体反応がある。色鮮やかでドットが細かく、水温表示対応もうれしい。なお、海面下20メートルまでのグラデーションは当日表層を覆っていた汚れ。
▲ 親機に記録された過去画面を拝見。いずれも入れ喰いタイムで、左はコマセカゴ付近まで上昇するキハダ、右はコマセに狂乱して群がるキハダ&カツオ。これと同等の画像が探見丸に転送される
▲ 当日のタナは海面から20~40メートルの範囲。また、終盤は城ケ島西沖パヤオ付近で勝負した
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▲ 電動エビングにヒット! しかしオマツリでバレてしまった……
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▲ オカジーこと岡島さんのビーストマスター 3000XSがうなる。もちろん探見丸CV-FlSHも愛用!
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▲ 電動エビングはワームのほか、写真の特製バケも試釣したが不発。普通のオモリ80号を使うのも松本流だ
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▲ コマセ釣りで23.5キロのキハダ。安堵しながらニンマリする岡島さん
▲ 「悔しいのでお盆に釣ったこの写真入れて!」と松本(笑)。ここ一義丸にて、コマセ釣りでゲットした29キロ
ここでミヨシの2人にドン! 片やカツオだったが、もう一人のベテラン岡島さんのほうは間違いなくキハダの引きだ。PE6号を巻いた岡島さんの愛機・ビーストマスター3000XSのパワーでガンガン引き寄せ、ついに海面に現れたキハダは23.5キロ。
松本も貴重なこの1本に拍手を贈り、沖揚がりとなった。そんなわけで今回はスペシャルな親機から発信された、探見丸の精細なキハダ反応を次で紹介してみたい。
Strategy・戦略
激熱タイムのキーワードは上へと浮いてくるキハダ反応
探見丸に映るキハダのワンシーン
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【画像A】キハダが通過した直後
水深40メートルの画面右端から伸びてきた横帯は、タナ取りしたコマセカゴ。その下の赤い単体反応がキハダだ。ただしこれは船下を通過した直後の残像なので、この反応が出る前にコマセを振り、的確にタナを取ってキハダを待ち受けることが大切。反応が出てからでは遅い、というわけだ。 -
【画像B】喰い上げて突っ込む?
横帯(コマセカゴの位置)の途中に、反射の強い上昇→下降反応がある。ちょうどこのときハリスを切られて瞬殺に泣いた人がいたから、喰い上げるようにエサを飲み、反転したキハダかもしれない。
キハダの動きで喰い気が読める!
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【画像C】沈む反応
指示ダナは38~40メートル。しかし最初水深45メートル付近にいたキハダは仕掛けを嫌うように沈み、1分後には70メートル前後まで落ちて姿を消してしまった。興味を示して一時足を止めてはいるけれど「怪しいぞ」と察している、釣り難い状況。 -
【画像D】浮く反応
横帯はコマセカゴで左端の雲っぽい反応は拡散するコマセ。当初沈んでしまったキハダが途中から再浮上しているが、どうやらエビングを試していた松本の仕掛けを追いかけていたらしい。このように浮いてくる個体は喰い気があり、攻略するチャンスだ。
▲ 悔しいからこそ次がある。そう自分に言い聞かせる松本
探見丸には表層20メートルに滞留する濁りが映っている。そのせいか濁りを嫌うカツオも少なく、先ほどの「過去の親機画像」のようなコマセに群がる派手な反応もなし。食欲もなさげなキハダは悠然と船下を通過し、たまにオキアミに口を使う程度だった。
そこで松本は、誘いでアピールする電動エビングにかなりの時間を割き、あと一歩で喰いそうだった瞬間が上の「画像D」になる。
松本は深みにいるキハダを探見丸で確認し、ワームをセットしたエビング仕掛けを水深60メートル付近から誘い上げた。するとそれを追うキハダの単体反応が刻々と映し出されたのだ。
「浮上するキハダは喰い気がある証拠。でもこれは喰わせ切れなかったなぁ……」。ぼやきながらも松本は”浮上するキハダは喰う!„というキーワードを口にした。そのチャンスを教えてくれるのが探見丸なのだ。
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【撮影協力】三浦半島剣崎松輪港・一義丸 |