▲ 釣り場の一つがこのエボシ岩周り。梅雨雲に覆われた、ナギのイカ釣り日和
半年にわたって釣れ続く相模湾のマルイカが依然順調だ。6月半ば以降は水深20~50メートルの浅場に乗り上げてまさに夏マルシーズンも佳境、この勢いなら8月初旬まで楽しめるだろう。
ところで、とかくイカ類は魚探に映りにくい……といわれるが、「マルイカはイカの中でも比較的はっきり映る」と船長たちは言う。
鈴木孝が乗船した茅ケ崎港・沖右衛門丸の中村啓明船長も同意見で「浅場に回る夏場はさらに反応が鮮明。魚群のように赤く出ます」とのこと。探見丸CV-FlSH、探見丸スマート、ACCU-FISH®機能までフル装備のこの船で、どんな映像が映し出されるのか楽しみだ。
さっそく真沖のエボシ岩からサク根の周り、水深20~30メートルを探査。根際からガッチガチの根に突っ込んでいくと、険しい岩礁帯の一角に真っ赤な反応が出現した。
▲ スッテはチビエビ3.5を各色。アシストは2.5~3メートルと長めにし、浮いたマルイカを狙うのが鈴木流。オモリは主に30号を使用
▲ 今期、深場から浅場まで活躍している鈴木の愛用タックルは、バイオインパクト マルイカ82 SS165&ベイゲーム 150DHの組み合わせ
Situation・状況
根掛かり注意の岩礁帯にいる浅場のミニ・マルイカと勝負!
探見丸のメリット一例
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▲ 浅場の釣りは「タイドグラフ」表示機能で、潮の変わり目をチェック。当日は干潮直前の6時半前後、満潮直前の12時前後によく乗った
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▲ カサゴポイントのような険しい根の中も攻めていく。その起伏をつぶさに確認できる探見丸があれば「根掛かりロスト」をかなり回避できる
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▲ いい群れに当たれば一荷も。探見丸を活用し、チャンスを逃さない鈴木
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▲ 待たずに攻めまくる鈴木流のゼロテン釣法で、数を重ねていく
岩礁域でのゼロテン釣法
▲ 根掛かりを避けるため、当日は「軽くオモリを立てて」のゼロテン釣法。❶タタキ、❷止めて1秒待ち、❸アタリ即アワせ、❹空振りしたらすかさず3~5メートル巻き落とし……というスタイルはいつもどおりだ
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▲ 排水口のついたステンレス製の「冷えキントレー」もイカ釣りファンに人気。段重ね可能で、上段のトレーに氷を置いてフタをすれば冷え冷えで鮮度抜群
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使用タックル製品情報
「底から少し浮いてるのがマルイカの群れ。探見丸にも映ってますね!」と船長。と同時に鈴木がいつものゼロテン釣法を駆使して、この時期らしい胴長10~12センチのミニマルを乗せる。
船を反応にあて直すと皆さんにもポツポツ。よく乗るスッテは下から2~3番目が主で、色は関係ないようだ。
また試しに今回も魚体長が分かるACCU-FISH®機能をオン。第25話で「それらしき表示」を初公開したように、浅場でもマルイカと思しき反応の体長を表示するのだろうか?
探見丸に映し出された様ざまな局面のユニークな反応、そしてACCU-FISH®の効能については次でお楽しみいただきたい。
当日は15名が乗船し、ムギイカ2割を交えて3~47杯。2番手26杯に大差をつけてのトップは、左舷トモ2番の鈴木孝だった。
「険しい根周りを攻める夏マルも、探見丸で岩礁の起伏が分かるから根掛かり回避につながります。おかげで今日も、根掛かりは一度だけですみましたよ」……そうは言いつつも失ったオモリはタングステン製。ちょっぴり悔しそうに苦笑いした。
Strategy・戦略
浅場の反応は驚くほど鮮明 10cm台はやっぱりマルか!?
探見丸に表示されるマルイカの激アツ反応
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【画像A】真っ赤なマルイカ反応
底上1~5メートルの範囲を埋め尽くす赤い帯は「すべてマルイカ」と船長。正直なところ、うっすらとしか映らないと信じ込んでいたイカ反応の既成概念をひっくり返された。 -
【画像B】ACCU-FISH®の数値
ACCU-FISH®が表示する大きさは様ざま。ただ、上記したタナの間で11~17センチの表示が散発的に現れる場所は、高い確率でマルイカがよく乗った。また画像Aのように固まった群れが、この画像のようにバラけていくと「活性が高い証」と推定。スッテに惹かれて、動き回っているのだろう。
ベイト→ムギイカ→マルイカらしき反応の一例
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【画像C】ベイトボールとムギイカ?
一瞬バタバタとムギイカが乗ったときの反応。おそらく中央の丸くて赤い反応は小魚、それを取り巻く淡い反応がムギイカだ。左端の35~37センチの反応はワカシ・イナダや小型のカンパチだろうか?フィッシュイーターに囲まれたベイトボールかもしれない。 -
【画像D】直後に現れたマルイカ
このベイトボールが過ぎ去って30~40秒後、マルイカが乗り始めたときの画像。そういえば「ムギイカとマルイカはエサを追って一緒に動き回ることがある」というが、これがその典型的な例だろうか?
▲ 当日最大は胴長15センチ。上から3番目のスッテに乗った
「うわスゴイ、浅場の反応はこんなにクッキリ出るんだなぁ!」
上記に並べた反応の数かずに驚きながらも、鈴木孝は冷静だった。なにせマルイカが小さいのでアタリが取りにくい。その対策としてアシスト(捨て糸部)の全長を2.5~3メートルに延ばし、縦糸に遊びを出すことで竿先に伝わるアタリの振幅を増幅。この戦術で着実に数をのばしていったのである。
ところで体長を表示するACCU-FISH®は、第25話と同じく10~17センチの数値がポツポツと出たところでマルイカがよく乗った。
「やはり、10センチ台の表示が出たら勝負所。ここで手早く投入を繰り返せば数ものびますね」と鈴木。まだ確信は持てないもののチャンスタイムのシグナルとして活用できそうだ。
マルイカシーズンも残り約1カ月。探見丸を相棒に、自分なりの作戦を練ってみてはどうだろう。
次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!次は東京湾のアジ! |
【撮影協力】相模湾茅ケ崎港・沖右衛門丸 |