「コマセダイの釣り座は、胴の間が好きなんですよ」
探見丸を活用した”乗っ込みマダイの攻略術„を撮影すべく乗り込んだ剣崎松輪港の大松丸で、松本は左舷胴の間に席を構えた。
理由は2つある。一つは、潮がどの方向へ流れようとも胴の間であれば大ハズレはなく、平均的にチャンスが訪れること。もう一つは、探見丸の振動子に近いので自分の仕掛け(コマセカゴ)が映りやすく、仕掛けと魚の位置を目で確認しながら戦術を錬ることが可能になるからだと言う。
兄弟でマダイ船を担当する鈴木大揮&裕喜船長が向かった釣り場は、吉野瀬と呼ぶ根周りの水深50~53メートル。
大松丸はハリス4号10メートルを推奨し、指示ダナは海面から38~40メートル。付けエサは底上2~3メートル上を漂うイメージとなる。
松本のタックルはコマセダイ専用ロッド「舳40−330」と、軽量コンパクトな小型電動リール「フォースマスター800」の組み合わせ。
「3.3メートルのロングロッドは、竿先を上下させて5メートル前後の縦幅を探れる。この時期のマダイは喰ってくるタナがシビアですから、長めの竿で喰いダナを探し当てるんです」
▲ 大きなストロークでなめらかにコマセを振り出し、タナヘ合わせる
探見丸の画面を確認しながらロングロッドの竿先を頭上まで持ち上げ、しばし止める松本。ある時間帯には竿先をゆっくりと下げて、落とし込みで喰わせる戦法をとっている。
Situation・状況
乗っ込みXデーまであと一歩の剣崎沖で「喰いダナ」を探す
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▲ 小型ながらとても美しい色味の雌ダイが浮上した
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▲ 置き竿で待つ間も探見丸を注視する松本。マダイらしき反応が現れたら、すぐさま竿を手持ちにし、付けエサをマダイの鼻先へ持っていく
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▲ オキアミは1匹掛けでOK
タイドグラフを確認
▲ マダイは潮の変わり目に活性が高まることが多い。探見丸のタイドグラフで干潮・満潮時刻を把握し、その1時間前後はとくに集中しよう。当日は干潮が8時30分で、その直前の1時間がチャンスタイムだった
▲ 長くしなやかな舳40−330。置き竿時も船の揺れを吸収し、マダイの喰いをうながす
こうして松本が手にしたのは、華やかな体色のとても美しい雌のマダイ。1キロに欠ける小型ながら、
「この体色から見て、乗っ込みまでもう一息という感じ。大ダイが連発し始めるこれからが楽しみですね」と松本は目尻を下げた。
入れ喰いもあれば、一転して口を使わない日もある気まぐれな乗っ込みのマダイ。しかし水深、魚の反応、仕掛けの位置を随時チェックできる探見丸があれば、マダイの喰いダナを探し出すツールとして活躍してくれる。
「うまい具合に付けエサがマダイの鼻先へ近づけば、一人勝ちもある」と言う松本。その具体例は次でお楽しみいただきたい。
Strategy・戦略
探見丸でマダイの位置を確認し喰いダナを絞り込んでいく
浮き上がる反応と喰いダナの探し方
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チャンス時の反応
▲ マダイらしき単体魚(黄色)が底から5メートル以上浮いてきた。付けエサを持ち上げて喰わせるチャンスだ。
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コマセカゴと魚の反応
▲ 長い横帯はコマセカゴ、その下6メートルが単体魚の反応。仕掛けを上げて喰わせようとする軌跡が分かる画像。
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松本のロッド操作
▲ 竿を立て、しばし止めてアタリを聞く。続いてジワジワと竿先を下げていき、喰いダナを探ってみる。
浮かない反応は落とし込みで攻略
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底スレスレの反応
▲ 黄色い横帯はコマセカゴの反応。魚の反応は底近くにあり、浮いてくる気配はなさそうだ。
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落とし込みの魚探画像
▲ 浮かない魚に「落とし込み」で対処したときの画像。2~3メートル下がったコマセカゴの軌跡が視認できる。
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松本のロッド操作
▲ ゆっくりと竿先を下げていき、真下に向けて30秒待つ。鼻先に落ちてきたエサにマダイが反応することもある。
「探見丸の最大の強味は、マダイの泳層が視認できること。そこへ付けエサを合わせていけばヒット率は高まります」と松本は言う。上画像のように、魚が浮けば付けエサを浮かせ、底スレスレならマダイの鼻先へ付けエサを落とし込んでみるといい。
竿の操作だけでアタリが出ないときは次の手を打つ。
底潮で付けエサが吹き上がっているかもしれないと想定し、ハリスを長くしてみたり、チモトの上にガン玉を打って強制的に沈めてみるといった対策を試すのだ。
こうしていち早く「喰いダナ」をつかめば、あとはマダイとの心地いいヤリトリが待っている。
「以前、胴の間で4~5枚を連発したときは、最高の気分でした」と熱く語る松本。理論的かつ攻撃的な釣りを目指す釣り人に、探見丸は欠かせない相棒になってくれるはずだ。
次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!次はアオリイカを予定! |
【撮影協力】三浦半島剣崎松輪港・大松丸 |