第12話
東京湾のイシモチ攻略
~探見丸でイシモチの反応を判別~

シマノのモバイル魚群探知器「探見丸」を
使いこなして、沖釣りをもっと楽しく!
それが「もっと!探見丸」のコンセプト。
今回は東京湾のイシモチを、探見丸CV-FlSH を駆使して
シマノフィールドテスター・松本圭一が攻略。
テーマは海底スレスレを游ぐイシモチの反応を判別するコツだ。

※探見丸は親機が搭載された船でご使用ください。親機がない船では使用できません。
※Tankenmaru SMARTは、Wi-fi対応のNEWアンテナを搭載した遊漁船のみでご使用になれます。
また、タブレット型の端末には対応していません。

取材日は春の陽気。
のんびりと心地のいいイシモチ釣りが楽しめた

 東京湾にはのんびりと、日なたぼっこ気分で遊べる釣り物がある。横浜~横須賀沖で楽しめるイシモチ(標準和名シログチ)だ。喰いが立てばバリバリ釣れて、ガクガクグングン引きも強烈。ビギナーやお子様連れの沖釣り入門にもおすすめといえる。

 探見丸CV-FISHを携えて松本圭一が訪れたのは、5月の連休までショート・イシモチ乗合を出船する東京湾奥金沢漁港の鴨下丸。

 「そういえば探見丸に映るイシモチの反応は、まだ未確認。私自身、どんなふうに出るのか興味津々ですよ」

 出船時、松本が気にするその反応を高山将彦船長に聞いてみると、

 「イシモチの遊泳層は低くて底から30センチ、高くて1メートルほど。注意深く見ていれば、反応は分かるでしょう」とのこと。

Situation・状況
底スレスレを泳いでいるイシモチの反応を見極めたい

タイドグラフで時合を読む

▲ イシモチは潮の動きに敏感で、下げ潮の効き始めや、上げ潮に転じた直後が狙い目。探見丸のタイドグラフで時合を読み、底上1メートルの範囲に現れる反応を注視しよう。

▲ オモリは30号。鴨下丸特製の船宿仕掛けも販売中

▲ アオイソメは1匹掛け。長いものは8~9センチにカット

▲ 竿はリアランサーメバルSS270とS270、リールはベイゲーム150HGとバルケッタ300HGを用意


 当日の釣り場は横浜港の真沖、水深20~25メートル。広大な砂泥地に小さな根が散在し、付近一帯にイシモチの群れが回っているようだ。

 アオイソメを1匹付けにしたイシモチ用の胴つき仕掛けを下ろし、オモリが底に着いては離れるくらいにタナを取る松本。時どきゆっくりと竿先を持ち上げては元に戻し、イシモチに付けエサをアピールする。

 松本が持参した竿はリアランサーメバルSS270と、同S270。ウネリがあれば軟らかなSS270で跳ね上がりを抑え、ベタナギならS270を使用する作戦だったが、波の有無にかかわらず喰いがよかったのは前者だった。違和感を感じるとエサの端だけかじって逃げてしまうイシモチには、喰い込みのいいリアランサーメバルSS270がベスト・マッチのようだ。

 開始時はやや喰い渋っていたイシモチも、下げ潮が効き始めると徐々に活性が高まっていく。

 「イシモチの反応が出始めたよ」との船長の声に、松本も海底スレスレに映るその反応を見極めようと探見丸の機能設定を変更して対処。船下を通過するイシモチを目で楽しみながら、軟らかなロッドをグイグイ引き込むイシモチの釣趣を満喫した。

  • 潮が効き始めると探見丸にイシモチの反応が映り始め、次つぎと喰いついた

  • 軟らかなメバル竿のおかげでイシモチの引き味も倍増!

  • ベテランさんは一荷を達成。水温の上昇とともにさらに喰いが上向くので楽しみだ

▲ 金色に輝く極上のマアジも交じった

濃い反応はアジなどの魚

▲ 底から2~3メートルに真っ赤な反応が通過。こうした濃厚な反応はアジやコノシロなどほかの魚群だ。イシモチは黄色や青色など「薄い反応が多い」とは船長のアドバイス



 松本が確認したイシモチの反応と機能設定のコツについては、次をご覧いただきたい。

Strategy・戦略
ボトムラインで反応を分離フィッシュ・アラームも活用

ボトムラインを境界に反応を識別

  • ボトムラインの設定

    ▲ 機能設定でボトムラインをONにすると海底を示すラインを表示。ライン上側に映る反応は「魚」と考えられる。

  • 通常のイシモチ反応

    ▲ 底から少し浮いた青色の反応、さらにボトムラインに接する黄色い反応も底スレスレを泳ぐイシモチと推定。

  • 高活性時のイシモチ反応

    ▲ イシモチの喰いが立つ時間帯は、底上1メートルの範囲に黄色や青色の反応が頻繁に出現。数をのばすチャンス!

フィッシュ・アラームを併用する

  • アラームの設定

    ▲ 機能設定の「魚群♪」をON。魚が通過するとピピピという音で知らせる機能だ。画面右端には魚マークも点滅する。

  • 音が鳴ったら泳層に注目

    ▲ アラームが鳴ったら、画面右端の反応(船下の最新情報)に注目。泳層が底上1メートル以内ならイシモチかも!?

  • 魚マークの意味

    ▲ 反応を拾うと水深スケールの右側に魚マークも出現。その位置が魚の泳層で、底上1メートル以内かどうかが明確に分かる

▲ 小型はリリースしつつ20尾以上を釣り上げた松本

 底近くを遊泳するイシモチの反応は、海底と同化して判別が難しい。

その対策として松本が設定した便利な機能が、海底ラインをトレースする「ボトムライン」と、魚の存在を音で知らせてくれる「フィッシュアラーム」だ。

 とくに「線」を境界として海底と魚の反応を分離してくれるボトムラインは、参考画像のように非常に有効。底上30センチに浮いたイシモチらしき反応も確認できる。

 加えてフィッシュアラーム機能を併用すれば、底スレスレの反応が魚かどうかを判別する第2のチェック機能として作用する。もちろんイシモチ以外の魚群が通過してもアラーム音は鳴るので、魚が遊泳するタナを見て、魚種を推測しながら楽しんでほしい。

 探見丸を活用すればイシモチと対話するような感覚で一日が過ごせる。穏やかな春の海で、ぜひお試しを。


次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!

次は乗っ込みマダイを予定!

【撮影協力】東京湾奥金沢漁港・鴨下丸
TEL:045-781-8410
(探見丸CV-FlSH対応船)