第10話
東京湾のアカメ(ヒガンフグ)攻略
~海底地形と魚の寄り場~

シマノのモバイル魚群探知器「探見丸」を
使いこなして、沖釣りをもっと楽しく!
それが「もっと!探見丸」のコンセプト。
今回は探見丸CV-FlSH を使用して、
シマノインストラクター・鈴木孝が東京湾のアカメ(ヒガンフグ)の楽しみ方を指南。
テーマは「海底地形と寄り場」の見極め方だ。

※探見丸は親機が搭載された船でご使用ください。親機がない船では使用できません。
※Tankenmaru SMARTは、Wi-fi対応のNEWアンテナを搭載した遊漁船のみでご使用になれます。
また、タブレット型の端末には対応していません。

▲ 吉野屋は冬の釣り物も豊富。中でもフグ船は人気が高い

「新年ということで、ふく(福)釣りといきましょう」

 探見丸CV-FISHを携えて、東京湾奥浦安・吉野屋のフグ乗合に意気揚々と乗り込む鈴木孝。

▲ エサは定番のアルゼンチンアカエビ

 同宿は釣況によってショウサイフグやトラフグなども狙っているが、冬期はアカメ(標準和名ヒガンフグ)をメインに出船中。取材日は、アカメ(ヒガンフグ)が好調な本牧沖へ走って、水深5~30メートルの根周りや護岸堤の際を転々と攻める展開になった。

 フグというと宙層に多数群れるイメージが強いかもしれないが、アカメ(ヒガンフグ)はまるで違う。カサゴやアイナメなどと重なる浅い根周りに着き、貝類やエビ・カニ類をついばんでいる。しかも底スレスレを遊泳するせいか、

 「アカメ(ヒガンフグ)の反応は、ほとんど魚探には出ません」と田島大策船長は言う。

 では、鈴木は探見丸で何を見ているのだろうか?

Situation・状況
魚探に単体反応は出ないのにポツポツ釣れるアカメ(ヒガンフグ)の不思議

▲ 勝負所で竿先に全神経を集中

アカメ(ヒガンフグ)釣り場の地形

▲ 高低差の激しい根周りの落ち込み際、カケ上がり、護岸堤の際などを攻める。画像は潮回り中に探見丸を眺めたもので、起伏に富んだ地形に眼を見張る

▲ こんなに太いアカメ(ヒガンフグ)だが、遊泳層が低いせいか魚探に映りづらい

 「最も有益なのはカットウ仕掛けの根掛かりの回避。引っ掛かりやすいカットウバリを根周りに落とす釣りですから、探見丸があれば海底が険しい場所で機敏に対応できます。もう一つ、海底地形の変化を見ながら”ここにアカメ(ヒガンフグ)が着いているんじゃないか?„と推測するのも楽しみ。勝負所が分かれば集中力も違ってきますよ」

 鈴木がその言葉を裏付けたのは、同じポイントでの2流し目。セオリーどおり底上1メートルの間で仕掛けをゆっくりと上下させていた鈴木が、ちらりと探見丸をチェックした。

 狙い澄ましたピンポイントに入ったことを確認すると、根掛かりに注意しながら一層ていねいに誘い、アタリに集中している。そして竿先が微かに揺れた瞬間、即アワせ。頭部にガッチリ掛かって上がってきたのは1キロを超すアカメ(ヒガンフグ)だった。

▲ 探見丸でここぞというポイントを把握し、右舷ミヨシで快調に釣り上げる鈴木

▲ オレンジ色の眼が通称「アカメ(ヒガンフグ)」の由来

▲ またもや文句なしの良型が浮上

  • オモリは10号の白色を使用。中通し式のカットウバリは根掛かり対策にもなる

  • 左舷胴の間で、2キロ近い特大も上がった

  • 船内釣果も2~11尾でオデコなし。釣れてる今がチャンス!

▲ 鈴木のイチおしロッドは、カワハギ用のステファーノ攻SS175。繊細な穂先と強靱な穂持ちがアカメ(ヒガンフグ)狙いにも最適!



 本牧から根岸湾の数カ所を探る間も、鈴木は探見丸を活用しながら根掛かりをかわし、チャンス所を確実に押さえていく。結果、11尾のアカメ(ヒガンフグ)を釣り上げて文句なしの竿頭で一日を終えた。

 鈴木が注視していた探見丸の画像例は次に紹介。そこには海底のわずかな変化を見逃さず、アカメ(ヒガンフグ)の寄り場を探し当てる面白さがある。

Strategy・戦略
海底のわずかな変化に注目岩と藻が混在するエリアで勝負

鈴木孝流・アカメ(ヒガンフグ)のアタリからアワせまで

1. 根掛かりに注意しつつ、底から1メートルの間を上下にゆっくり誘ってアタリを出す。極軟グラスソリッドの穂先を持つステファーノSS175は、縦横の揺れやモタレを機敏にキャッチする優れものだ

2. アタリがきたら即アワせ!アカメ(ヒガンフグ)を乗せるイメージで竿全体を持ち上げるとバラシにくい。また写真の曲がりで分かるように、ステファーノSS175特有の硬い穂持ちがハリ掛かりを確実なものにする

3. 「喰い上げバラシ」を防ぐため、大きく竿を立てながらリールを巻くのが鈴木流

良型アカメ(ヒガンフグ)を11尾。福多き一年になりそうだ

探見丸でとらえたアカメ(ヒガンフグ)の寄り場

  • ▲ 6メートルから12メートルへと落ち込む斜面の海底に、モヤモヤとした海藻のようなエリアが出現。ここで頻繁にアカメ(ヒガンフグ)のアタリが出た。

  • ▲ 根際の砂泥底を通過後、厚みのある岩盤に差しかかった場面。上面には海藻らしきがあり、ここもアカメ(ヒガンフグ)がよく釣れた。エサが豊富なピンポントといえる。

 上の2画面はアカメ(ヒガンフグ)がよくアタったピンポイントで撮影した探見丸の画像。

 斜面の途中にモヤモヤとした海藻らしきがある場所や、平場の中にある岩盤に藻が生えているようなピンポイントにアカメ(ヒガンフグ)は着いていた。もちろん、うっかりすると根掛かりしてしまう場所でもある。

 鈴木は探見丸でそんな場所をチェックし、さらに山ダテも駆使してポイントを把握。同所を流し直す場合は、ここに差しかかる手前から根掛かりに細心の注意を払い、アカメ(ヒガンフグ)のアタリに神経を集中させていた。

 探見丸を注視していると、このように海底が微妙に変化する場所に魚の寄り場があることが分かる。アカメ(ヒガンフグ)がよくアタる場所に差しかかったら探見丸で海底形状を把握して「一歩先ゆく釣り」を目指してみてほしい。


次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!

次は房総のイカor根魚の予定!

【撮影協力】東京湾奥浦安・吉野屋
TEL:047-351-2544
(探見丸CV-FlSH対応船)