▲ リールはドラグ性能に優れるオシアコンクエスト300HGで勝負
雪化粧した富士山をバックに、静かな湾内でマダイ五目に興じる。その心地よさは駿河湾最奥部に位置する沼津内浦湾ならではの魅力であり、年末年始の釣行先としても人気が高い。
探見丸CV-FlSHを手にして松本が乗船したのは、沼津久料港・魚磯丸。久保田清船長は早くから探見丸システムを導入し、現在は魚体長が分かるACCU-FISH®機能&探見丸スマートまでフル対応。当日同乗した常連さん数名も探見丸を愛用していた。
▲ 探見丸を活用してマダイ釣りを楽しむ人が多い魚磯丸
「探見丸とコマセマダイ釣法は相性抜群。タナに合わせて待ち、画面にマダイの反応が出始めたところでゆっくり数メートル落とし込むと、コン!と喰いつくこともあるんです」
楽しそうに語る松本は、右舷ミヨシで気持ちよさそうにコマセを振り出し、マダイからのシグナルを待つ。
魚磯丸の仕掛けはLサイズのコマセカゴにオモリ80号、ハリス4号10メートルが基準。マダイ釣り場は久料~大瀬崎沖の水深40~70メートルで、タナ取りは海面からの指示だ。
当日のタナは、例えば水深50メートルなら「上から33」という具合で、底上7~8メートルあたりに付けエサを漂わせるイメージ。探見丸があればこうした計算も簡単にできるから、付けエサの位置を頭に描きやすい。
開始早々、その探見丸に単体反応が次つぎに映し出され、底付近にはマダイらしき反応が出現。ここでACCU-FISH®をオンにすると、63センチの表示。これは燃える!
……しかし松本は首を傾げた。続ぞくと反応は出るのに、いくら誘いをかけてもマダイが喰いつかないのだ。
Situation・状況
マダイらしき反応が何度も出現。ところが口を使わない……!?
▲ 2キロと1.5キロの美しいマダイを釣り上げた左舷ミヨシのベテランさんも、探見丸CV-FlSH愛用者。うち1枚は「反応を見ながら、落とし込みで喰わせた」そうだ
大ダイらしきをACCU-FISH®で確認!
▲ 底上2メートル付近に出た反応を「ACCU-FISH®」モードで確認すると、魚体長63センチの表示。これは釣り人魂に火をつけます!
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よく交じるのはイナダ。時どきワラサ、ブリもヒットするので気が抜けない
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松本が手にした唯一のマダイ。もちろんリリース
▲ 初冬の名物、太ったヒラソウダもヒット。船長も「うまソウダ!」と褒めるだけあって、極上の味覚だ
▲ 5メートルほど道糸をたぐり、静かに付けエサを落とし込む松本
「秋から冬の端境期のせいで、海水温が日々不安定。今日は急に水温が下がって〝魚はいれども口を使わず〟という感じですねぇ」と、久保田船長も困り果てた様子。
結果は喰い渋りの典型的なパターンとなり、潮先の釣り座に当たった左舷ミヨシのベテランさんが1.5と2キロのマダイ2枚に、ワラサ2本を独占。背中合わせの松本は、小ダイ1枚、イナダとヒラソウダ数本に終わる。
そこで今回は、ACCU-FISH®機能の意外な活用術を次に紹介。冬期、深場に落ちたマダイ攻略で試してみてほしい。
Strategy・戦略
深みの単体魚を浮き彫りにするACCU-FISH®機能
ACCU-FISH®ON時はコマセカゴに要注意
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▲ カゴの中に「コマセや泡」が入っているとACCU-FISH®が魚と誤認識することも。カゴの軌跡に沿う数値はあてにしないほうがよさそうだ
左画像がACCU-FISH®・オン、右画像がオフ。右画面の横帯は指示ダナに定位する数個のコマセカゴの軌跡だが、左画面では単体魚として誤表示。状況によってこうした現象も起きるので注意したい(※比較画像は約20秒の時間差あり。他も同様に撮影)
驚き! 深みの単体魚を表示するACCU-FISH®
こちらもACCU-FISH®のオン&オフを比較した画像。注目すべきは左画面の右下に表示された79センチの大物。深みのせいか、右の通常画面で点程度にしか映らない単体魚がACCU-FISH®では明確だ。これは驚きの裏ワザかもしれない。
こんな手も楽しい
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「通常画面とACCU-FISH®画面を比較してみたい」という方は、写真のように探見丸CV-FlSHと探見丸SMARTの併用もあり。両機能の対応船なら写真のように一目瞭然、底近くに50センチの単体魚も確認!
ACCU-FISH®は水深2~100メートルの間で、10~199センチまでの魚体長の目安を数値と図で示すユニークな機能。ただし上記のように15~20センチのコマセカゴを誤認識するケースもあるので注意しよう。
さらに今回の取材では、冬期に攻める「60メートル以深」のマダイポイントで興味深い現象を確認。通常画面では分かりづらい底近くの粒のような単体反応を、ACCU-FISH®画面は魚体長とマークで明確に表示したのだ。上の画像は典型例で、上段の画像は69センチ、下段の画像は79センチの単体魚を表示している。
原因は超音波のデータを解析・表示する仕組みの違いにあるらしい。親機の設定など諸条件もあるので一概には言えないが、深みに落ちた冬のマダイ釣りで試す価値はありそうだ。
次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!次は東京湾のフグの予定! |
【撮影協力】駿河湾沼津久料港・魚磯丸 |