▲ ステファーノ180に加え、同CI4+MH175-2も持参。後者は「縦の釣り」に向く手感度重視設計。リールはいずれもSS100HG
▲ オモリは集魚効果が高いドロップシンカー
関東沿岸のカワハギが盛り上がってきた。中でも、スナイパー釣法でおなじみの鈴木孝が「魚影の濃さは抜群!」と太鼓判を押す釣り場の1つが、今回出かけた三浦半島長井沖。船宿は探見丸システムを搭載する、長井漆山港の光三丸だ。
「港の前から亀城根まで広がる浅い根周りはカワハギの宝庫。探見丸で海底地形を確認しながら攻めの釣法が楽しめる、絶好の釣り場ですよ」
そう口にしながら鈴木が用意したロッドは目感度に優れた穂先を持つステファーノ180。当日はこのロッドで仕掛けをキャストし、鈴木流の「横の釣り」で広範囲にいる浅場のカワハギを食わせる作戦である。
釣り座はあえて左舷胴の間。広角に打ち込めるこの釣り方なら、不利な釣り座であってもそこそこの釣果は期待できるという。
関根雄志船長が流したエリアは、水深12~15メートル付近。ときに根と砂地が入り交じる平場、次は起伏の激しい岩礁帯と、カワハギを求めて移動を繰り返す。鈴木はその移動の最中も、探見丸をジッとにらんで海底の様子をいち早くキャッチしていた。
主として平場ではスタンダードな仕掛け(下図内パターン1)で底近くをトレース。岩場に入ればオモリと仕掛けの間にアシストを追加した仕掛け(パターン2)に交換し、根周りに浮くカワハギに付けエサを見せつけていく。
驚いたのはかなり険しい岩礁帯であっても、ひるむことなく仕掛けをキャストし、海底を探る鈴木の姿だ。アンダーハンドで投げ、オモリが着底したら竿を目一杯立てて仕掛けを浮かせる。再び着底したらラインを軽くたるませ、付けエサをフワリと落とし込む。
Situation・状況
浅場に散る秋のカワハギを 「横の釣り」で攻める
魚の反応に惑わされるな!
▲ 鈴木は「魚探に映る魚の反応は重要視していない」そうだ。光三丸の関根船長も「カワハギは意外と映りにくい」と口にし、この画像のように明瞭に出た赤い反応はキタマクラが多いという
-
ピンポイントを狙い撃ちして一荷を決めた鈴木
-
当日最大は27センチ。大小入り交じってよく釣れた
-
「タックルはステファーノ、探見丸CV-FlSHも愛用してます!」という常連さんも
-
キャストした後は平場ならズル引き、岩場ではリフトしながら根歩きさせる。揺さぶりや小づきも織り交ぜていく
-
ゆっくりと竿先を下げ、付けエサを落とし込んでいく。アタリは竿先の曲がりを見て、目でキャッチする
-
「横の釣り」がハマる日は、どんどん数がのびるという。秋の浅場で試してみたい釣り方だ
鈴木はこの瞬間に出る繊細なアタリを見逃さず、着実にカワハギを掛け、数をのばしていった。
「今釣れたカワハギは、少し前に通過した根周りへ仕掛けを投げて狙ったんです。そんな攻め方ができるのも探見丸のおかげでしょう」
鈴木は闇雲に仕掛けをキャストしていたのではない。探見丸でチェックしたピンポイントを把握し、意識して狙っていたのだ。その戦略は次をご覧いただきたい。
Strategy・戦略
探見丸に映る海底地形がピンポイントを教えてくれる
移動中に海底をチェックし仕掛けを選択
-
走行中の魚探画面一例
起伏が激しく、かなり険しい岩礁帯。水深表示が途切れているが、右のスケールで大まかな水深が把握できる
移動中に海底地形を把握
▲ やや船足が遅くなり船長がポイントを探査しはじめたら、探見丸のボトムラインを注視。平場あるいは岩礁帯かを見極める
仕掛けを決める
▲ ポイントが「荒い根周り」と判断した鈴木は、オモリと仕掛けの間に40センチのアシストをセット。果敢にキャストして横の釣りを展開した。
カワハギが着くピンポイントの一例
-
高根の周り
2メートルほどの突き出た岩礁の周り。とくに潮の当たる側(画像内の左斜面)が狙い目だ。
-
平場のヨブ
平場では、画像のように海底がギザギザした場所も好ポイント。見落とさないように。
ピンポイントを攻める
-
船が流れてピンポイントから離れても、届く範囲であればキャストして集中的に攻めまくる。
-
狙いどおりに良型カワハギをゲット!
「探見丸を手にすると、ついつい魚の反応に目がいきがち。でも多様に映る反応はカワハギとは限らないので、惑わされちゃダメ。最も注視すべきは海底地形です」
そう断言する鈴木の戦略を、上記にまとめた。地形を見て仕掛けをセレクトしたり、ここぞというポイントが分かったらキャストしてでも徹底的に攻める。それが鈴木の流儀だ。
「同じエリアを何度も流す場合は、山ダテも重要。今、自船がどこを流れているのかが分かれば、探見丸でチェックしたピンポイントに接近したとき集中して勝負できます」。さすがは名手、探見丸に山ダテというテクニックを組み合わせて細やかに釣っていた。
当日は左舷トモの釣り人が46枚で竿頭。胴の間の鈴木も、36枚を手にしてトップ3に入った。戦術の幅を大きく広げてくれる探見丸は、いまや手放せない相棒になっているようだ。
次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!次はワラサの予定! |
【撮影協力】三浦半島長井漆山港・光三丸 |