第5話
東京湾のタチウオ攻略
~探見丸で活性を判断する~

シマノのモバイル魚群探知器「探見丸」を
使いこなして、沖釣りをもっと楽しく!
それが「もっと!探見丸」のコンセプト。
今回は東京湾の夏タチウオを、探見丸CV-FlSH&探見丸SMARTを駆使して
シマノフィールドテスター・松本圭一が攻略。
テーマは魚探で分かるタチウオの活性(食い気)だ。

※探見丸は親機が搭載された船でご使用ください。親機がない船では使用できません。
※Tankenmaru SMARTは、Wi-fi対応のNEWアンテナを搭載した遊漁船のみでご使用になれます。
また、タブレット型の端末には対応していません。

 7月中旬、東京湾第二海堡周りの水深30~50メートル付近にタチウオが集結し始めた。 待ってましたと松本圭一が乗り込んだのは、探見丸システムを搭載する川崎の中山丸。同船したタチウオファンも「浅場の夏タチは今日が初陣!」という方が大半で、釣る気満まんだ。

▲ ロッドは誘いも合わせも効くライトゲームCI4+タイプ73M200、リールは上位機種クラスの性能を譲り受けたスティーレSS150HG

 松本を含むエサ釣り師がミヨシ寄り、ジギングのルアーマンがトモ側という布陣で釣り開始。指示ダナは上から30~40メートルの範囲で、探見丸にも35メートル付近に見事な魚群の塊が映っている。ところが松本は、

「けっこう難しいかも。タチウオに限らず、魚群反応はギュッと固まるよりも、バラけたほうが食いがいい。エサを追って動き回っているからでしょうね」と言う。舵を取る中山勝之船長もまったくの同意見で、

「この固まった反応だとポツポツ釣れる程度。最近は潮止まり前後に食いが立つので、下げ潮が止まるお昼あたりが勝負でしょう」と予測。こういう状況下は魚群を直撃して、アタリ即合わせで掛けていくジギングが有利なようで、トモの親子ルアーマンはコンスタントに夏タチを取り込んでいる。

 それでも松本は、アタった! バレた! よし乗った! とエサ釣りならではの攻防を心底楽しんでいた。

「食いが渋いときの攻防もタチウオ釣りの魅力ですから。さらに、探見丸があれば楽しさが倍増します。魚群のタナを自分の眼で確認しつつ、群れの中からタチウオを誘い出してやろうとか、鼻先でネチネチ躍らせてみたら食うかな? とか。画面を見て、誘いやタナを微調整する楽しさが加わるんです」

 こうしてポツリポツリの展開が続き、ふと気付けばお昼。そこへ、

「潮が緩んで、いい反応になってきたよ!」と船長が叫んで釣況は一変。松本のロッドも立て続けに締め込まれた。

Situation・状況
ギュッと固まる魚群反応よりもバラケた反応に食い気あり!

▲ 夏の日差しを浴びて輝くタチウオ。この時期は小型、大型が入り交じる

▲ 下げ潮が速かった午前中はオモリ60号を使用

▲ エサはコノシロの切り身。縫い刺しにして姿勢よく付ける

午前中の反応

▲ 午前中はアタリはあれども食い込まない状況。「食わせ切れなかった!」と悔しくも楽しげな松本

  • すばらしい魚群の塊に見えるが、実際はジッと固まってエサを追わない。ちなみにタチウオの魚群は、縦スジ状に黄色く出るのが特徴

  • 探見丸に映る魚群をネチっこく攻めて手にした1本

午後の反応

▲ ここからアタリが頻発、松本も一気に数をのばして計20本を確保

  • 干潮間近のお昼過ぎ、上下左右にややバラケた反応が出現。タチウオの活性が上がってエサを追い始めたようだ

  • (上)最大は常連さんが手にした指5本幅!/(下)トップは25本。午前中に数を重ねたジギンガーだ

 活性が低い前半のタチウオと、入れ食い状態になった後半のタチウオ。探見丸に映る画像がどれほど変わったのか? 松本は釣り方をどう工夫したのか? 興味深いその画像と戦略は、以下をご覧いただきたい。

Strategy・戦略
食い渋り時はゆっくりジワジワ勝負時は追わせて食わせる!

低活性時の魚群

  • 小ぢんまりとした群れに、仕掛けを当てた画像。水深40から20メートルまで60秒前後かけてゆっくり誘い上げた仕掛けの軌跡が映っている。

  • 底近くに沈んだタチウオの群れ。同じく誘い出そうとする仕掛けの軌跡が映っている

  • 釣り方一例

    ゆっくり小刻みに誘い上げて、食い気のある魚を群れから引きずり出す。アタっても手を止めず、ジリジリ巻き続けるとハリ掛かりすることも

高活性時の魚群

  • 食い気のあるタチウオがエサにつられて次つぎに群れから抜け出し、浮上する姿が分かる。

  • 群れ全体が波打つように上昇と下降を繰り返し、エサを捕食しようとしているらしい。いずれも入れ食い状態のときに見られる最良の反応だ。

  • 釣り方一例

    活性が高まると海面下までエサを追ってくるので、どんどん誘い上げて食わせていこう。松本は約40分のこの時合で、釣果の半数を釣り上げた。

 午前中の固まった魚群と、上の高活性時の魚群を比較すると、タチウオの動きが丸っきり違うことが分かる。いかにもやる気満まん、これがタチウオの入れ食いモードだ。ビギナーも数をのばせるチャンス到来、手返しを早めて数をのばしたい。

 一方、低活性時のタチウオ攻略がまた、味わい深い。ゆっくり誘い、ときには焦らして、しびれるような神経戦を征して掛けた1本はとびきりうれしいものだ。

 画像を見ればお分かりのとおり、探見丸は眼には見えないタチウオの動き、タナの変化などを、釣り人に細かく教えてくれる最高の相棒。

 そこには船長がアナウンスしきれない数多くの情報が表示され、釣り人自身が対策を練り、釣り方を工夫するヒントが隠されている。タチウオ攻略のツールとして、ぜひお試しを!

次回も探見丸CV-FlSH&探見丸スマートを活用し、旬のターゲットを攻略します!

次は相模湾のカツオ&キハダの予定!

【撮影協力】東京湾奥川崎・中山丸
TEL:044-233-2648
(探見丸CV-FlSH、探見丸SMART対応船)