コルトスナイパー リミテッド ビッグゲーム

【24AW新製品 ロックショア】コルトスナイパーリミテッドビッグゲーム / 上津原勉【シマノオンラインフィッシングショー】

「コルトスナイパーリミテッド ビッグゲーム」は、自身にとってレコードクラスとなるビッグフィッシュを追い求めるアングラーに捧げるスペシャルロッド。夢、目標、自己記録。一生に一度しかないような魚との出会いを信頼して任せられるロッドを目指して。最大の特徴は、唯一無二のパワーと破断強度。もちろん、ただ強靭で破損しにくいロッドではなく、継続的に投げ続けられる、ルアーを操作できるようなロッドに求められる軽快さを損なわないよう設計できるのは、シマノ独自のテクノロジーがあるからこそ。アクションについては各セクションに役割を持たせることで、強さの中にターゲットをバイトに持ち込む繊細さも手に入れた3ピース、ステップレングスデザイン。従来の3ピースでは実現不可能ともいえる高強度と3ピースという組み合わせは遠征時における持ち運びの利便性向上にも大きく寄与。また、アンバランスなラインシステムに対応するガイドセッティングによりトラブルレス性能を追求。数少ないチャンスシーンでのアングラーの集中力を頼もしくアシスト。このロッドは強い覚悟と決意を持って限界に挑むアングラーの右腕とも言える存在。そして共に戦うにふさわしいロッドである。

ショアからのレコードクラスとなるようなターゲットを手にするためには、並大抵のパワーでは安心して対応できない。一方で、強度だけを追求すると今度は実釣で扱いにくいものとなってしまう。「コルトスナイパーリミテッドビッグゲーム」として求めたものは遠征を基準にしたビッグゲームにおいて利便性を達成しながら、軽快に操作可能で夢のレコードフィッシュを獲るための高強度・パワーの実現。シマノ独自の基本構造「スパイラルXコア」、強化構造「ハイパワーX」、継部の破損リスクを軽減する「スクリューロックジョイント」、各セクションに役割を設けた「ステップレングスデザイン」などを複合的に合わせることでパワー・操作性・利便性を並立したロッドが誕生。「コルトスナイパーリミテッド ビッグゲーム」では、ロックショアの釣りで30kgオーバーの大物を獲ることを想定し、そんな大物を本気で追い求められる性能を追求した。

フィールドテスター 上津原 勉

私も実際に体感してみましたが、長さ9.8ftのロッドを角度45度で14kgをリフトアップし続けるのは、ゆっくり呼吸する事もままならない負荷です。ロッドをのされて14kgのドラグを出されるのとは訳が違います。

ただこのロッドは14kgの負荷をかけてもまだまだ余裕を感じるバットパワーです。磯でラインブレイクした時の衝撃や後ろに飛ばされる危険性を考慮し、今回はあえて14kgの負荷までしかお見せしていませんが、磯で大物と対峙した時、このあり余るロッドパワーを必ず体感して頂けると思います。

使えば使うほどロッドパワーへの信頼が増していく、そんな頼もしいロッドです。

このロッドでは、3ピースステップレングスデザインを採用。ピースの特性を活かせるよう、各セクションに役割を設けているのが特徴。

【#1 ティップセクション】　

まずティップセクションは、ロッド自体のパワー表記はXXH以上であるが、XH相当の柔軟性を備えたソフトティップ設計。追従するしなやかなティップは、ルアーエラーアクションを軽減。ロックショアにおいてはアングラーが有利になるような立ち位置を選べず、足場の高い釣り座でルアー操作をすることも多い。このしなやかなティップは、そんな足場の高い釣り座でダイビングペンシルなどを操作した際に求められる、波と喧嘩せずにしなやかに水中へルアーをダイブさせ、ターゲットを引き付けるアクションを実現。また、ダルさを排除しクイックな操作を可能にする、最も短く設計したショートティップ。生命感を引き出すプラグアクションから軽快なジグ操作まで一連のルアーローテーションを可能にしながら、輸送時などに破損のリスクが高いティップ部の不意な破損を防止。ビッグゲームの前提となる離島遠征に対しての対応力を強化した設計となっている。

【#2 ベリーセクション】　

ベリーセクションは、ロッドの繋がりを意識し、前後の連動性を高められる設計。キャスト時や強靭なターゲットとのパワーファイトなどの高負荷がかかるシーンにおいて、ティップ部分から伝わった力をスムーズにバットセクションへ伝える役割を担っている。

【#3 バットセクション】　　

バットセクションは径を張らせ、ロングバット化。これにより、縦横無尽に走り回るビックフィッシュの強靭なパワーをコントロールするブランクスパワーを確保。ロッドのネジレやツブレによるパワーロスを防ぎ、ビッグターゲットの強烈な引きを受け止める役割を担っている。

ロックショアにおけるレコードクラスのビックフィッシュを狙うためには当然過剰とも言えるラインシステムが求められる。時にはメインラインにPE8～10号、リーダーも180lb以上などラインの太さに特段ギャップが大きくなるアンバランスなシステムで挑まなければならない。コルトスナイパーリミテッドビッグゲームではこのようなアンバランスなラインシステムにおけるライントラブルの抑制と飛距離の確保に挑戦した独自のガイドシステムを構築。バットガイド及びベリーガイド（バット上部第一ガイド）には新サイズの「Xガイド タッチフリーチタン」を採用。MAXリールサイズ18000番、PE8～10号に対応したガイドリングサイズとビッグゲームに耐えうる高強度を実現したオリジナルガイドを搭載。独自のハイフレーム形状により、スプールから放出されたラインがロッド本体へブランクスタッチすることを軽減しながら螺旋状に放出されたラインの整流化を実現。ラインが不用意に暴れることを防ぎ、キャスト時のトラブルを軽減。

また、ベリーガイドはバットガイドに合わせた専用設計の口径、フレーム高さになっており、さらにキャストフィールを向上させる。

さらにバットガイド、ベリーガイド共にキャスティング専用の糸絡みしにくい逆付け設計になっているため、バットガイドとベリーガイドへの糸絡みを軽減させている。

Vホールドフロントグリップ

V型に施された断面形状はズレにくく、パワーファイトにおいてもしっかりと安定感のあるファイトに貢献。

ジャーキングアシストリアグリップ

サイドをフラットにすることで脇に挟んだ時の安定感が増加。プラグやジグの操作性を向上させながら脇挟みファイト時にもロッドのブレを抑制。

ロングナット

大型SWリール装着時にもガタツキやズレを防止するためにロングタイプのナットを採用。

シマノオリジナルリールシート(CI4＋)

カーボン繊維によって強化したシマノ独自の軽量素材CI4+を用いたオリジナルリールシート。段差の少ない形状が特徴で、強く握ってもしっかりとグリップが効き、フルパワーのキャストやファイトをサポート。

ラバー製グリップエンド

ギンバルの装着にも対応するラバー製グリップエンド。

キャスト・操作・ファイトにシャープさを追求した新次元のビッグゲームロッド。

S98XXH

キャスト・操作時には1ランク下のパワーランクであるXHパワーの軽快感、一方でプレッシャーを掛けるファイト時の粘りはもちろんだが、ポンピングの際にシャープな負荷をターゲットに加えるパワーで素早く浮かせる。このようなコンセプトを追求したのがS98XXH。

ベースとなる10フィートレングスから4インチ短くすることで生まれたシャープさは「ロックショアのビッグゲームロッドは重くて、だるい。シャープさはなくて当然。」というアングラーの固定概念を根本から覆すだろう。キャスト時のシャープさ、ルアーを操作した時の軽快感はこれが本当にXXHなのかと不安がよぎるかもしれない。しかしながらファイト時にはどこにこんなパワーが秘められているのか？と思うほどにパワーがみなぎるのがこのロッドの真骨頂。ショートポンピングでターゲットの頭をこちらに向けて反転させない、体力を一気に奪い素早く勝負を決めるファイトを可能にする。アングラー側の体力を最小限に抑えながらターゲットとの距離を詰める性能がこのロッドには詰め込まれている。

バーサタイルなビッグゲームロッドを目指して。

S100XXH

ロックショアシーンにおいてスタンダードとなっている10ftレングスはこの釣りに傾倒したアングラー達が導き出した1つの答えである。

キャスト時のルアーの遠投性、足場の高い磯での操作性、ハエ根、瀬際ファイトでの攻防、一連の動作においてバランスを追求した汎用的スペックとも言えるレングスである。

時にこの汎用性はレコードクラスのモンスターと対峙する時でも共通である。遠征先の磯がどのような形状なのか？潮は速いのか？水深は浅いのか？深いのか？潮目は近いのか？遠いのか？小型プラグしか反応しないタフコンディションなのか？すべての疑問は磯に立ってみないと分からない。ましてや普段は訪れない海域で出会ったことのない魚との駆け引きをするのは圧倒的にアングラー側に不利をもたらす。そのような状態で万全の準備が1本で可能であれば自身のレコードに近づくきっかけになるだろう。ルアー操作の面では16㎝前後の軽量なプラグから180ｇまでのジグ操作が可能であり、レングスとソフトティップ設計が相まったことで生まれる軽量なルアーでも水を絡ませるように繊細な操作が可能。

レコードフィッシュと戦う準備は整った。

S98XXXH

レコードクラスを磯から獲る。ロックショアマンの憧れでありながらその道は辛く、過酷で忍耐力が求められるのがビッグゲームである。それはタックルにおいても同様であり、タフで折れないロッドを求めれば当然重く、だるいロッドでアングラーは疲労に耐えながらチャンスが訪れるのをひたすらに投げ続けるのがこの釣りの常であるとされてきた。しかしながらそのような疲労が蓄積された状態でチャンスが訪れたとしても果たしてアングラーはファイト時にすべての力を発揮できるのだろうか？日々の鍛錬でそのような重量級のタックルに身体を合わせることはもちろん前提であり、必要なのかもしれないが、磯は常に過酷であり、余力を残していることが何よりも大切である。シマノが提案したいのは当然ファイトまでに余力を残した状態でロックショアというフィールドでレコードクラスと渡り合って欲しいということ。本気でレコードクラスの夢を掴み獲る。言葉では簡単であるがそこには安全が最優先であり、自身を助けてくれるタックルを選択して欲しい。このロッドはその準備に余念がないだろう。

常にプレッシャーを掛けるショートレングス。

S92XXXH

ロックショアというフィールドは足場が不安定であり、常にアングラーが有利となるシーンは少ない。シリーズで最もショートレングスであるこのモデルが表現するのはレコードフィッシュとの遭遇までの時間の体力消耗を最小限に、そして自身に掛かるモーメントを抑えながら、レコードフィッシュの動きを抑え、素早く浮かせるファイト性能の追求。ルアー操作時にはショートレングスの特性を活かし、例えばペグマ200XSに代表されるビッグミノー、30㎝クラスに迫るビッグルアーなど異常ともいえる引き抵抗の負荷を最小限に抑えながらの操作が可能。もちろん、重量のある18000番クラスのリールを合わせた際にも軽快なロッドワークを実現する。唯一の不安点である根ズレ等のリスクについてはシリーズ最強のパワーで瀬へ突っ込むモンスターの抵抗を受け止め、レッドゾーンへ走らせない。それはリーフエッジのたとえ水深1mであっても同様。全身全霊のファイトをするために導き出したレングスは世界のロックショアでのモンスターと渡り合う可能性を秘めている。このロッドはレコードフィッシュへの最短距離を突き進むためのファクターである。

「コルトスナイパー リミテッド ビッグゲーム 」S98XXHと 「コルトスナイパーXTUNE」S98XXHとの比較。

「コルトスナイパー リミテッド ビッグゲーム 」各機種のベンディングカーブの比較。

私の場合、海外へGTを求めて釣行する事が多いので、3ピースになって携行性が良くなったことはとても大きなメリットでした。特にロッドを飛行機へ持ち込む際の手続きがスムーズで、仕舞寸法が短くなるだけでここまで便利になるとは思っていませんでした。

それでいて、肝心なロッドの強度や必要なパワーは妥協したくないとなると、自ずと自重も重たくなりがちなのですが、軽さまで追求できているのがこのロッドのすごい所。実際にこのロッドを使って、ショアからアウトリーフでGTを狙うという極端にアングラーにとって不利な条件でパワフルな魚達とやり取りをしましたが、大型のGTが相手でもロッドのパワーを活かしてしっかりと足元へ寄せることができました。その中でもラインブレイクによるバラシが一度もなかったことには本当に驚いています。

このロッドは、遠征釣行する際の相棒として信頼がおける事はもちろん、このロッドだからこそキャッチできる魚がいる。そう思わせてくれるロッドに仕上がっていると思います。

釣り場として、気持ちが高ぶるような絶好のシチュエーションを前にすると、できるだけ余計なことは考えたくないのがアングラーの気持ちだと思います。いつ訪れるかわからないバイトの瞬間に全神経を集中させてくれる。そんな完成度の高いロッドだと使っていて感じました。私の中で、ロッドの性能として大切だと思うのが、まるでその道具が手の延長であるかのように感じられることです。使っていてストレスがほとんどなく、さらには水中の様子を高い感度で感じ取ることができる。大物を意識したロッドはパワーや強度が必要になるのでどうしてもこの相反する要素が犠牲になりがちですが、このロッドは繊細さと強さが高い次元で両立されているように感じました。見た目に違わずストレスフリーなこの使い心地はすぐに実感できると思います。その瞬間に感じられるロッドへの安心感を、ぜひ手にとって感じていただきたいですね。

私が大物を狙って釣りをするシチュエーションで大事にしているのが、ライントラブルが起きないことです。特に磯ではラインシステムも複雑になりがちなので、そこで風などの影響を受けると時として結び目やコブが発生してしまう場合もあります。これに気付けず万が一大物を掛けてしまうと、ほぼ確実にそこから切れてしまう。そうそう巡り会えないチャンスを、こうした小さなミスで逃してしまうのは絶対に避けたいと考えています。

そんな考えをベースに、このロッドを使っていてすごいなと思ったのが「Xガイド タッチフリーチタン」の恩恵でライントラブルが全く起きないことでした。さらに磯では足場も限られることが多いので、状況によっては横風や向かい風など様々な角度から風の影響を受けるのですが、それでも難なく目の前のシチュエーションに集中させてくれるのです。

ビッグゲームの名前を冠する通り、このロッドには夢があると感じさせてくれる魅力も兼ね備えたロッドだと思います。自分の限界に挑戦したい。その限界を超えていきたい。チャンスを待ち焦がれるアングラーを強力にサポートしてくれて、その期待に報いてくれるロッドだと思います。

私はショアGTをライフワークとしており、この釣りに長年取り組んできました。この酔狂ともいえる分野では需要がないため専用ロッドが少なく、従来から選択肢もそう多くはありませんでした。そのような中、シマノからショアビッグゲームに狙いを絞ったロッドの開発の話を聞いた時は、驚きとともに深い感銘を受けました。

そんな背景もあり、様々な期待を胸にこのロッドを手に磯に通い、開発段階では複数のGTをキャッチしました。その中でも30kg級を相手にした時は、ロッドの反発力を活かし高負荷を掛け続けることでGTの体力を消耗させ、特にファイト後半は主導権を握りながらやりとりができました。この強靭なロッドパワーは、更なる大型にも臆することなくぶつかっていける、そんな気概にさせてくれる1本です。

ショアGTは根擦れとの戦いでもあり、特に地形が厳しい場所では太めのPEを選択することが多いです。

実際にPE10号まで使用しましたが「Xガイド タッチフリーチタン」の恩恵によって糸抜けが良くなり、ストレスなくキャストすることができました。

ニッチなジャンルなだけに、未だ自分に合う竿に巡り会えていない方もいると思います。悩める多くの同志達がこのロッドを手にとり、自分だけの“ショアの夢”を掴み取ってほしいと願っています。