弧渓(こけい) ZM

TACKLE IMPRESSION Vol.7 - 弧渓（こけい）ZM / SUPER GAME BASIS ZP -

弧渓はシマノが打ち出した本調子コンセプトの象徴ともいえるモデルで、曲げ込むほどに絞り出されるパワーが身上。前作で打ち出された本調子は二代目にも継承されており、中小型は穂先であしらい、大型が食うと竿全体がショックアブソーバーとなって強い引きをいなす。最も進化した部分は穂先だ。
新採用の「トップストップⅡ」は従来よりも15%も軽量化されたチューブラー穂先で、曲がりの抜けがよく、振り込んだ直後はスッと止まる。振り込みやすいことに加え、コントロール精度も向上した。

一般的な渓流域でメインに使いたいのはＭクラス。全体のバランスがよく振り込みやすいうえ、魚の引きも存分に味わえる。Lクラスは軽量で楽に取り回せる。釣れる魚のサイズによって使い分けるのもよいが、春先など軽いオモリでフワフワ流す釣りに効果的だ。尺上の大物を狙うなら迷わずHクラスを手にする。「パラボラチューン」と「スパイラルX」による、ブレやネジレを抑えたスムーズな曲がりとパワーは相変わらず素晴らしい。

昭和35年11月生まれ、山形県在住。
15歳で渓流釣りを始める。白石川、鬼面川水系を中心に、年間約100日の釣行を重ねる。6～7メートルの竿での渓流域の釣りを得意としている。 山形県内陸部にサクラマスが戻ってくる日を楽しみに夢見ている。

二代目となる弧渓は、前モデルのよさはそのままに操作性とレスポンスが向上したという印象。 軽量の「トップストップⅡ」を採用した穂先は前モデルよりやや硬くなっており、合わせが効きやすく、瞬時に抜きの体勢に移れる。車に例えると、前作が高級乗用車なら二代目弧渓はハイスペックのスポーツカー。特に穂先は余計な遊びがなく、手元からの力がレスポンスよく伝わるのが心地よい。「パラボラチューン」と「スパイラルＸ」の相乗効果によるネジレの少ない滑らかな曲がりは本作も健在。

本調子の素直な曲がりによって振り込みはスムーズかつナチュラルに行えるが、アタリがあって合わせを入れると魚の硬い口元へ瞬時にハリ先が突き抜ける感覚だ。ハリ外れによるバラシも少なくなったように思う。曲がりの入りも早いので、大型が食って一気に流れを駆け下っても、合わせの直後からタメの体勢を取れるのが魅力だ。手元での操作が即座に伝わり、仕掛けや魚を意のままに操れる二代目弧渓。線の釣り、点の釣りの双方に対応してくれるので、渓流域でテンポよく釣り上がるようなときの頼もしい相棒になってくれることだろう。

昭和35 年4 月生まれ、群馬県在住。
15歳で本格的に渓流釣りを始め、利根川をホームグラウンドに四季の魚、記憶に残る大物を求めて全国を巡り、精力的に釣行を重ねている。 本流と渓流のヤマメ釣りとワカサギ 釣りを得意とする、淡水の釣りなら何でもこなすオールラウンダー。釣りのモットーは「楽しく安全に! 自然を大切に」