BB-X スペシャル MZⅢはズームアップ時の550の状態で調子を出して仕上げた竿です。550で軽くて操作性が良いのでズームインの500にすればさらに軽快になるのは当然。テストのほとんどは550の状態で行ってきました。まずブランクスはBB-X スペシャル SZⅢよりも強い。先から胴に乗っけてやり取りするという点では同じなんですが、ちょっと違う竿という印象です。SZⅢは良型クチブトから尾長の50cmあたりがターゲット範囲だったところが、MZⅢでは尾長の60cmクラスも充分に射程に入ってくると思います。それでも尾長グレ特化の竿ではなく、磯まわりの大きな魚と太い仕掛けで思いっきり勝負!そんなダイナミックな釣りのための竿という感じが伝わってきましたね。
MZⅢのMZはメンディングズームを記号化したもので、ラインの管理をよりやりやすくするためのズームロッドというのがこの竿の出発点です。かつてズームロッドは流れの中を釣るイメージが強く、それが主流でした。しかし私は速い流れがなくとも、これまで1歩2歩動いて穂先の位置を変えていたのをズーム機能によって、その場から動くことなく瞬時に穂先の位置を変えて対応するなど、流れの少ない近距離戦でも有効性を見出しています。私はメンディングに対して穂先の位置を変えたり、海面から仕掛けを剥いだりする動作をロッドメンディング、ミチイトの置き場所を変えることをラインメンディングと分けて考え、実践しています。550と500の長さを1本に合わせ持ち、操作性に優れたBB-X スペシャル MZⅢは私の理論と実践をさらに推し進め、釣りの幅を広げてくれると感じています。