リアランサー マルイカを実釣で使って最初に驚いたのはXシートフロントトリガーの有効性です。前方に配置されたトリガーに指を掛けるフロントトリガーのパーミング性と重心バランスは、リーリングが驚くほど楽になります。マルイカのゼロテンション釣法では巻き落としを含めて仕掛けの上げ下ろしを頻繁に行うため、この快適さは大きなメリット。タタキの動作でも人差し指、あるいは中指を支点にしっかりパーミングできるため自由度が高いと同時に負担が軽減されます。大げさではなく、オモリが10号軽くなったかと思うほどの快適さは別世界といえるほど。加えてグリップ形状は小型電動リールにも対応しているため、手巻き、電動どちらでも快適に楽しむことができます。
また、リアランサー マルイカはカーボン素材、タフテックとタフテックαの穂先を搭載していることも大きな特長です。現在のマルイカ釣りで主流となっているゼロテンション釣法では竿を激しくタタくように誘って急停止させ、仕掛けを止めた瞬間にマルイカがスッテに抱き付くアタリを見極めて釣っていくのですが、穂先を止めるのに苦心することがあります。その点、カーボン素材のタフテックとタフテックαの穂先はピタリと振幅が止まるため、スッテを抱きにくるような早いアタリを見極めることができます。カーボン穂先の有効性は風や波の中ではなおさら感じるはずです。
アワセやタタキの動作においては、スパイラルXコアによって締め上げられたブランクスが釣り人の力をしっかり伝えてくれます。竿への入力に対して力が横方向に逃げることなく伝わる印象で、フロントトリガーとの組み合わせによる優れた操作性により、慣れていない人でも上手にタタくことができると思います。
ラインナップは3種類。82 S160は深場や高活性時の浅場など、ハイレスポンスな釣りに対応するモデルで、ゼロテンション釣法対応ながら穂先はそれほど入り込まず、掛け重視と呼べる調子。
印象としては非常にシャープなモデルです。
82 SS155は目感度、アタリ重視のゼロテンション釣法モデル。大きく動いてアタリを表現する穂先と、アワセたときにはしっかりと止まるブランクスのマッチングにより、マルイカが乗っているか、いないか、いわゆる「乗り感」がよく手に伝わってくる調子に仕上がっています。
73 145はややソフトな印象を受ける浅場と宙釣り対応モデルではありますが、短い分アワセ遅れが少なく、ゼロテンション釣法も楽しめるユニークなモデル。特に夜釣りなどでマルイカを狙うときにはおすすめです。