グラスコンポジットのポイズングロリアスXCは、クランクベイトに特化した“巻きの竿”。クランキングロッドといえば、グラス製、カーボン製など多様なものが作られてきた。それぞれに良さはあるが、グラスは重いうえ遠投が利かない、カーボンは低弾性素材であっても特有の反発力がクランクベイトの動きをスポイルするという側面があった。
ならば双方の良さを融合すれば良いのではないか……というのが、シマノがグラスコンポジットに取り組むキッカケだった。ポイズンシリーズでは、これまでにもグラスコンポジットロッドをリリースしてきた。そのなかで前モデルのグロリアス170M「C7」と、アルティマ170Mの中間。これがグロリアスXCの調子だと感じている。
C7はグラステイストに寄ったロッドで、ポジティブな意味での“ダルさ”があった。ティップの振れが緩く、ここで生じるわずかな遊びがクランクベイトの動きをうまく引き出してくれた。アルティマ170Mはそこから遠投性と感度を高めたモデル。グロリアスXCはグラスらしさを残しつつ、アルティマの研ぎ澄まされたタッチも感じる。実にバランスの取れたロッドといえる。
グロリアスXCの中心的なアイテムは170M-Gで、通常のクランキングならこれ一本あれば困ることはないだろう。リザーバーなど遠投する必要がないポイントで、65㎜以下の小型クランクを手返し良くキャストしたいときは、1610ML-Gが使いやすい。
カバークランキングで大きい魚を狙ったり、ファストリトリーブでビッグクランクをゴリゴリ巻きたいときは173MH-Gをよく使う。ディープクランクで水深3~4mラインを攻めるときも重宝する一本だ。