クリンチロングアピールのフォール速度は、一般的なエギのタイプでいうとスーパーシャローに近い。フォールが遅いエギほどシンカーが軽く、シャクっても頭を上げるだけでダートしにくいものが多い。クリンチロングアピールは、まずそこを改善したかった。いくらじんわり沈んでも、その前にイカに気づかせたりスイッチを入れるアクションがないとスローフォールの効果が大幅にダウンします。クリンチロングアピールはアクションレスポンスが良く、ノーマルタイプに引けをとらないくらい左右にダートしてイカが誘えます。
このダート性能が実現できたのは、実は重心移動のジェットブーストの搭載が大きく関係します。シャロータイプのエギは飛ばない。この弱点を克服するのがジェットブースト搭載の一番の目的ですが、重心移動ウェイトや外付けシンカーなどのバランスを何度も調整し直し、スローフォールで飛距離が出てしっかり動く、今までの常識ではあり得ないエギができました。ちなみに無風のドーム内の飛距離テストでは最長65mを記録しています。フィールドでも50mはコンスタントに飛ぶと実感しています。
良く飛んで、しっかり動いて、じんわり沈めてロングアピールできる。この特性は間違いなく春の藻場で有効です。警戒心の強い大型イカ狙いにぜひ使ってほしいですね。あとは従来のエギが届かないシャローエリアのシモリやサーフのカケアガリ、南の島の浅いリーフエリアなどのサオ抜けスポットが狙えます。手付かずのフレッシュなイカは活性が高め。クリンチロングアピールはフラッシュブースト機構も搭載しているので、遠投してファーストフォールで喰う確率も上がります。シマノのテクノロジーがギュッと詰まったエギで、エギングの可能性を広げていただければと思います。