テンヤタチウオ攻略

西日本船釣り見聞録

Vol.4

響灘 落し込み攻略

FISHING TACKLE
BANDIT OTOSHIKOMI

庄山 英伸

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青物落し込み釣りの魅力は、同じ仕掛け、同じタックルで20cm足らずのイワシなどのエサと1mオーバーのヒラマサをはじめとする青物を釣ることだろう。そのためには感度のよい竿先と強靭なバットパワーを併せ持つロッドが不可欠だ。
今回は「バンディット 落し込み H230」と「ビーストマスター3000XP」を携えて、小倉港を訪れた。

北九州小倉港発

狙いはヒラマサ!それだけにターゲットを絞る。期待を膨らませて午前5時30分に、もやいが解かれて一路ヒラマサポイントへ。
航行1時間で、水深80mほどのポイントに到着した。今回の釣行では、ヤズ、ハマチは想定せず、そのため仕掛けもハリス20号、ミキイト20号の太仕掛けの喰わせサビキを使用する。経験上、ハリ、ハリスが太くなるとイワシなどのエサが付きにくいのだが、ヒラマサとのガチンコ勝負に備えて船長の指示で、こちらの乗船客は、このサイズの仕掛けが標準になっているようだ。
エサ付きには、ある程度テクニックも必要で、それらを駆使しながら海中で18cmのウルメイワシをハリに付け、そのまま海底に落し込む。ここでも大事なのはストンと着底させずに、着底前3mほどから徐々にスプールを押さえ、サミングでソフトな着底を心掛け、エサをハリから外さないよう注意が必要。あとは、さまざまなアタリ方のパターンを拾いながら本命にハリ掛かりさせる。
状況は、釣り始めから5時間は我慢の釣り、それまでにヒラマサは全くアタらず、ハマチサイズばかり。船長の様子をうかがうと、平常心で淡々としている。そんな私の気配を感じてか「潮が変わるまでは我慢ですよ」と声をかけてくれる。
この日は朝から下げ潮だったが、表層だけが動き、底潮はスッカスカ。動いていない様子は仕掛けを巻き上げるときに20mほど、巻き上げるとオモリの重さを感じることで判断できた。そして、ハマチ、ヤズは潮に関係なくアタってくるが、即リリースで海にお帰りいただいて、時がくることを待っていると潮変わりから状況は一変した。

ヒラマサ1m超え筆頭に
90cmも追加し好釣果に!!

それまでの沈黙がウソのように怒濤のヒラマサラッシュ。まず1尾目、エサは4尾程度付いたと感じたので、なるべく早く海底に落としてアタリを待っていると、バットまで一気に絞るアタリ。
魚の疾走を見極めて、アワセを入れるとドラグが滑る。ここでワンクリック分ドラグを締めて、やり取りを開始すると、明らかにこれまでとは違う強烈な引き。そこで負けないのがビーストマスター3000XP、ぐいぐいラインを巻き込んでくれる。
海底から10m引き上げれば、瀬ズレの心配はないので、ここで仕掛けを守るためにドラグを3クリック分緩める。スプールは逆転するが、その分GIGA-MAX MOTORががんばってくれるので、こちらはしっかりと竿を支えるだけ。
そして、急な突っ込みにはロッドごと下げて対応する。上がってきたのは本日最初のヒラマサ。1mオーバー10kg。量りは振り切られている。
即座に処理して、再度投入。すると次もヒラマサ。先ほどと同型サイズ。さらに次もヒラマサ。こちらは90cmオーバー。
実は、この釣果にはタックルの優位が影響していて、バンディット 落し込み H230はヒラマサモデルと例えていいだろう。エサ付きの感度は、これらのシリーズと共通の仕様だが、10kgオーバーにも負けないバットパワーを持っている。さらにヒラマサを怒らせないベリー部もヒラマサを捕れる要因の一つなのだ。
ヒラマサを怒らせない!?これはどういうことかというと、10kgを超えるヒラマサを本気にさせると、最初の疾走でハリスを飛ばされてしまう。それを防ぐ竿の調子がバンディット 落し込み H230には考慮されているのだ。しかし、決してやわなロッドではないが、本気でヒラマサ1mオーバーを捕ろうとすると、そういったことも必要になってくるのかもしれない。
こういったタックルの進化もあり、当日1mオーバー2尾を筆頭に4尾のヒラマサと満足行く釣りができた。

粘り強さと強力巻上げでパワーファイトを制す

粘り強さと強力巻上げでパワーファイトを制す

1m超10kg!

1m超10kg!

FISHING TACKLE

BeastMaster 3000XP

ビーストマスター3000XP

落し込みには水中のベイトの存在を確認するため探見丸は欠かせない

落し込みには水中のベイトの存在を確認するため探見丸は欠かせない

タックル
ROD
BANDIT OTOSHIKOMI バンディット 落し込み 
H230
全長 2.30m
継数 2本
仕舞寸法 195.0cm
自重 395g
オモリ負荷 80〜200号
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REEL
BeastMaster 3000XPビーストマスター3000XP
ギア比 3.9
最大ドラグ力 20.0kg
自重 845g
糸巻量PE[タナトル8] 4号400m
5号350m
6号300m
8号200m
ハンドル長 75mm
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シマノ電動リールをさらに詳しく紹介する
「Get the Dream」はこちら

Get the Dream
ミチイト
タナトル 8[TANATORU 8]6号
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探見丸
CV-FISH
探見丸搭載船情報

今回使用したバンディット 落し込み H230は、エサ付きや喰い込み、ファイト性能を追求し、落し込み釣りの醍醐味を堪能できる専用ロッド。
柔軟なUDグラス素材を竿先に採用することで、落し込み釣りでの第一関門であるベイトのエサ付けの誘発に加え、小さなベイトも弾かずに掛けられるためヒットチャンスも増える。
柔軟かつ目感度に優れた竿先は、本命がベイトに近づくと微妙な変化を振幅として表現し、本アタリを逃さず確実にアワセを入れることが可能。竿先からベリーへの絶妙なバランスは本命を弾かず喰い込ませ、UDグラス+カーボンの融合によるしなやかな粘りのバットパワーで、大物とのパワーファイトも余裕でこなす。
全身がスパイラルX構造のブランクスは、根に向かう大物を受け止める強力なパフォーマンスを備えている。

この釣りで最も重要なエサの状態を釣り人に伝える竿先が工夫されている。エサが仕掛けに付いた、また外れた。という状態を目感度で伝えて、次に起こす行動の手助けを行う。
ご存知の通り落し込みはエサとなる、イワシやアジ、サバが不可欠な釣り。エサが付いていない仕掛けのまま海底で待っていても何も起こらない。エサが外れたと感じればすぐにエサを付け直す必要がある。これらのことを目感度でサポートしてくれる。
さらにエサを弱らせないことも重要で、状況によるとすぐに喰ってこず、待たなければならないことも。それらにもしっかりと対応してくれる。
バットのパワーはモデルにより異なるが、九州でのヒラマサ狙いなら私は迷わずH230をおすすめする。自重も軽くスタンディングファイトが多い落し込み釣りでは非常に使いやすいロッドになっている。