2020.4.28

ノントラブルで快適釣行名手のタックルメンテナンス [ 伊藤 幸一 ]

Vol.1 ロッド編

ロッドは簡単な手入れだけでも大丈夫

タックルのメンテナンスについては、日頃から行うメンテと、シーズンオフなどに細部まで手を入れる大掛かりなものの2種類があります。私の場合、リールは年に数回、ラインローラーやギア周りに注油することがありますが、ロッドに関してはこれといって特殊な手入れはしていません。簡単な手入れでも十分で、清掃レベルのメンテでも実釣で致命的なトラブルに見舞われたことはありません。

今回は伊藤幸一さんにタックルのメンテナンス法をレクチャーしていただきました。タックルをベストな状態でスタンバイさせておくことが釣果アップにつながります。

ただし、清掃程度のメンテナンスとはいえ、釣行後はマメに行うようにしています。サーフの釣りではブランクスやガイド周りに塩分が付着し、強風の日は風に舞った砂が、節のコミ部分に入り込むケースも考えられます。
釣行後は速やかにロッド表面に付いた塩分や汚れを落とすように心掛けましょう。何日も放置しておくと汚れを落としにくくなるばかりか、金属パーツや塗装面を傷めてしまう恐れもあります。

メンテナンスの手順

それでは、私のロッドメンテナンスの手順をご紹介しましょう。

①流水で汚れを落とす

シャワーなどを使い、35℃前後のぬるま湯でロッド表面の汚れを落とします。リールシートやガイドの周りは特に汚れやすいので、流水で丁寧に洗い流しましょう。このとき、ブランクスの内部に水が入らないよう注意してください。

ぬるま湯でロッド表面の汚れを落とします。リールシートやガイド周りは入念に洗います。

②水気を拭き取る

ブランクス表面の水分をタオルなどで拭き取ります。

水分をタオルで拭き取ります。後に陰干しをするので、多少湿っていても問題ありません。

③ガイド周りの汚れを拭き取る

ガイド周りには汚れが溜まりやすく、ガイドリングにはラインから剥がれた染料やコーティングかすが残っている場合があります。一度乾燥すると固まって除去しにくくなるので、よく落としておきましょう。この後は陰干しして、ロッド全体をよく乾燥させます。

ガイド周りは特に汚れが溜まりやすい箇所。温水で汚れが浮いているうちによく落としておきましょう。

④コミ部分の汚れを落とす

節を継ぐコミの内部にも、塩の結晶や砂が付着していることがあります。ここは割り箸の先に巻いたティッシュにエタノールを含ませ、サッと拭き取るようにしています。このとき、ブランクスの塗装面にエタノールが付かないよう注意してください。

コミ部分の清掃には、割り箸の先にティッシュを巻き付け、セロハンテープで止めたものを作ると便利です。

清掃用のエタノールは薬局で普通に売られています。すぐに揮発するので無塗装部分に塗ってもカーボンを傷めません。

ティッシュに含ませるエタノールはごく少量で十分です。

清掃はコミ内部を数往復させるだけでOK。塗装面にエタノールが付かないよう注意してください。

以上でロッドのメンテナンス作業は完了です。この後、ブランクスの塗装面に市販の撥水コーティング剤を塗布する人もいるようですが、製品によっては竿の塗装膜を傷める恐れがあるので、シマノとしては推奨していません。シマノの投げ竿は、水洗い後に乾燥させるだけでも十分なパフォーマンスを発揮してくれます。

vol.2に続く