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初夏のレインボートラウトを狙って

シマノサポートアングラーの新飼です。
今回は、ホームフィールドである芦ノ湖で、前半シーズン終盤となる初夏にレインボートラウトを狙った実釣の様子をご紹介します。

新緑の季節、水温上昇とともに主役が入れ替わる湖

3月1日の解禁から春の最盛期を迎えた芦ノ湖も、季節の進行とともに湖畔の山々が新緑に包まれ、湖全体が初夏らしい穏やかな表情へと変わっていきます。

表水温が16℃を超え始める頃になると、それまで高い活性を見せていたブラウントラウトやイワナ、サクラマスの姿は徐々に少なくなっていきます。これらの魚は水温の上昇とともに冷水域へ移動する傾向が強くなり、春と同じ感覚で狙っても反応を得ることが難しくなる場面が増えてきます。

そんな中、「待っていました」と言わんばかりに、水面を悠々と泳ぎ始める魚がいます。それがレインボートラウトです。

私自身、トラウトの生態を専門的に研究しているわけではありませんが、長年芦ノ湖へ通う中で、レインボートラウトはほかのトラウトと比べて高水温への適応力が高く、初夏でも表層付近を積極的に回遊している印象を受けています。
実際、この時期はライズやチェイスが表層で見られることも多く、朝夕だけでなく日中でも魚の気配を感じられる場面があります。そのため、春とは異なる魚の動きを意識しながらゲームを組み立てることで、初夏ならではのレインボートラウトの魅力を味わうことができます。

そこで今回は、季節の変化による魚の行動を意識しながら、初夏のレインボートラウトを表層を中心に攻略していきました。

朝焼けに染まる、早朝の芦ノ湖

状況を見極め、初夏を意識したポイント選び

春はワカサギの接岸に合わせて、多くのトラウトがシャローエリアを意識して行動します。しかし、ワカサギの産卵が終わると岸際から姿を消し、それに伴ってトラウトの付き場も大きく変化します。

また、魚種によって意識するレンジも変わっていきます。高水温を苦手とするブラウントラウトやイワナ、サクラマスは冷水を求めてディープエリアへ移行する一方、レインボートラウトは表層から中層を中心に、広い範囲を回遊しながらベイトを追うようになります。

そのため、春のように「魚が岸に寄る場所」を探すのではなく、「魚が回遊してくる場所」を探すことが、この時期のポイント選びでは重要になります。

私が特に意識しているのは、水通しが良くディープエリアに隣接した岬周りや、急深が絡む地形変化のあるエリアです。こうした場所は水温が比較的安定しやすく、回遊するレインボートラウトが立ち寄る確率も高いと感じています。

さらに、産卵を終えて岸際から姿を消したワカサギが深場へ移動し、その周辺にベイトフィッシュが集まりやすくなることも意識しています。ベイトが溜まりやすい地形変化や風が当たる場所、水が動いているエリアなど、複数の条件が重なるポイントは特に期待できます。

魚が差してくるタイミングやフィーディングに入る時間帯を意識しながら回遊ルートを予測し、魚を待つのではなく「回遊してくる魚を迎え撃つ」というイメージでポイントを選択することが、初夏のレインボートラウト攻略では非常に重要だと考えています。

鮮やかな新緑が湖畔を彩る、初夏の芦ノ湖

レインボーを攻略するためのルアーセレクト

ポイントを絞り込んだら、次に重要になるのがルアー選びです。

この時期のレインボートラウトは表層付近を回遊していますが、岸際を回るというよりも、朝マヅメや夕マヅメを中心に沖の表層を広範囲に回遊していることが多いと感じています。そのため、岸から狙う場合は魚までしっかりルアーを届けられる飛距離が大きな武器になります。

私がルアーを選ぶ際に重視するのは、「飛距離」と「表層を安定して引けること」の2点です。使用するルアーはジグやジグミノー、シンキングペンシルなど、遠投性能に優れたものが中心になります。

一方で、その日の状況によっては岸際まで昆虫類を捕食しに寄ってくる個体もいます。そのような場面では、小ぶりのスプーンを使って表層を丁寧に探ることもあります。しかし、昆虫を意識しているレインボートラウトはルアーをしっかり見切ることも多く、あと一歩で口を使わない場面を何度も経験してきました。

そのため私は、無理にシャローの魚を狙い続けるのではなく、沖でベイトフィッシュを積極的に追っているアグレッシブな個体をメインターゲットにしています。こうした魚は捕食スイッチが入りやすく、ルアーに対する反応も素直なことが多いため、テンポ良く探りながら効率よく魚を見つけることができます。

今回メインで使用したルアーたち。

状況に合わせたルアーセレクトで今シーズン初のレインボー

5月末、水温が16℃を超えたころ、明らかに湖の変化を感じました。

沖ではベイトを意識したライズが見られ、表層を回遊する魚の気配も感じられるようになります。春の芦ノ湖とは明らかに魚の動きが変わり、季節が一段進んだことを実感するタイミングです。

この変化を感じてからは、狙いをレインボートラウトに絞り、これまで説明してきたようなディープエリアに隣接する岬周りや、急深の地形変化を中心にポイントを選択。岸際を細かく探るのではなく、マヅメの時間帯は沖の表層を広く回遊する魚を狙ってルアーを遠投し、回遊してくるレインボートラウトを迎え撃つ釣りへと切り替えていきます。

しかし、この時期にひとつ厄介なのが「昆虫類」の存在です。水温、気温の上昇とともに湖畔では昆虫類も多くなり、レインボートラウトがベイトフィッシュではなく、昆虫類ばかりを意識する日が出てきます。

基本的には遠投性能に優れたルアーを中心に、沖でアグレッシブにベイトフィッシュを追いかけているレインボートラウトを狙います。ただし、最初からジグを遠投して沖だけを探るのではなく、まずはウインドリップスティック90S ジェットブーストのような、中距離まで広く探ることのできるシンキングペンシルからスタートします。

この日も、比較的岸から近い場所で水面には頻繁に魚の反応が見られました。そこでウインドリップスティック90Sから探っていきますが、魚の気配とは裏腹にルアーへの反応はありません。また、沖を見てもベイトフィッシュを追いかけているような激しいボイルは見られませんでした。

「今日は完全に昆虫類を意識している」そう判断し、ここで大きく狙い方を変更します。

小ぶりのスライド系スプーンへ交換し、表層直下をゆっくりとヒラヒラさせながら巻いてくると、それまでの反応のなさが嘘だったかのように、突然強烈なアタリが出ました。

フッキングした瞬間から一気に走り出し、何度もジャンプを繰り返しながら激しく抵抗します。これこそレインボートラウトの魅力。個人的にも、このレインボートラウト特有の暴力的ともいえるほど強烈なファイトが、トラウトの中でも大好きです。
今シーズン最初のレインボートラウトは、本来狙っていた「沖を回遊しながらベイトフィッシュを追う魚」ではありませんでした。それでも、その日の状況から捕食しているものを見極め、ルアーを合わせたことで出会うことができた一尾。

初夏らしい美しい魚体と、レインボートラウトらしい強烈なファイトを存分に楽しませてくれた、今シーズン最初の一尾となりました。

パターンを見極めて手にした今季初の一尾
小型スプーンに反応した初夏のレインボートラウト

狙い続けた沖の回遊パターン

昆虫類を意識したレインボートラウトをキャッチすることができましたが、私がこの時期に本命として狙っているのは、やはり沖を回遊しながらベイトフィッシュを積極的に追っている魚です。

そして別の釣行日、ようやく沖の回遊パターンで好反応を得られるタイミングが訪れました。

狙っていたポイントへ入ると、釣りを開始する前から沖ではベイトフィッシュを捕食するボイルを確認。まさに狙っていた状況を目の前にして、ロッドを握る手にも自然と力が入ります。

最初にセレクトしたルアーは、ウインドリップスティック90S ジェットブースト。いつもと変わらず、まずは中距離から探っていきます。

キャストして着水後、少し速めのリトリーブで表層を引いてくると、早々にヒット。

フッキング直後から何度もジャンプを繰り返すレインボートラウトらしいファイトを見せますが、思ったほど引きに力強さを感じません。無事にランディングして魚体を確認すると、サイズも小ぶりで、今年の解禁に合わせて放流されたと思われる個体でした。
芦ノ湖は流入河川が乏しく、自然繁殖している個体は決して多くありません。そのため、放流によって魚が支えられている湖であることも事実です。

しかし、放流された魚たちの中には湖で年を越し、芦ノ湖の環境に適応しながら成長していく個体がいます。傷んでいた鰭も回復し、魚体も次第に美しく、そして力強くなっていきます。

私はそんな魚たちを「年越し」と呼んでいます。美しい魚体とパワフルなファイトを見せてくれる「年越し」のレインボートラウト。私はそんな一尾を求めて、芦ノ湖へ通い続けています。

幸先よくレインボートラウトをキャッチできたことでひとまず安堵しましたが、自分が求めているクオリティの魚ではありません。気持ちを切り替え、再び沖を回遊する魚に狙いを定めます。

少し時間が経つと、それまで見えていた水面の反応も徐々に沖へと移動していきました。そこでルアーをジグミノーのウインドリップ85S ジェットブーストへチェンジし、沖へ向かってフルキャストします。

私が沖のレインボートラウトを狙う際、飛距離と同じくらい重要視しているのが、速いリトリーブでも姿勢を崩さず、安定して泳いでくれることです。

沖でベイトフィッシュを追っているレインボートラウトは非常にアグレッシブなことが多く、速い動きに対して一気にスイッチが入ることがあります。そのため、私は高速リトリーブでもしっかりと泳ぎ切ってくれるルアーを好んで使用しています。ウインドリップ85S ジェットブーストは、まさにこの釣りにマッチするルアーです。飛距離も申し分なく、速く巻いても姿勢を崩しにくいため、沖の表層をテンポ良く広範囲に探ることができます。

沖へ遠投し、着水から高速で巻き始めると!突然、リールのハンドルを止められるような強烈なアタリ。この高速リトリーブから「ドンッ!」とひったくるように出るバイトも、この釣りの最高に楽しい瞬間です。

さらに、何十メートルも先で掛けたレインボートラウトが水面を割って何度もジャンプし、強烈な走りで抵抗する。遠距離で掛けた魚ならではの、何が起こるか分からないスリリングなファイトもたまりません。

しかし、数回目のジャンプで惜しくもフックアウト。ファイトから伝わってきた感触ではサイズも良さそうだっただけに、悔しさが残ります。そしてまた別の日、同じポイントへエントリーすると、この日も沖ではベイトフィッシュを追うレインボートラウトの反応が見られました。

ただ、前回とは明らかに違ったのがボイルの位置です。魚の反応はかなり沖に集中しており、中距離から探る必要はないと判断。今回は最初からウインドリップ85S ジェットブーストをセレクトし、沖の表層を狙っていきます。

すると、わずか数投でヒット。ロッドに魚の重みが乗った瞬間、前回ジャンプでバラしてしまった記憶が蘇ります。

今回もレインボートラウトらしく何度も走り、ジャンプを繰り返しますが、魚の動きに合わせながら慎重に距離を詰め、無事にランディングすることができました。
決して大型と呼べるサイズではありませんでしたが、それでもサイズ以上の力強いファイトを見せてくれるのがレインボートラウトの魅力です。

そして今シーズン、ウインドリップ85S ジェットブーストを使った沖の回遊パターンで何度も魚から反応を得られたことは、自分自身にとっても大きな収穫となりました。沖でベイトフィッシュを追う魚を見つけ、その魚までしっかりとルアーを届け、高速リトリーブでスイッチを入れて食わせる。

ポイント選び、ルアーの飛距離、そしてリトリーブスピード。それぞれが噛み合うことで、狙い通りに魚から答えが返ってくる。この釣りの面白さを改めて感じることができました。欲を言えば、もっと湖らしいサイズ、そして自分が追い求めている「年越し」の素晴らしい魚をお見せしたかったところですが、それはまた次の楽しみに取っておきたいと思います。

もちろん、毎回このパターンが成立するわけではありません。昆虫類を意識する日もあれば、沖でベイトフィッシュを積極的に追う日もあります。その日の湖をよく観察し、レインボートラウトが「どこで、何を捕食しているのか」を見極め、それに合わせてポイントやルアー、アプローチを変えていく。

それこそが、初夏の芦ノ湖でレインボートラウトを狙う面白さだと感じています。

ウインドリップスティック90S ジェットブーストでヒットした放流レインボー
カーディフ ネイティブスペシャルS83ML×ウインドリップ85S ジェットブーストでキャッチしたレインボートラウト
沖の回遊を捉えた嬉しい一本

TACKLE & EQUIPMENT タックル&装備

使用タックル
ロッド:カーディフ ネイティブスペシャルS83ML
ロッド:他社トラウトロッド810
リール:18ステラ C3000
リール:22ステラ 3000MHG
ルアー:ウインドリップスティック90S ジェットブースト
ルアー:ウインドリップ85S ジェットブースト
ルアー:スライド系スプーン9g
ルアー:ジグ21g、28g
メインライン:PE0.8号
ショックリーダー:ナイロン12lb

ウェーダー:DSストレッチウェーダーPRO Z ソックス
シューズ:ジオロックウェーディングシューズPRO カットフェルト

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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