JOURNAL
桜萌える天北オロロン滞在記
サポートアングラーの矢野元基です!
北海道のトラウトアングラーが熱狂する海サクラマス釣り。今年は新規ポイントを開拓したく、5月初旬に道北日本海の初場所への釣行の模様を紹介します。
「萌える天北オロロンライン」
ゴールデンウィークまでの道南日本海の釣果が周りを含め低調に終わり、燻った気持ちのまま5月の初旬を迎えた。昨年からより北のオロロンラインの日本海に目を向け始め、今年はさらに道北日本海へ初釣行することを決めていた。
オロロンラインとは道央日本海に面する小樽市から道北の稚内市までを結ぶ日本海沿いのルートで総延長327kmの路線であり、途上の羽幌町にある天売島に生息するウミガラス(別名オロロン鳥)から由来している。終始沿岸をひた走るこのルートは絶景が渋滞する北海道の中で、何も遮るものがない日本海を延々と眺め続けながらドライブができることが魅力。特に、どの地点においても太陽が沈む日本海に面しており夕日は絶景と名高く、北海道らしい雄大なスケールの景観を楽しめる。
そのオロロンラインの中でも道北エリアに位置する増毛町から幌延町までは「萌える天北オロロンライン」と呼称され、シーニックバイウェイ北海道の一つに選ばれており、開発局の政策に組み込まれ、景観を通じた道路整備が行われている。「萌える」はルート上に位置する留萌市に由来し、「燃えるような夕日が見える」という意味にも重ねられているよう。「天北」は北海道北部を指し、明治時代に天塩国と呼ばれた留萌から北見国を含む地域名だ。そんな情緒あふれる名称のルートを人と同じく我らがサクラマスも沿岸を北上する。このエリアで海サクラマス釣りをしたことがなく、知見を深めるために今回チャレンジすることにした。
オロロンでオロオロした翠雨の朝
5月初旬、そんなオロロンラインの増毛町のポイントへ前入り。夜明けまで5時間ほどあるため、車で寝て朝を待つ。4時半にセットしたアラームで目覚めると外は雨模様。若葉から滴る水滴が美しい。既に明るくなり始めた周囲を見ると沢山の車と釣り人で埋め尽くされており、どうやら完全に出遅れてしまった。焦り気味に支度をして5時頃に海岸へ降り立つと、広いゴロタサーフ。
オロオロしていると、アングラー同士の間隔が少し広い箇所へ入れてもらえた。視界内でアングラーは20人弱。自作ジグを振っているお隣さんと話をしていると、私のことを知ってくれており、色々と教えていただけた。どうやら、暗いうちに1本釣れたらしい。初場所で勝手がわからないため、周囲の状況を観察していると、ピンク系で40gほどのジグをただ巻きで引いている割合が多い。波の立ち方から見るに遠浅な地形で、遠投有利のポイントか。この日は小潮で「夜明け前が干潮のピーク」で、9時頃まで潮が満ちてくるため、「満潮にかけて魚の接岸」が進むと推測。
また、波がなく穏やかな海面のためジグミノーも効くと考え、ウインドリップを巻くも反応がない。ここはやはり遠投かと、信頼のある40gの黒シェルのジグにチェンジし、100mほど飛ばし、ビヨンビヨンと強めのトゥイッチを混ぜた早巻き。リーリングは1秒間に2〜3回転ほど。この誘いはサクラマス狙いにおいて反応は絶大で、ジグに限らずミノーやジグミノー、スプーンにも適用できるのでぜひ試してほしい。
5時40分、90mほど沖でサクラマス特有の金属的なバイトがあり、そのままリトリーブを続けていると、すぐにヒット。小型ながら確実にサクラマスとわかる引き。道南日本海では1ヶ月6釣行で2本しかキャッチできなかったため、慎重にファイトしランディング。波打ち際でフックが外れたが、キャッチできた。サイズこそ47cmと小振りだが嬉しい1本。
これを皮切りに30分ほどの間に一帯で4本上がった。
周囲を含め反応の無い時間が続いたが、入れ替わりポイント移動をしてきたアングラーが入ってくるので他のポイントも芳しくないと思われるので、このまま粘ることに。周囲のアングラーが帰り始めたが、潮が満ちるにつれ魚が入ってくるはずと辛抱し、ジグにアクションを入れ誘っていると7時30分に待望の2本目をキャッチ。
雨足が強くなってきた8時過ぎに納竿した。この日は札幌の妻の実家に行く予定があったので、小さいながらもサクラマスはキープし、夕食で振る舞うことに。
ほどほどに釣るを心がける
翌日、札幌を深夜3時頃に出発し、昨日と同じ方面へ向かう。訪れたことのないポイントへ入りたく、明るくなってからオロロンラインを北上しつつポイントを見極めることに。凪いだ海岸線にはポツポツとアングラーの姿が。5時頃、一際活気に溢れる道路沿いのサーフを発見し、釣れていそうな気配。駐車場に車を停めると仲の良い友人の奥さんを発見した。旦那さんはすでにエントリーし、どうやら釣れているとのことで急いで身支度をする。
見渡す限り70人ほどのアングラーが居並び、多くのアングラーが釣れている様子。どうやらXDAYに当たったようだ。居並ぶアングラーの最端に着くと、また別の友人夫婦を発見。すでに2本キャッチしている。どうやらここも遠浅な地形でみな40gほどのジグを振っている。立ち位置の左が小さなワンドになっており、少し深くなっている。「潮は左から右」に流れており、流れに頭を向けて泳ぐというサクラマスの特性から、「魚が入ってくるなら右側から」と確信。ワンドの目の前の離岸流で一旦止まるだろう。
これは期待できると妻が放った一投目からヒットしたがバレてしまった。私も昨日の当たりジグである40gの黒シェルをセットし、誰のルアーよりも目立つように激しめにビヨンビヨンとアクションを入れて誘う。リーリングは1秒間に2回転ほどでストップを入れた瞬間にヒットしたがすぐにバレる。そのまま巻き続けるとまたあたる。どうやら、目の前に魚が溜まっており、投げる人が変わると微妙な変化で魚が口を使う感じがする。アクションでヒットに持ち込むのは得意なパターンなので、同じコースを誘うとまたしてもヒット。今度はバラさないように慎重にランディング。50cm弱の少しスレンダーなサクラマスで、鱗のこぼれなき魚体は大変美しい。ランドと同時にフックが外れ、手早く写真を撮りリリース。
昨日は2本キープしているし、これは数釣りができそうなので節操なくキープせず今日はリリースDAYにしよう。雨が降り始める中、同様のパターンで1時間ほどの間に40cmから50cmほどのサクラマスを5本キャッチし、全てリリースした。
どうやら、ベイトは10cmほどのカタクチイワシで鳥山がいたる所で発生している。このようなパターンではカタクチイワシが激しく逃げ回る様子をイメージしてロッドを激しく上下にビヨンビヨンと操作しルアーを動かすと反応がよいことが多く、「パニックカタクチパターン」と呼称している。アイドルグループのステージで、数いるメンバーの中でも「終始目で追ってしまう踊りの切れや声質が自分好みとなる推し」を想像してほしい。魚も数あるベイトの中で、自分好みのパターンにハマれば他に目もくれずロックオンして喰らいつくまで追ってくるやばいファンだ。そんな想像をしながら操作するとよい気がする。
本気でやれば倍は釣れただろうが、このような日は適度に力を抜いて釣るくらいがちょうどよい。土砂降りの中、波風が強くなり10時頃には納竿した。今年はどうやら雨の日に釣果に恵まれることが多い。
そして、偶然現場で会った友人が翌日もやるということで、昼から一緒に温泉に行き夜までサ活をして、お酒を買い込み現地で車中泊することに。一緒によくサ活釣り旅をしていた友人だけに、夕方に竿を振ろうとは全くならなかった(笑) 。行き当たりばったりなこの感じがとても楽しい。
海サクラマスの釣り方は全道共通か
そして翌日、安定のちょい寝坊で明るくなってから身支度開始。5時頃にフィールドに立つと、またしても端っこしか空いてない状況。小樽で渓流アングラーが集うイベントに参加するため、7時には釣りをやめて帰り支度をしたい。昨日のパターンで攻めるが、この日は昨日の魚の濃さとは変わり魚の反応がほとんどない。今日はアクションが逆効果と判断し、ただ巻きで1バイトあった後、同じくただ巻きで丸々と太ったグッドコンディションな60cmほどのアメマスをキャッチした。
6時過ぎ頃、トドも至近に来遊し、少ない魚がさらに散っていそう。
このトドだが、沖目で見てもかなり大きく、もし上陸してきたらどう逃げるかという話題で盛り上がる。北海道で釣りをしている以上、常にヒグマの存在を意識してシミュレーションを繰り返すが、トドが迫った場合、どうすればよいのだろうか。人が襲われたという話は聞いたことがないが、実際に大きなトドは近場で見るとヒグマの3倍以上はありそうな巨体で恐ろしく、1tを超す体躯も珍しくない。肝心の釣果は周囲でも見渡す限りで数本釣れる程度だった。波風も強く、7時頃には予定通り終了することに。
今回、初めて道北日本海に足を運び、人がまばらで少ないフィールドをイメージしていたが、想像以上に多くのアングラーが並ぶ光景が印象的。私の入ったポイントが特別盛り上がっていたのかもしれないが、旭川市や滝川市といった都市部からも比較的近いためかアングラーの活気に溢れていた。例年は道南日本海と比べ、アベレージサイズは小さいかもしれないが、今年に限っては道南よりサイズも数もよく感じられる。そして、道南や道央のハイプレッシャーフィールドで培った技術が初見のフィールドでも同じく通用するとわかったことは自信にもつながった。来年はさらに北のフィールドにチャレンジしてみたい。
遠征飯と増毛の恵み
①遠藤水産増毛店 オアシス(増毛町)
増毛と言えば遠藤水産の新鮮な甘エビとタコ。甘エビは新鮮すぎてパックの中で購入後も元気に動いている(本当)。海鮮丼(刺身とご飯が別々になっている)や甘エビやタコの唐揚げを購入し、道路を挟んだ向かいのイートインスペースで食せる。海鮮丼の具材は種類と量も豊富でコスパは全道随一に思う。また来年も絶対に食べたい。私は9時のオープンと同時に入店して好きなものを買えたが、遅い時間に行くと売り切れていそう。
②国稀酒造(増毛町)
最北の酒蔵であり、明治15年創業。当初、「國の誉(ほまれ)」という社名と代表銘柄で営んでいたが、日露戦争当時の旭川第7師団師団長の乃木希典大将より「希」の一字を拝借し国稀と改名したそう。増毛町民も多くが第7師団へ入営し、日露戦争での旅順攻略戦や奉天会戦など歴史に名を残す激戦地で命を落とした。国稀は国に稀ないいお酒という意の通り、淡麗辛口でキレがあるが暑寒別岳の軟水由来の雑味がなくクリアでスッキリした味わいで食中酒として逸品。
③増毛の恵み
朝獲れの増毛産サクラマスと甘エビを国稀酒造の日本酒でいただく贅沢な組み合わせ。サクラマスはシンプルな塩焼きとあら汁、甘エビは刺身で。純米大吟醸清風極は蔵元限定品で、これぞ現地を訪れて釣果のあった釣り人の特権である。この清酒はやや甘口で甘エビにもサクラマスにもよく合う。妻にガブ飲みされてしまった。
TACKLE & EQUIPMENT タックル&装備
使用タックル
ロッド:ディアルーナS106M
リール:ステラ C5000XG
ライン:ハードブル+ 1号
リーダー:ナイロン16ポンド
ルアー:ジグ40g 黒シェル
着用アイテム
ウェーダー:DSストレッチウェーダーPRO Z ソックス
シューズ:ジオロック ウェーディングシューズPRO
※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。