JOURNAL
道南日本海に桜流しの雨が降るとき
サポートアングラーの矢野元基です!
今年も北海道のトラウトアングラーが熱狂する海サクラマス釣りのシーズンがやって参りました。4月から5月初旬まで道南日本海で狙った釣行の模様をお届けします。
道南海サクラマス2026年シーズン事情について
コロナ以降、密にならない野外アクティビティである釣りがブームとなり、サクラマスの来遊好調と重なって爆発的人気となった海サクラマス釣り。昨年は道南日本海が低調に終わり、今年はどうなることかと状況を静観した3月。例年、2月末から3月に入ると釣果の便りが多数聞こえ私も道南へ繰り出すが、今年はどうやら昨年以上にサイズも数も低迷しているよう。そのため、2、3月は洞爺湖に専念したがノーバイトで7連敗とパーフェクトな結果に。
海サクラマスは大物を釣ってやるぞと奮起して4月初旬から釣行を開始したが、1、2釣行ではバイトすらもなく空振りしてしまった。
絶対に釣ってやるぞと気合を入れた4月4週目の3釣行目。土日を利用し1泊2日で挑む。1日目は道南瀬棚方面からスタート、魚の気配がまったくなく、友人が見つけたギョウジャニンニク群生地で採集に励む。
サクラマスに次ぐアングラー春の風物詩「ネギ採り」
ギョウジャニンニクとは、アイヌネギとも称される北海道に生息する山菜で、その名前の由来は、ニンニクのような強烈な香りと、山にこもる修行僧の行者が山籠りで食べ、滋養がつきすぎて修行にならないため、食べることを禁じられたからと言われている。我々道民は「ネギ」と呼びサクラマス釣り最盛期に食べ頃を迎え、かつ釣り場至近に群生しているため、サクラマス釣行とセットで収穫される。
なにより、サクラマスとセットで食べると大変美味しく、春の訪れを感じる山菜だ。時期が少し遅く葉が広がっていたが、醤油漬けや天ぷら、ジンギスカンに合わせると絶品だ。
ここはあまり人が入らないのか太いギョウジャニンニクが多い。三枚葉(葉っぱが三枚になる親)と一枚葉(葉が一枚の子供)は「絶対に獲らない」ように注意したい。発芽して5年ほどは一枚葉で二枚葉になるには6年の月日が掛かり、三枚葉は花を咲かせ種を残すので「収穫は二枚葉のみ」にしよう。魚同様に採集圧に弱いため我々は根こそぎ獲らず、そうやって限りある資源を残してきた。また、収穫数についても、私は1箇所で採るのは全体の3割ほどに心掛けている。そして、根から引っこ抜かず、根元をハサミやナイフで丁寧に切ろう。そうすれば残った根茎から来年も生えてくる。スライドナイフなんかはネギ採りや釣ったサクラマスを〆るには最適だ。ギョウジャニンニクの斜面に生えるという特性から、片手で簡単に刃を仕舞えてポケットに収まるコンパクトな製品であり、足場が不安定な場所でも扱いやすい。
そして、夕方に島牧方面へ北上、同行していた友人がサーフのポイントで今釣行初となるサクラマスの跳ねを見つけ、翌朝はそこへ入ることに。
やっと開花できた快晴の日本海サクラマス
早朝、例年なら隙間なく100人を超えるアングラーが並ぶ人気の海岸だがサクラマスがほとんど釣れていないこともあり、人もまばらで周囲には15人ほど。快晴ベタ凪の無風でサクラマス狙いでは好きなコンディション。連日多数のアングラーからあの手この手で攻められていることを想定し、朝イチはヒラメミノー135SのNマイワシを選択。このミノーは昨年、堀田光哉さんと釣行した際に堀田さんがサクラを掛けた(残念ながら波打ち際でバラしてしまった)ことが印象的で、今年から使用しているがノーマークのミノーで、友人でもサクラマス狙いで使用しているのは聞いたことがない。スレたサクラマスを狙う際、人の使用しないルアーを使うと反応がよいことがある。トラウトの釣りで新型のルアーがよく釣れるのはそういった理由があると思う。多数の根が点在するポイントで、根の脇を通すようにリトリーブ。ミノーを操作する際、ファストリトリーブしつつ竿先をビヨンビヨンと上下するアクションがサクラマスには効果的。
根の間を丁寧に通すよう操作していると、すぐにヒット。金属的で鋭く小気味よい引きは紛れもなく本命。ドラグを緩めバレないように慎重に寄せてくるが根に絡まってバレてしまった。久しぶりのショアサクラマスのヒットで魚の誘導が上手くできなかった。魚はいるぞと確信が持てた。
トレブルフックは根に絡まる恐れがあるため、センターサーディン35gのウェービーグリキンを選択。センターサーディン35gはオフショアで人気のセンターサーディンをミニマムにしたモノ。68mmと小型ながら肉厚で空気抵抗が少なく遠投でき、正面から見て「右側面が若干凹んでカップ状」になっている左右非対称な形状。ジグとジグスプーンの中間的な構造のため潮噛みがよく、特に右から左に潮が流れている際によく暴れ、サクラマスが好きそうな動きをする。ちょうど潮は右から左へ流れている。早巻きすると激しく回転するように動くため、糸ヨレ防止のためローリングスイベルの使用を推奨。波打ち際には全長30~50mmほどのトゲウオが群れている。
しばらく反応のない時間が続くが、近くの友人が跳ねを目撃したとのことで、そこへ移動した。80mほどフルキャストし、ミノー同様にファストリトリーブしつつ、ビヨンビヨンと上下にアクションを入れ巻いてくる。ジグが高速で横移動しながら、左右にお尻を振り回転しつつ、さらに上下へ規則的に動く。また、ウェービーカラーはカラーリングも左右でウェービー柄と通常のグリーンゴールドと異なっており、ジグが回転した際に「カラーリングの違いからよく目立つ」。
午前5:30、数投でヒットしたのは小型ながら精悍な顔つきのサクラマス。
40㌢ちょっとのサイズでかわいらしいため、手早くリリースした。同様のアクションでシェルアユでもう1バイトあったが、それで終了。周囲の15人ほどで上がったのはこの1本、まだあまり人の使っていないルアーとカラーがスレた魚に効いたのだろう。
その翌週に再び釣行の際は積丹からスタートし、全く反応がないので思い切って南へ1時間ほど移動し、相変わらず魚影が少ないと聞く島牧方面へ。この日も快晴ベタ凪の無風だった。普段はごった返す、超人気の一級磯が閉店ガラガラ。これはダメかなと思いつつ帰り支度をしている2人組のアングラーに声を掛けると朝から自分達含め1匹も釣れていないとのこと。せっかく来たのだからと少しやってみることに。
振り始めてすぐ、30mほど先にある沖根の周りで跳ねを発見。魚は左を向いていた。前回実績のあったセンターサーディンを結んでいたが、急いでサイレントアサシン140SのSメイメツベイトをキャスト。ミノーの射程内に魚がいる場合は、やはりミノーが有効。サクラマスは凪の場合、ルアーの着水が10m以上離れていても、その着水音と波動を認識しロックオンする。魚にやる気があればルアーに急行するが、スレていれば見切って口を使わない。足場の高い堤防で釣りをしていると、そういう状況をよく観察できた。沖根の左奥20mほど先へ飛ばし、強く横に弾くようにジャークしてラインスラックを作る操作を繰り返す。アサシンは右から左へ鋭く飛んで止まるようなアクションとなる。
午前8:00、沖根の10mほど沖でヒット。まあまあの手応え。すぐに魚体が見えると50㌢を楽に超える今季ではよい個体。しかし、テールフックのトレブル1針が下顎に刺さっているのみ。しかも、目の前でサクラマス特有の「魚体の泳ぎを止めて左右に首を大きく振る超バレる針外し技」を披露し始めた。ここでラインを強く張っていないと、ルアーが勢いよく左右に振れる遠心力でフックがすっぽ抜ける。強く張り(巻き)過ぎても身切れしてバレる。1針のみの接点の場合、魚が覚悟を決めて本気でこの動作を発動すると、どっちにしろバレる必殺技なのだ。これがシングルフックでサクラマスを釣るのが難しい所以。サクラマスは首振りやローリングで身を引きちぎって針を外す捨て身の針外しテクニックを多用するが、フックの構造と外す原理を本能で理解しているとしか思えない。「やばい、バレそう。今年は大きな鱒に出会えてないしこれは食べたい!じゃなくて釣り上げたい。ごめん。」と思いつつアサシンを魚の背中に回し、フロントとベリーフックを念のため掛ける。途端に必殺のローリングを披露しラインが魚体にグルグル巻きに。キープしない魚ではこのような技は使わないように自重しましょう。勿論、おいしくいただきます。ボンレスハム状態となり、泳げず観念したサクラマスを難なくランディング。
晴れのちアメ
その4日後、サクラマスが釣れていないと評判の土砂降りの島牧にまた私は居た。とことん懲りない人だと自分に笑ってしまう。今回はジャークマンこと林さんと久しぶりの釣り。北海道の海アメマス・サクラマス釣りでは知らない人はいないアングラーで、オーシャントラウトのミノーを用いたジャーキングメソッドを一般化しブームに火を付けた立役者。メーカーオフィシャルやYouTubeで釣り動画などない時代に私もスピード感あるアクションで海アメマス・サクラマスが簡単に釣れる釣法を教えてもらい、大変影響を受けた。どうやら最後に海でご一緒したのは2017年、9年ぶりだ。
やってきた磯は前日のシケで大量のカタクチイワシが打ち上がっている。12から15㌢のかなり大きな個体が大半。ミノーが独壇場になるシチュエーション。
朝イチ、林さんがアメマス2本をヒットさせたがサクラマスの気配がなく、すぐに移動。向かった移動先の磯は波が高く、断念。朝イチの磯に戻ることに。岸一面に打ち上がっていた大量カタクチイワシは根こそぎカモメに回収されていた。朝はそれなりの人数が居た磯も2人のアングラーがいるのみ。沖には鳥山が無数にあり、ベイトが乱舞しているようだ。林さんがアメマス2本、私も55㌢ほどと、妻が25㌢ほどのアメマスを釣り、サクラマスは居ないねと立ち位置を変えつつ広く歩き回る。
すると、突如500mほど沖にイルカの大群が出現し、鳥山が岸際に移動してきた。経験上、沖にイルカがいる場合、襲われるのを避けトラウトはかなり浅いところまで接岸する。これは大チャンスと思っていると、林さんにビッグワンがヒット。ファイトからして、かなり大きそう。長めのファイトの末、上がってきたのは急成長した証である水玉がドーナツ状になっている海アメマスの聖地たる島牧らしい魚体。
私も続かねばとアサシンのメイメツベイトをジャークする。イルカを避けて海アメマスは水中のストラクチャーや海藻に隠れているだろうと想定。水深のある磯のためカウントを15秒とり、中層でロッドを斜め45度の角度で勢いよく煽るジャークで誘う。ちょうど、サッカーのフェイントのように相手を逆方向に誘導するように素早く左右にミノーをばたつかせるイメージで操作するのがよい。水深7mほどのポイントでも中層で誘うと底付近にステイする魚へも充分にアピール出来る。5回ほどジャークをしている最中にガツンとした重量感でロッドが止まる。突如ラインテンションがなくなり、急いで糸ふけを回収する。どうやら魚が急浮上している様子で、巻き取りが間に合わないスピードは大型のアメマスで確定だ。水面で水飛沫を上げバタンバタンとアサシンを外そうとする。ミノーは一度ヒットするとそう外れることはないため、安心してランディング。ドーナツ模様の美しい魚体だった。ランディング後、ラインがフックに絡まったため、すぐにラインを切断し、魚からフックを外す。極力、魚体に負担をかけたくない。すると、魚がネットから飛び出して逃亡。浅い水深の磯場を一目散に駆け抜ける。私も慌てて急いで20mほど走って追いかけ捕まえた。写真を撮る前に逃げられるところだった。
咲き誇る美しい桜の花を流す激しい雨がまだ降っていた。
近隣グルメ編
①プチレストラン かりんぱ(島牧村)
アメマスダービーの検量所ともなっているアングラーが集うレストラン。定食やラーメンセットなどボリュームあるメニューが豊富。いつも豚丼ラーメンセット大盛を食す。甘味のあるタレで焼き上げた柔らかい豚肉が決め手の豚丼とラーメンの相性が抜群。我らが村田基さんなど有名アングラーの写真が多数飾られる。
②トワ・ヴェールII(黒松内町)
道の駅くろまつない内にある黒松内産のチーズを使った人気店。昼頃は行列になるため、営業開始の10時から11時までに行くのがおすすめ。どのメニューも美味しいが、私はダンケシェーンが好み。甘辛い照り焼きチキンに北海道らしいアスパラ、コーンとマヨネーズの相性が絶妙。また、併設されるパン屋さんも大変人気で食パンと塩パンを平日の朝食用に買って帰る。
③麺処 ほう龍(蘭越町)
西山製麺のモチモチした食感が絶品でこちらも行列が出来る人気店。辛味噌らぁ麺の辛さ10番大盛りにライスを組み合わせるのが恒例。新鮮なネギと糸とうがらし、トロトロのチャーシューと挽肉に辛さが加わりエクセレント。特選味噌らぁ麺も大変美味。ここも釣り人に大人気で、海況やサクラマスの釣況により11時の開店同時に店内全員がアングラーで埋まる場面に遭遇したことがある(笑)
④柳麺 幻(蘭越町)
辛いモノ好きで私はここでも辛味噌を頼む。プチライスが無料で腹ペコアングラーには嬉しいサービス。また、紅生姜、にんにく唐辛子、青辛味噌と薬味が豊富で青辛味噌を乗せたライスとラーメンの組み合わせが最高なので是非試してほしい。チャーシューや角煮をライスに乗せ、丼のタレと花山椒をかけて食べるスタイルも出来るそうで、次回試してみたい。
⑤羊蹄山の湧水(真狩村)
無料で湧水を汲めるスポット。道南日本海へ釣行時は無数にある羊蹄山麓の湧水スポットで水を汲んで帰るようにしている。コーヒーを淹れる際に湧水を使うと抜群に美味しくなる。
TACKLE & EQUIPMENT タックル&装備
使用タックル
【タックル】
ロッド:ディアルーナS106M
リール:ステラ C5000XG
ライン:ハードブル+ 1号
リーダー:ナイロン16ポンド
【ルアー】
センターサーディン35g ウェービーグリキン
サイレントアサシン140S Sメイメツベイト
【その他】
スライドナイフ
着用アイテム
ウェーダー:DSストレッチウェーダーPRO Z ソックス
シューズ:ジオロック ウェーディングシューズPRO
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ロッドディアルーナS106M -
リールステラ C5000XG -
ラインハードブル+ 1号 -
ルアーセンターサーディン35g ウェービーグリキン -
ルアーサイレントアサシン140S Sメイメツベイト -
ナイフスライドナイフ -
ウェーダーDSストレッチウェーダーPRO Z ソックス -
シューズジオロック ウェーディングシューズPRO
カメラ:GR3(RICOH)
※一部写真はiPhone使用
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